楽しい分、少し寂しい気分『007/美しき獲物たち』

(以下、映画『007/美しき獲物たち』の感想ですが、物語の核心に迫るようなネタバレはありません。ただし、映画に関する情報を出来るだけ入れないで鑑賞したいという方はご注意ください。)


『007/美しき獲物たち』を見た。

この頃のボンドを見ていると毎回思うが、当時の冷戦の緊張感を作品に上手く活かしつつ、決してソ連を完全な悪役にしない構図にしているのは抜かりないなと思う。
アクションに関しては、ロジャー・ムーア作品にしてはかなり控え目な印象を受けたが、消防車のカーチェイスシーン(梯子を使ったアクションは『ターミネーター3』を思い出した)や、クライマックスの高所での格闘など、押さえるべき見せ場は押さえている。
また、悪役のクリストファー・ウォーケンとグレース・ジョーンズが流石の存在感を見せつける。悪行三昧を働く悪人という描き方は中盤までされていないはずなのに、近づきがたい危険な魅力が2人から感じられるのはすごい。
順番に見直しているので、もうこれでロジャー・ムーア版のボンドは終わりかという寂しさが、今作を見終わった時にあふれてきた。

この後のボンドも好きだが。

ストーリー: 007はエレクトロニクス産業の社長ゾリンに接近し、背後に蠢く巨大な陰謀に立ち向かう。

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