ビジネスDD(シナジー分析の実務)
本日は、ビジネスDDにおけるシナジー分析の実務について書き記します。
①「PL×ビジネス活動」で網羅的に施策を洗い出す
PL項目とビジネス活動をマトリクス状に組み合わせることで、シナジーの可能性を網羅的に洗い出すことが可能です。今回のディールに期待されていたシナジーだけでなく、その他にどんなシナジーが考えられるか、バリューアップ施策を具体的に洗い出していきます。
例)
・売上×販売活動→クロスセル増加
・売上原価×仕入→購買共通化、調達コスト削減
・販管費×管理→バックオフィス集約、システム統合
②バリューアップ施策の優先順位をつける
バリューアップ施策を洗い出せたら、100日プランを想定しつつ、施策の優先順位を検討していきます。実現可能性・経済性(財務インパクト)等を評価することで、短期で対応すべきことと、中長期で対応することの区別がしやすくなります。
例)
・実現可能性×経済性
・経済性×対応時間
③各シナジー効果を試算し、定量化する
各シナジー施策によって、どれだけPLに影響を与えるかを定量化します。施策の概要、前提条件、試算に使ったパラメーターを明らかにし、試算の根拠を明確にします。
例)
施策:クロスセルの強化
試算方法:売上増加額=顧客数×商談実施率×成約率×単価
④シナジー考慮後の修正事業計画を作成する
定量化したシナジー効果を修正後スタンドアローン計画に加算することで、シナジー考慮後の修正事業計画を作成します、
作成手順)
・スタンドアローン事業計画
・修正後スタンドアローン事業計画
・シナジー考慮後の修正事業計画
●終わりに
様々な可能性を考慮してシナジー施策を広く洗い出すことも必要ですが、「ディスシナジーはないのか?」、「施策を実行できる人はいるのか?」、「シナジー実現にどれだけの時間がかかるか?」という観点で精査するとより実現性の高い事業計画検討につながるかと思います。