2024年 アイアンマンジャパンみなみ北海道レポート レース編
はじめに
今回初めてのノート投稿です。表題のレースですが、色々と印象深いものとなったのでレポートを残したいと思います。長くなりそうなので、レース編、レース準備編、レース外編の3つに記事を分けるつもりです。レース外編は大会のマイナス面にも触れざるを得ないため、書かないかもしれません。書くとしたら有料にするつもりです。
これらの記事がどうか、来年参加予定の方への参考となることを願います。
スイム、バイク、ランのコースについてはアスリートガイドを参照しながらお読みいただければと思います。
https://cdn1.sportngin.com/attachments/document/2c9a-3257855/IRONMAN_Japan_South_Hokkaido_2024_AIG-JP_ver1.1_JPN.pdf
気温
スイム時19℃プラマイ1℃くらい(日差しなし)
バイク時21℃プラマイ1℃くらい(ほぼ日差しなし)
ラン時20℃プラマイ1℃くらい(ほぼ日差しなし)
の最高のコンディション。
佐渡は地獄のような暑さで、距離というより暑さと時間との戦いですが、アイアンマンジャパンみなみ北海道は、今後時期さえ変わらなければ練習の成果を100%ぶつけられるシーズン最後を飾る最高の大会になると思います。
スイム:1時間29分10秒(想定タイム:1時間30分)
スイム、バイク及びランですが、こちらの距離についてはアイアンマンのフルですので特に言及せずに進めます。
会場は北斗市の海岸です。
300m、800m、1400mの3箇所で方向転換が生じます。
メインブイは赤、コース補助のブイは黄色(行きの1400mまで?)とオレンジ(戻りの500m?)でした。
3箇所のメインブイは赤色の細長いブイが横倒しで設置されています。横倒しなのでコース補助の黄色とオレンジのブイより背が低く、視認性が非常に悪かったように思います。
特に、今回は波もそこそこ高いため、視認性は最悪でした。
800m地点から1400m地点までの600の直線は、特に迷子になりやすいと思います。実際に周囲を見渡したところ、かなりの選手が横に広がって泳いでいました。
スイムが苦手な人ほどこまめにヘッドアップして、何なら止まって見渡しても良いので進行方向をしっかり定めるのが重要です。
距離と波の対策ですが、3km以上のOWSの大会に出ることをおすすめします。
私は2023年に湘南ひらつかOWSの3kmの部に出たことがあります。
かなり波が高く、途中で酔って吐きそうになりました。
その環境と距離を泳ぎ切るのは自信になります。その後に出場した河津フラワートライアスロンも波が強いと言われていましたが、湘南ひらつかを乗り越えた身としては凪に感じました。
OWS、本当に経験が物をいいます。
T1:4分54秒
今回初のアイアンマンレースでしたが、通常の国内レースとの一番の違いはトランジションバッグの存在だと思います。
通常の国内レースであれば、バイク置き場に一緒においておくバイクとランのアイテムを、「バイクギアバッグ」「ランギアバッグ」という配布されたビニール袋に入れて、事前(大会前日)にそれぞれのトランジションエリアに設置します(それぞれの中身は準備編で紹介します)。
トランジションエリアですが、複層構成となっています。
バイクラックより手前のエリアに、バイクラックとは別にバイクギアバッグを引っ掛けるエリアが準備されています。その近くに着替え用の更衣エリアがあります。
ですので、バイクラックにはバイクしか掛かっていない状態になります。ヘルメットもシューズもバイクギアバッグに入れる決まりです。
つまり、T1エリアの動線としては、
スイムアップ→バイクギアバッグ引掛かっているゾーン→更衣エリア→バイクラック
になります。一方通行で、迷うことはありませんでした。慣れない形式ではありますが安心してください。
注意点としてバイクギアバッグもランギアバッグも前日に設置したら、大会当日はアクセスできません。
バイクラックには当日もアクセスしてボトルを置いたりできるのでご安心を。
色々と書きましたが、やること自体は通常の国内レースと同じです。
それぞれの工程に移動が生じるだけですので、特別時間がかかるとかはありません。
ただ、バイク用アイテムを取り出した後に、バイクギアバッグにスイムの道具を全ていれる必要があります。バッグと言いつつ弱弱なビニール袋なので、ウェットスーツを丁寧に入れないと破けます。面倒なので破いてもいいです。そこでペナルティは発生しません。
アイアンマンジャパンみなみ北海道の場合、更衣テント内はブルーシートを敷いているのになぜか土足なのでドロドロ、外のブルーシートも土足だし砂浜の上なのでドロドロ。
足を綺麗にした状態でバイクに移るのは、時間を気にする場合不可能なので、腹を括ってください。
トイレはバイクスタートまでの動線上にあるので安心してください。大会スタッフがバイクを持っていてくれます。
バイク:5時間36分44秒(想定タイム:5時間27分)
賛否が分かれるのでは?と思っています。
自動車専用道路をひたすらかっ飛ばす爽快感ある設計の高速仕様コースです。
