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血湧き肉躍る〜『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』感想(ネタバレあり)〜

(以下、『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』の感想ですが、物語の核心に迫るようなネタバレがあります。ご注意ください。)


まるで漫画のような世界観が楽しく、「これぞ香港映画!」と言えるような血沸き肉躍るカンフー・アクション映画でした。
ルイス・クーがタバコを宙に放ち、レイモンド・ラムを簡単にぶちのめした後、再びタバコをキャッチするシーンには大興奮。主人公ら四人組が見せるオフビートな笑いも心地よく、何があってもお互いを見捨てない絆にグッと来ました。

舞台となる「九龍城砦」も、外側から感じられる異様な雰囲気と、内側の人々が助け合って生きている温かい雰囲気の対比が魅力的で、もう一人の主人公かのような存在感があります。

全体的にとてもよく出来ていて満足して映画館を後にしましたが、周りの評判を聞いて期待値が高くなっていた分、「ここがもっとこうだったら・・・。」という点もありました。
敵のとあるキャラクターが見せる「硬直!」という能力の描写がすごく楽しかったので、「他のキャラクターでも特殊能力を発揮するシーンが見たい・・・。」と思ってしまいました。
主人公たちは(格闘技についてあまり詳しくない私から見たら)主に気合と根性で戦っていたように見えたので、「硬直!」のようにそれぞれのキャラクターを差異化する「得意技」みたいなのがあったらもっと楽しかったのではないかなと。
また、九龍城砦の住人たちがもっと活躍するシーンを見たかったです。『ダークナイト』や『ブラックアダム』、サム・ライミ版の『スパイダーマン2』など、市井の人々がヒーローを助けたり、敵に立ち向かったり、お互いに助け合ったりする描写が大好物なので本作でもそんなシーンを期待してしまいました。
例えば、クライマックスのシーンで、敵を縛り付けようと苦戦する四人に、家にいるように言われていたはずの九龍城砦の人々が、「俺たち、私たちの住み家を守るぞ!」と次々と加勢してくれるとか・・・。

そして、サモ・ハン演じる「大ボス」やルイス・クー演じるロン・ギュンフォンのキャラクターがとても良かったのに、途中で退場してしまう展開に「もっと活躍を見たかったのにもったいない!」と歯ぎしりしたので、各登場人物の掘り下げについて、今後作られると言われている前日譚や続きの物語でたっぷり見られることを期待しています。

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