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【女の敵は女】私が出会った意地悪な女~職場編1⃣~

私は何度か転職したので、いろんな職場でたくさんの人に出会いました。

私がそういう星周りの元に生まれているのかもしれませんが、同期や、同僚に強烈な人が多くて、どの職場でも人間関係に苦労しました。

皆さんの職場にもきっと、一人はいる「やばいヤツ」。

私の職場にいたのは、こんな輩でした。

強烈な同期

新卒で入った会社で、同期が女子1名、男子3名いました。

唯一の女性同期の彼女を、仮にT子と呼びます。

彼女には、2つの顔がありました。

1つは、普段の彼女の顔。

猫なで声で、すごくゆっくり話して、ブリっ子を演じていました。上目遣いで男性を見て、よく唇を尖らせていました。

2つ目は、スイッチが入った時の彼女。上司を目の前にしようが、東京の表参道のおしゃれな街並みにいようが、身振り手振り大声で話出し、彼女を止めることはできませんでした。それに、彼女はとても口が悪く、会社にいるみんなの悪口を、煙草をくわえながら話していました。

スイッチONの時の目は、本当にオソロしい、鋭い目をしていました…。

一度彼女の実家にお邪魔したことがあるのですが、母親に対する話し方が本当に乱暴で(「うるせーばばぁ、あっち行ってろ!」みたいな)、とても驚いたのを覚えています。

この2つが、本当の彼女の姿だったわけではないと思います。きっともっといろんな仮面を持っていて、様々な場面において使い分けていたのでしょう。かなり器用だったのだと思います。

そして、2年間片思いしていた違う課の先輩を、何とか口説き落とし、結婚したそうです。

彼女は、営業においてもそうでした。

目標を達成するならば手段は選ばないし、独特のしつこさを持っていました。

違和感

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とにかく、そんな彼女とも最初は仲良くしていました。前述通り、実家に招いていただいたり、カラオケに行ったこともありました。

T子の母親も、T子が持つブリっ子の面のルーツがわかるような人で、とても甘ったるい声をしていました。そして、初対面なのに、私のことは呼びつけでした。

この会社では毎年、1週間ほどの夏季休暇が与えられます。私は、学生時代に1年留学をしていた、カナダに一人で行こうと決めていました。

彼女は確か、お友達(いることが驚き)とシンガポールに行くと言っていました。

「〇〇(私の本名)は、夏休みどっか行くの?」

「私は、カナダ行くと思う。」

「誰と行くの?」

「いや、1人だよ。」

「は、マジで?」

「私が1人で旅行をすること」がたいそう面白かったらしく、ひとしきり笑ってから、他の同期にもその話をしていました。

私は、楽しみだった夏休みの計画を、なんだかとっても恥ずかしく感じました。

あるローカル新聞会社から、「新入社員のインタビューがしたい」と申し入れがありました。そこで、私と彼女がインタビューに答えることとなりました。

早速インタビューが始まり、彼女はぶりっ子の顔ではなく、スイッチオンの顔をしていました。彼女の毒舌トークに、インタビュアーもたじたじでした。

記憶は曖昧ですが、確かインタビュアーが「休みの日は、何をしますか?」という質問をした時だと思います。

T子が私を指さして、いきなり「この子、一人旅とかするんですよ、ウケません?」と言い出しました。

インタビュアーは苦笑い。私は恥ずかしさで、頭が真っ白になりました。

インタビュー後、私は我慢できず、「何であんな話するの?恥ずかしいから、本当にやめて。」とハッキリ言いました。

「えー怒った?ごめんごめん~」と軽く謝るT子。でも本気の謝罪ではなかったです。

彼女は、なぜ仲良しの同期に敵意を向けるのか。理解できませんでした。

そして、彼女との関係に違和感を感じ始めました。

決定打

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夏休みが終わり、彼女は私にシンガポールのお土産をくれました。

COACHのキーホルダーでした。

私は大したものを買っていないのに、ブランドものなんてもらって申し訳ないなぁと思っていました。

ある日、支店長が同期全員を夜ご飯に連れて行ってくれました。

お酒が入った彼女は、もう止まりません。が、飲み会ではなんでもアリで、彼女らしさのおかげでその席は大いに盛り上がりました。

ご飯を終えると、支店長は帰宅され、同期だけで2軒目に行くことに。

その時に、同期の男の子の一人が私に、「ねぇ、〇〇(私の本名)って、支店長の愛人なんでしょ?」と聞いてきました。

私は耳を疑いました。

「…え?何それ。」

その時、間髪入れず、T子が彼の腕を肘で突くのが見えました。

心がとてもざわざわしました。

確かに、支店長は私のことを気に入ってくださってました。結構なセクハラを受けたこともあり、少なからず下心もあったと思います。でも、わざわざ大事にするつもりはありませんでしたし、聞き流していました。

誰に聞いても、私とT子を比べれば、支店長のお気に入りは私でした。

それが気に食わなかったのか…?

2軒目の店を出た時、会計を済ませたT子と先ほどの同期が、私の前をコソコソ話しながら歩いていました。

その時もまた「愛人だもんな。」と言った彼の腕を、T子がバシっとたたき「シーっ!」と言いながらも、大笑いしていました。

その姿を見て、私のことを「支店長の愛人」だと呼んでいたのは、T子だと確信しました。

「こいつら2人とも、大嫌い。」心の中で思いました。

家に帰ってから、悔しくて大泣きしました。

彼女の態度にはもう我慢の限界で、彼女と縁を切る覚悟で、彼女と話そうと心に決めました。

翌日、T子はこれまでと何も変わらず、「〇〇(私の本名)~!」と猫なで声で話しかけてきました。

私は、「ちょっと来て」と言って、彼女を女子トイレに連れて行きました。

支店長の愛人と呼ばれて嫌だったこと、それまでもたくさん嫌な思いをさせられた、と伝えました。彼女は下を向いて、何も言いませんでした。

「こんな時は、だんまりかよ。」

いつもの威勢の良さはどこへ行ったのか、何も言い返してこない彼女に、がっかりしました。

「もう話しかけないで。」と私は言い、トイレを去りました。

お土産のキーチェーン

あれから約10年。

私は、フランスに行く前に、実家で荷物の整理をしていました。

ANA SUIの缶カンが目に入り、それを開けると、懐かしのたまごっちと一緒に、COACHのキーチェーンが出てきました。

「げ、これ残してたんだ…。」

T子からもらった、シンガポール土産のキーチェーン。

ブランド品だし、コンディションも良いから、メルカリに出そうと思い、実家から当時住んでいたアパートに持ち帰ることにしました。

しかし、その存在自体をすっかり忘れており、気づけばフランスまで持ってきてしまいました。

「うわー、こいつしぶといなぁ。」

このキーチェーンに、T子の姿がダブりました。



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