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夜中に「痛い‼ 痛い‼」と絶叫‼ 腕が天井に向けて垂直にピーン‼ってなっている⁉

◆1

深夜。

ゆかりちゃんが、

「痛い、痛い」

と言っているみたいです。

でも、寝言かもしれません。


◆2


ゆかりちゃんは繰り返し、

「痛い、痛い、痛い、痛い」

とつぶやいています。

その声は、寝言っぽい言い方です。でも寝言にしては、ず~っと喋りっぱなし…。

心配なので、僕は眠りから抜け出す決心をしました。


◆3

ゆかりちゃんは、僕の左側で寝ています。
ゆかりちゃんは横向きで、僕に背を向けています。その表情までは分かりません。

ゆかりちゃんの、【右ひじ】が、真上です。天井を指しています。

「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!」

「痛い」の間隔が、つまってきました。


◆4

2~3ヶ月前まで、ゆかりちゃんはヒドイ肩痛に苦しんでいました。
あまりの痛さに涙がこぼれるほどだったのです。

治ったと思った、あの肩痛の再発かもしれません。

僕は心配です。

でも、夢を見ているだけの可能性もあります。


◆5

「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!」

ゆかりちゃんの声が、かなり大きくなりました。もう悲鳴に近い!

そのとき、腕がピーンと伸びました。


◆6

まるで天井を触りたいみたいに、右手が垂直にツッパった感じで伸び切っています。

ゆかりちゃんの声がどんどん大きくなりました!

「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!」
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!」

もうボリュームMAXです。


◆7

僕はたまらず、声をかけました。

「大丈夫?」
「どうしたの?」


◆8

ゆかりちゃんが応えます。

「くっ、あっ!…」

「あっ、あっ!」

「足つった!!!」

・・・。

・・・足?
・・・こむら返り?

・・・その、ピーンと伸びた手は、なに?



おしまい

※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第572話です
※マガジン【ゆかりちゃんの『天然』のポートフォリオ】に加えます




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