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玄関先の懺悔
昨日は、私の窮屈な幼稚園時代のことを書かせていただきました。
第一弾に引き続き、スキやフォローありがとうございました。
幼き日のことを思い返していたら、まだまだ書きたいことが出てきました。
天使と悪魔
プロフィールに「HSPで気にしいな人間」と書いているのですが、一見すると繊細で優しい人のように感じる方もいるかもしれません。(そんなことなかったらすみません)
ただ実際の私は、幼少期からちょっとダークな裏の顔を持っていたような気がします。
性格が悪いかと言われたら、悪くは無いと思います。
傷つきやすい分、自分は人を傷つけないようにしようと注意を払って生きてきました。
父も母も優しい人で、特に母は愛情深い性格で他人の悪口を言ってるのを聞いたことがありません。
「勉強もスポーツも不得意でも良い、とにかく人に優しく誠実に正しい行いが出来る人間であれ」と育てられてきたので、せめてそれくらいの期待には応えたいと"正しい人間"に育ったと思っています。
その反面、他人の表には見せない思惑などを感じ取って、子供のくせに皮肉なことを考えていたりしました。今もそうです。
私はつい最近会社を辞めるまで社長秘書をしていたのですが、社長が「もみさんには、何でも見透かされていそうで恐くなる時がある」と言われたことがあります。
大企業の社長であっても、間違った選択をすることもあります。感情的になって取り乱すこともあります。悪かったと自分で分かっているから見透かされるのが恐いのでしょう。
その度に私の中の悪魔ちゃんが、冷たい視線を送ってしまっていたのかもしれません。
そう、誰しもの心の中にいるであろう「天使と悪魔」が、私にも分かりやすく存在しました。
悪魔ちゃんと私
幼い頃に悪魔ちゃんが出てきたエピソードと言えば、先生から「背の順に並んで」のキーワードが出た時です。
幼稚園児に取って、一番背が高いというのはステータスだったのです。
私はクラスで一番背が高かったのですが、数センチ低かったクラスのボス的存在の子が、いつも一番後ろに並ぼうとしました。
「背の順に並んで」は、当たり前に背の低い順に前から並んでと言う意味です。
本当は一番背が高かろうが2番目だろうが、どうでも良かったんです。
それなのに、そのボス子が毎回演技をかまして時間を稼いで一番後ろに並ぶ、その魂胆が許せなかったのです。
(身体測定で測って結果出てんのに何ズルしてんだよ)
(先生も予め番号ふってくれたらいいのに、なんで子供の自己申告性なのよ)毎回少しモヤモヤした気持ちで後ろから2番目に並んでいました。
ある日、私の中の悪魔ちゃんが行動に起こしてしまいました。
「背の順に並んで」のキーワードが出たら、私は素直に列に並びました。
その後、いつも通りボス子が後ろに来た瞬間「先生!ハンカチを持ち忘れました」と一言。
取りに行った後、私は何食わぬ顔で一番後ろに並んだのです。
文字通りの”背の順”になったので、先生もボス子自身も何も言えません。
いつも我が物顔でクラスを牛耳っていたボス子が、あからさまに悔しそうにしているのを見て(でしょうね)と、ほくそ笑んでしまいました。
天使ちゃんと私
ここまで聞くと、子供なんてたまにそういうこともしちゃうよね。
くらいに思うと思うのですが、ここからが私の窮屈な性質が出てきます。
その日の午後くらいから私は悩み始めます。
(とっても意地悪な行為をしてしまったのではないか・・・)
(神様に見られていたのではないか・・・)
(このままでは私は地獄に落ちるのではないか・・・)
(いや、バチが当たって、私じゃなくて家族に何かあったらどうしよう・・・)
(お兄ちゃん、まだ塾から帰ってきていない・・・もしかして何かあったのでは!?!?)
と、ぐるぐるぐるぐる、脳みそはフル回転。
そして母親を玄関に呼ぶのです。
「今日、幼稚園で私ボス子ちゃんに意地悪したの・・・」
昔、祖父は船長さんだったので、海外に行っては木彫りの置物をお土産にくれていました。その中でも玄関に置かれていた一番大きな女性の顔が彫られた木彫りの置物を私は神様だと思っていました。
「神様の前で謝りたいの・・・一緒に来てくれる?」
いつも母は付き合ってくれて「悪いことをしたらちゃんと反省して謝れるもみちゃんが好きよ」と頭を撫でて抱きしめてくれていました。
そうやって私は、”正しい人間”であろうと悪魔ちゃんが出る度に天使ちゃんを呼び起こしていました。
まとめ
数年前に母にこの話をしたら、覚えてもいませんでした。
ただの木彫りを神様と呼ぶ娘に違和感はなかったのだろうか。
「もみはちょっと変わった子だったからね」
今、私のように「変わった子」と言われているどこかのあの子も、天使と悪魔の狭間でヘトヘトになっているんだろうか。
今日はぐっすり眠れていたら良いなと思ったりします。
神様はどうして人間をこんなに複雑に作ったのだろう。
と、たまに嘆くこともありますが、その度に「複雑なもみが好きだよ」と言ってくれる夫が横にいてくれるので、(このままでもいっか)と安心していられます。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
引き続き、どうぞよろしくお願いします。