春がダイエットに最適な理由〜陰陽の考えを生かす~【くー先生となみみの相談室#006】
5月病を防いで、ごきげんな春を過ごすヒントは…陰陽??
こんばんは。maison de megri 養生コンシェルジュのナースのなみみです。漢方薬局のくー先生との対談方式で、中医学の基礎用語についてお伝えするシリーズ第6回。
中医学では、「陰陽論」といって、すべての事象は月と太陽のように対立した二つの要素に分けられる、という考え方があります。初めて聞く、という方もいるかも。
体の中に起きていることを総合的に判断することが不可欠な中医学では、この考え方を用いることで、複雑な事象をちょっとシンプルかつ総合的に見ることができるんです。実は便利な考え方。
最初はとっつきにくいこの「陰陽論」を、今日は季節の移り変わりと絡めてお話ししていきます。今日も相談室へ、どうぞ!
陰があれば陽もある
なみみ「先生、今日は季節と体の関係について教えていただけるのですね」
くー「はい、その前になみみさんが『陰陽』についてどのくらい知っているかお聞きしたいです」
なみみ「陰陽!?と、突然ですね・・・えっと・・『世の中のものは必ず『陰』と『陽』に分けられる』ってやつですよね。裏と表って感じ。昼が『陽』で夜が『陰」とか・・他には 動く とか明るいが『陽』で 静かで暗い が『陰』のイメージですかね。」
くー「そうですね。では『春』は陰ですか? 陽ですか?」
なみみ「春は『陽』だと思います」
くー「そうです。春は陽の季節ですね。春分で昼と夜の長さが同じになるでしょう? そこから先が『陽』ですね
昼の長さが長い季節・・・陽
夜の長さが長い季節・・・陰の季節 と捉えるとわかりやすいですね」
陰から陽へ、そして陽から陰へ季節は廻る
くー「でも冬から一足飛びに春になるわけではありませんね。下の図を見てください。冬から春に向けて徐々に矢印が上がっていって春になっていきます。
(※この図でいう「陽気」は温めてくれる気、
「陰気」は冷ましてくれる気、というイメージ。)
この矢印って何を表しているのかわかりますか」なみみ「西洋医学的に言えば、代謝が上がる とか・・・」
くー「そうです。中医学的に言えば、この矢印は体と心の状態を指します。この図で説明すると、今(春分まで)は陰だけど、陽の季節に向けてエンジンをかけていく時期ですね。春分の日は陰から陽への転換点になります」
冬は溜め込み、春は芽吹く
くー「人間の体は体内時計のように、季節によるリズムがあります。冬は陰の季節で、寒さから身を守るために体に脂肪を蓄えます。
春は気温が上がり代謝が上がり、心と体の状態も上向きの矢印なんです。正に『芽吹き』の季節。
『陽』が増していくこの季節は体の中の『気』のエネルギーも増え、巡りもよくなります。だからダイエットにも最適な季節なんですよ」
春なのに・・♪ため息また一つ
なみみ「先生・・・あの・・・春は「陽」が増すんですよね・・・私、春は気持ちが上がらないし、巡りも悪くなるような感じなんです。私の矢印は逆向きです」
くー「ほう、それは何故ですか?」
なみみ「新人さんが入ったり、配置換えがあったりして毎年忙しくて、何だか全然芽吹く気分じゃないんです。ため息ばっかり出て・・」
くー「昔の歌にありましたね(笑)。春は新学期、新生活など「変化」の季節でもありますね。この変化に対してストレスを感じてしまうと気の巡りが止まってしまうんですよ」
なみみ「確かに、巡りが止まってます・・」
くー「陽の季節にうまく上昇できない、発散できないと、気が滞ってしまう。巡らせる養生をしていかなくてはなりませんね。春は、いつも以上に自分を労わる事が大切ですよ。magさんが春の養生についての記事をあげてくれているので、参考にしてみてください。」
今日の相談室から伝えたかった事→バランスと調和
「陰陽論」とは、「世の中のあらゆるものは「陰」か「陽」かの二つに分けられ、この陰と陽がお互いにバランスをとりながら存在している」という考え方です。
下の図を見てください。例えば体の中でも「陽」(温める)と「陰」(冷ます)があり、そのバランスが取れていないと、不調になります。
体の中の「陰」が強くなると、冷え という症状が出てきます。
陰陽の考え方は、抽象的でわかりにくいですが、季節に置き換えて考えると理解しやすいです。
春は上昇のエネルギー
冬に溜まった余分なものを排出するデトックスの季節が春。
でもこの上昇の矢印に心と体がついていかないと、なみみのようにバランスを崩してしまいます。
春から夏に向けては解き放ち、秋から冬にかけてはそっと過ごす。
季節の陰陽(矢印のエネルギー)にうまく乗れるようにすることが「自然と調和して暮らしていく」ことになり、自分の心や体を季節の流れと合わせようと心がけることも大切な養生となります。
徐々に上がっていく矢印の流れに体を合わせる。上がりすぎず、落ちすぎず、巡っていなければ巡らせて。徐々に気持ちをあげて開放していく。私、そして皆さんが今年の春を素敵に過ごせますように。
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