見出し画像

12月、彼はまだ音楽と。

あっという間に、年の瀬。

今日も耳にイヤホンを突っ込んで電車に乗る。
音楽は人を救う、と私は本気で思う。
自分自身、音楽とともに進み、救われてきたから。

高校生の頃、友達のそのまた友達がギターを弾く、
よく知らないバンドのライブに行った。

小さなライブハウスが好きだった。
先輩も後輩も知らない人も、
みんなごちゃ混ぜになってノッてると、
いま、ここ、生きてるーーーー!!!!!!!
って熱が、全身に滾った。

あの日のライブは私にとっては衝撃だった。
ギターの彼を見に来たはずなのに、
ボーカルのその人から目が離せなかった。

最高!最高!!最高!!!!
ライブが終わって直ぐに話しかけて連絡先を交換して、
新譜が出来たらときどき送ってもらえる、
そのくらいの知り合いになった。

高校も大学も違ったし、そのバンドが解散したっきり、
彼が何をしてるのかはさっぱり知らなかった。

社会人二年目、偶然、Twitterで彼の音楽を見つけた。
電車の中なのに声が出そうなくらい嬉しくて、
LINE MUSICでもYouTubeでも検索して、
全部の曲を聴いた。

その中には、高校生の頃歌っていたその曲を
アレンジしたものもあった。

彼はまだ音楽と一緒にいる。
そう思うと、胸のあたりが熱くなった。


音楽はあらゆる感情の蓄積で、引き金だ。
何気なく耳にした音楽が、
見えないところに仕舞っていたはずの記憶と繋がる。
不可抗力に、あの日あの時に引き戻される。

だから人は音楽で傷つきも癒されもする。

ああ、私が彼の音楽によって引き戻された先が、
暗黒期でなく青春ど真ん中期であったことを
心から感謝する。アーメン。

戻れなくて愛おしい、あのとき。
私は確かに彼の音楽に救われていた。


年末のTVでは、ヒットソングメドレーが流れている。
“逢うべき糸に出逢えることを 人は仕合わせと呼びます”

私だけのヒットソングメドレーを作るとしたら、
迷わず彼の音楽を入れるな。
教えたくて教えたくない、私だけの懐メロ。

逢うべき時に、逢うべき音と出逢えた、
そのしあわせを感じる。
どうか来年も、彼が健やかに、音楽とともに。

この記事が参加している募集

記事、いいな!と思われましたら、よろしければサポートお願いします😌