子育て知恵袋―絵本、何を選ぼうか?
2023/6/13(火):子育て知恵袋㉛
はじめに
ページを開いて下さってありがとうございます。
子育て知恵袋の今日は、先週に引き続き絵本について書いていきたいと思います。
前回は絵本の取り入れ方、読み方について書いたのですが、今回はどんな絵本を選んでいこうか?ということについて…
読ませたい「全集」は危険!
本をあんまり読まないけど、「子どもには本を読ませないと!」という親やおじいちゃんおばあちゃんがやりがちな「絵本を送る」あまりおススメできない方法…それが「名作全集」などの全集絵本を興味のないうちからまとめて与えてしまうこと。
まだ絵本や本の中身の事柄に興味もわかないうちから全集を並べてしまうと、子どもにとってその全集は「単なる風景」になってしまう可能性が高くなります。それではあまりにもったいない!
子どもが興味を持った時に目に触れ、手に取れる「ビタッ」と来るタイミングで一緒に選んだり、「ビタッ」と来る内容を「満を持して」子どもの手に渡してあげる方が子どもの「嬉しい♡」「ドキドキ期待」が倍増します。
「正しい」「役に立つ」よりも「楽しい」を
子どもの絵本、どんな基準で選んでいますか?
本屋さんで「名作コーナー」に並んでいたモノ?
親の自分たちが子どもの頃に好きだった作品?
SNSで話題になった「子どもが言うことを聞くようになる怖い絵本」?
「読んだらすぐに寝てくれる絵本」?
ついつい大人のメリット重視で選んでしまっていませんか?
大人のメリットや思惑で選んでしまうと、無意識に「思うような反応ができているか?」「想像通りに読めているか?」といった正解・不正解で子どもの姿を評価してしまうもの。
すると、子どもの「楽しい」や「嬉しい」「おもしろい」「不思議」など、ワクワクした気持ちや疑問に気付くことが難しく、興味や疑問を掘り下げるような対応ができなくなってしまいます。
つい「いいといわれる話題の絵本」を選んでしまう…という気楽さや流行ったものへの安心感で子どもの育ちの環境をつくるよりも、
「今、どんなものが好きかな?」
「こんな絵本ならもっと興味を刺激するかも?」
なんて我が子の「今」の姿から選んでいくようにすると、子どもをより理解し、子どももより「おもしろい!」の世界を深めていくことができると思います。
「ビタッとくる」って何だろう?
4歳や5歳にもなると知的好奇心はどこまでも深化していきます。ただ寝るまでの場つなぎ的な絵本ではなく、好奇心が育ち「知るって、分かるって面白い」が味わえるような絵本選び、本選びをしていけると絵本のもたらす意味が全く変わってくると思います。
それが「ビタッとくる」本というもの。では、子どもの心にビタッとくる本を選ぶということは、どうしたらいいんでしょう?
ちょっと専門用語を出しますね。
それは「発達の最近接領域」という言葉。
子どもが(人が)「一番おもしろい!」と夢中になって取り組むこと…それは、
「できそうでできない!もうちょっとがんばったら届きそうなこと」
です。
私たちもそうで、「あまりにも簡単なこと」や、逆に「こんなことできるかぁ!」って怒りたくなるほど難しいことって「おもしろい」とは思えませんよね?
ゲームでもなんでも「なんかちょっとがんばってやっと達成!」くらいの物の方が達成感も「自分がんばった!」感もあって嬉しくありませんか??
それと同じで子どもの興味がある分野で「ちょっと深い情報や知識、知らない世界」が書かれているものが、その興味をより「知りたい」を育んでくれます。
ちょっとのおもしろいを広げていけるかは、大人が邪魔をしないこと!
大人自身も興味を深化させる面白さを共に味わえるかどうかにかかってるのではないかと思います。
子どもから学ぶことは沢山!子どもと楽しめることも沢山!
一緒にいろんなことを楽しめたら親も子も嬉しいですね。