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【エッセイ】本はまだ生きていた①
私が生まれ育った和歌山県は、驚くほど本を読む人が少ない県だ。それは主観ではなく、2016年の読書人口偏差値はワースト2位であるとの統計が出ていた。どうやら人口100人あたり26,7人しか本を読まないらしい。
そんなことだから、本の話をすることができる友人は少なく、執筆をしている人を見つけることなど、砂浜でダイヤを見つけるようなものだ。
5月19日(日)
文学フリマ東京38 に行った。
SNSで知り合った執筆仲間が本を出すというものだから居ても立ってもいられず、日帰りで東京に行った。
事前に行きたいブースをメモしておいたが、肝心のそのメモを職場に忘れてきていた。仕事中にサボってブースチェックをしていたことがこのnoteによってバレてしまった。
だから、アドリブで会場を回った。
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①「汀心」
お目当ては芥川心之介編のアンソロシー「汀心」で、今回は恐怖について特集が組まれている。ホラー怪談好きの私は数日前から垂涎で枕をべちょべちょにしていた。装丁のシンプルさと色、掠れたデザインが恐怖にふさわしい魅力を出していた。
それにしても芥川心之介というペンネームは純文学を股にかけすぎだろうと思わないでもない。
②「親も子も、愛せなくていいんだ」
作田優「親も子も、愛せなくていいんだ」はエッセイ集で青年期までの苦しい家庭事情が描かれている。作者の作田さんは席を外していたので、旦那様から本を購入する。一度お会いしたことがあったのだけど、私の顔を覚えていてくれて嬉しい。作田さんの作品を読むとなんとも言えないむかつきと悲しみが襲ってくるのだけど、ユーモアがあるので、私はいつも竹中直人さんのように、怒りながら笑っている。
③「第一芸人文芸部」
又吉直樹が部長を勤める「第一芸人文芸部」
大好きな芸人さんたちが小説やエッセイ、書評を寄せている文芸誌なので楽しみにしていた。ブースに行くとファビアンさんと野さんが立っていて二人とも異様にでかい。ファンの方々とお話をしていたので、私などがファンの方の大切な時間を奪ってはいけないと思い、こそっと購入しようとすると野さんが私に気づいてくれ、声をかけてくれた。大変に嬉しかったのだが、まさか顔が割れているとは思わず「あっ、あの、はい、あっ、ありがとござっす」みたいなクソキモムーブをかましてしまった。本当はもっと話したかったのだ。
「第」の漢字を表紙と同じものに変換できなくて歯痒い。
④「筋肉探偵」
栞「筋肉探偵」はミステリー小説をYouTubeで紹介している栞さんが書いたミステリー小説だ。筋肉の筋肉による筋肉のためのミステリーで、表紙のミノタウルスも内容に関わってくるのだろうか?少しお話をさせていただいた後、小説のおまけで本の栞をいただいたので、「栞もいただけるんですか?」と聞いたところ、「握手ですか?全然大丈夫ですよ」ととんでもない聞き間違いをしていただき、思ってもない握手をする機会をいただいた。せっかく出してもらった手を払いのけることは私にはできなかった。鍛えている人の手だった。
購入した本をこのような形で少しずつ、吐き出していこうと思う。
次回もお楽しみに。