そうだ、星を撮りに行こう/#273
ふと目が覚めて時計に目をやると4時を指している。窓の外に広がる街は寝静まっており街灯以外の灯りは見当たらない。ふと目を空にやると煌びやかに輝く星空が広がっていた。
思わす「きれい」と言葉が漏れた。鳥取県は別名、星取県とも呼ばれ県内どこでも星を見れる県として有名。県庁所在地でも夜空に目をやれば無数に輝く星が宝石のように見える。
鳥取にいるのならば星を撮らなきゃもったいない。他県に比べると星景写真のハードルは低く、誰でも綺麗に撮れる。日本一人口が少ない県は強みと言える。
そんな空を眺めながら「そうだ、星を撮りに行こう」と思い立ったのだ。そうと決まればグズグズしていられない。太陽が顔を出すまでに撮影を始めなければならない。家から車で5分足らずの農道に車を停めた。カメラのセッティングは慣れたもので、暗い中でもお手のもの。ウルトラマンが故郷へ帰る前には余裕を持ってカメラの前に陣取る。
改めて見上げると、大パノラマに広がる一面の宝石に息を呑む。シャッターを押して撮影の合間も見上げてその余韻に浸る。もっとも好きな時間だ。時間を忘れてしまうほどに美しく吸い込まれそうなほどに広く深い宇宙。そんな星空は今も昔も、きっとこれからも何光年も先から光を届けている。