枕草子 にくきもの(2)
清少納言先生:にくきものの、続きです。
舞夢 :はい、了解しました。
急病人が出てしまい、加持祈祷をお願いしようと、験者を探すのだけれど、いつもいるところにいない。
それで、あちこち探して歩いたりして、本当に長い間待ち遠しく思って待っていると、ようやく連れてきた験者を迎え、ほっとして加持を始めてもらったら、物の怪の調伏を頼まれて終わったばかりで疲れているのか、座った途端に眠そうな声で祈祷をはじめる、それが、どうにも気に入らない。
清少納言先生:これは実話です。
舞夢 :現在は病人に対する加持祈祷は聞いたことがありません。
清少納言先生:私たちの時代は、それが一般的というか、習わしでした。
結局直らなくて、薬湯とかになりましたけれど。
舞夢 :最初から薬湯というわけには、いかなかったのですか?
清少納言先生:うーん・・・習わしでね、まずは加持祈祷でした。
確かに時代が異なると、どうにも理解できないこともある。
ただ、「習わし」と言う言葉だけは、現代の社会にも残っている。
「習わし」は、理屈ではなく、世間との付き合いとか、それなりに欠かせないものだと思う。