しかし、大会側が事前に謳っていた「フラットなコース」は嘘と思ったほうが当日絶望しません。
前日のコース見学バスツアーで、バスの中から確認しただけでも斜度3%越えの坂(自動車専用道路だから長い)が複数あります。Forerunnerの計測結果では、総上昇量1450mでした。フラットとは何かを一度考えて物を言った方が良いと思います。
特に茂辺地ICの下り後の上りは絶望です。しかもそれが4回ある。
とは言いつつも、フラット傾向ではあると思います。
TTバイクユーザーにとっては最高に気持ちよいコースだと思います。
それと、大会前に有名トライアスリートがこぞって「路面もきれいで〜」みたいなことを言っていましたが、北側の北斗中央IC〜北斗富川ICあたりの路はかなり粗くて全然きれいじゃないです。
千葉県民と茨城県民にわかるように言うと、16号線です。
そのあたりはボトルもたくさん落ちていたので、落車要素が多く、DHポジションの際は注意を払いすぎて損はありません。
その他の注意点として、気温の項でも書きましたが当日かなり涼しいです。
バイクパートは30km前後の速度になるため、体感温度はもっと低く感じる人もいると思います。
となると、水を飲むのを怠る可能性が出てきます。
個人的には約30km毎にあるエイドステーションで毎回1本ずつボトル交換するくらいの気持ちで良いと思います。
バイクパートでしっかり水を含む補給を行っていないと、その後のランに響きますので。
自動車専用道路を降りて2〜3kmは一般道路を走りT2に向かいます。
何故か最後の最後でエグい上り坂があるのですが、ここは地域住民の応援のお陰で難なくパスできます。
この坂はランでも出会いますので覚悟しておきましょう。
T2:3分39秒
バイクの項で書いた通り、ランに必要なアイテムも指定されたランギアバッグに入れておく必要があります。
自分の番号が書かれているバイクラックにランギアバッグが引っ掛けてあるので、乗ってきたバイクと入れ替える形になります。
ランギアバッグを持って更衣エリアに向かい靴を履き替えます。
この時ランギアバッグにランアイテムとの入れ替えでヘルメットとビンディングシューズを入れる必要があります。バッグを破いてでもさっさと詰めてランに入りましょう。
ランギアバッグはスタッフが受け取ってくれます。優しい。
更衣エリアからランコースに入る動線上にトイレがあるので済ませておきましょう。1400人弱参加する大会なのにトイレが3つくらいしかなかったです。何でですか。
ラン:3時間53分15秒(想定タイム:4時間12分)
個人的な大会の目玉は、バイクの自動車専用道路よりもこちらの1周14kmのランコース
これは本当にフラット基調。
とはいえ、10km地点(2周目:24km地点、3週目:38km地点)でしっかり辛い坂が用意されています。
坂の中腹でエアサロンパスの施設エイドを見かけました。そりゃ欲しくもなる。
前半〜辛い坂終わりまでは牧歌的な雰囲気の道。
辛い坂終わり〜終点までは地域住民盛り沢山の住宅街。
13km(27kmも。最終周回では無し)地点くらいで、バイクコースの最後に出会ったエグい坂道がありますので、心の片隅に置いておいてください。
自然に癒やされ、地域の皆様に励まされて42kmを走ります。
どうせ辛いので、絶対に顔を上げて走ったほうが良いです。
放牧されている牛さんも見られます(バイクでも一応見られました)。
エイドステーションが1.5km〜2.5km間隔であるので、かなりありがたいです。
涼しいですが、汗はかいているはずなのでなるべくお水を一杯は飲むようにしたほうが良いと思います。
辛い坂とエグい坂でかなり脚を削られる印象を受けました。
歩かないでゆっくりでも走るだけでかなりのアドバンテージです。
涼しいのでついついスピードが出がちですが、意識的にスピードを落として走る方が最後までペースを維持しやすいと思います。
ゴールはテンションがぶち上がります。
アイアンマンレースの本質・ブランド価値はここにあるといっても過言ではないと感じました。
こればかりはネタバレ無しで自分で味わっていただきたい。
私はついつい泣いてしまいました。
総括:11時間7分40秒
終わってみると、とても楽しいレースでした。
フラットと言い張るフラットじゃないバイクコースなど、レース外で言いたいことは結構ありますが、純粋にレースそのものとしては最高の大会だと思いいます。
何よりもそのコンディション。
気温の項でも書きましたが、自分の積み重ねてきた全てを100%以上でぶつけられる大会です。
涼しいは大正義。特に今回は涼しいだけでなく日差しもなかったので、デバフ効果がゼロです。
日中に時間が取れず、なかなか暑熱に順化できないような忙しい方でも、しっかり努力が報われるレースだと思います。
今回、全種目をほぼ想定通りに運べました。これは体調や補給に影響する外的ストレスがほぼなかったからだと思っています。
関東圏での7月8月開催レースや佐渡国際ではこうはいきません。
地元民以外の方は北海道開催という移動や滞在による体力・金銭面での負担は生じますが、海外よりはマシです。
この数日間だけは無理してでも参加する価値は十分にあると思いました。
ぜひ、開催されているうちに参加を!