なぜ乳がんにかかるんか?--若年性乳がんの私が考えた結論
こんにちは。乳がん闘病中のまいです。
2020年4月7日、34歳11ヵ月で乳がんの告知を受け、2ヶ月前の5月14日、右胸全摘出の手術を行いました。今はホルモン療法中です。
乳がんの告知を受けるまで健康体そのものだった私は、まさか自分ががんにかかるとは思ってもみんかった。
それは、私も、家族も、周りの友人も知り合いも、みんながみんなそう思ってたから、そんな私が乳がんにかかるって、なんでなんやろって思うよな、普通。
私も思っとります。
で、考えてみたんです。
何で乳がんにかかるん?
がんの統計
国立がん研究センターが出しとるがんの統計のページがあります。
日本人のうち、2人に1人が生涯のうち、何らかのがんにかかるという時代。
中でも、乳がんは女性が罹患するがんの中で最も多い種類のがん。
11人に1人とか12人に1人とか言われとるけど、この統計やと、
女性:9人に1人
が生涯のうちに乳がんにかかると言われとります。ちなみに、男性で乳がんかかる人もほんの少数だけどいます。ゼロじゃないけど統計で比較できるほどの人数ではないということね。
生きてるうちにって話やから、60代とか70代、80代になってからかかることもあるわけで。その可能性って言うのは漠然とでも知っといた方がえぇなというのが、がん罹患者の意見。
そう、リスクを分かっとれば検診に行く。
検診で早く見つかれば、早めに処置ができる。
乳がんは5年相対生存率が非常に高い(92.3%)。治療によって命を救える可能性が非常に高い病気だということが示されとります。
というわけで、早期発見のための乳がん検診が推奨されとるわけですな。
なぜがんになるんか
乳がんにこだわらず、なぜがんになるのかって話を考えてみましょーか。
やっぱり、国立がん研究センターのサイトはとっても見やすいし、信憑性があるなぁと思って、またもや参考に。
がんになる理由としては、遺伝的な要因、生活習慣、感染症、環境要因などが挙げられるん。
がんと生活習慣の関係性って、まだまだ研究途中。
はっきりと結果が出てるものもあれば、出てないものもあるん。
例えば、「飲酒」という生活習慣は口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、食道がん、肝臓がん、大腸がん(男性)、乳がん(閉経後)のリスクを確実にあげることが研究結果から示されているけれど、胃がん(女性)と乳がん(閉経前)では関係性があるとされてるけどまだ確実には証明されとらんってこと。
一概に「がん」とひとくくりにすることはできんってのは、このサイトの「リスクを下げるもの」「上げるもの」の表(以下の図)を見たらよく分かる。
出典:国立がん研究センター がん情報サービス 「がんの発生要因」(上記サイトに掲載されとります)
うわぁ~、こんなんみたら、怖くなるよなぁ(^o^;
大丈夫です、生活習慣だけで決まるわけではないんで。現に、私の周りのお酒がんがん飲んでる人、まだがんになってないし。まぁ、一つの要因に過ぎんってことですよね。
そもそも、がんって、遺伝子の傷による細胞の異常のこと。
本来ならば死滅していく細胞が暴走して自己増殖を続け、正常に機能する細胞が機能しなくなってしまうことから身体が衰弱して死に至る、という病気。
この異常な細胞が、「腫瘍」として認識されるまでには、10~20年って言われとります。
(がん対策推進企業アクション:がんが見つかるまでにかかる時間)
異常な細胞が増殖していく過程を誘発したり促進させる因子があって、それが生活習慣とかに関わってくる、というわけ。
以下のサイトの「ガン細胞になる過程」の図が分かりやすかったん。
(がん治療セカンドオピニオン:がん発生原因 遺伝子プログラムが関与)
出典:がん治療セカンドオピニオン 「がん発生原因 遺伝子プログラムが関与」
ものすごーく長い時間をかけて、悪性腫瘍にまで成長したがん細胞は、浸潤して血管やリンパ管を通って全身へ運ばれ、他臓器でも増殖を続けていってついには身体として機能しなくなるわけです。
そう。
ものすごーく長い時間をかけるならば。
若年性乳がんの私の場合、一体いつの生活習慣が引き金になるの??
って感じよね。
乳がんになりやすい人
一般的には、以下のような人がなりやすいと言われとります。
・初経が早い、閉経が遅い
・出産経験がない、授乳経験がない、初産年齢が高い
・第一親等に乳がん罹患者がいる
・体内のエストロゲンが多い、経口避妊薬を使用、閉経後のホルモン補充療法
・飲酒、喫煙、運動不足
生活習慣とがん
がん全般で話しとると広がりすぎるんで、乳がんに限定して生活習慣との関連を考えましょか。
乳がんの予防(がんになりにくくする)と再発リスクを減らすためには、どのような生活習慣に気を付ければえぇんでしょうねぇ。
以下のサイトが非常に分かりやすかった。
(がん+プラス:乳がんの予防と予後)
まず、乳がんの原因について。
閉経後の肥満はリスクを高めることが確実のようですね。
飲酒については、確実だという見方もあれば、証拠不十分とする見方もある。他のがんでも、飲酒に関しては見方によっては影響を及ぼすけど、関係性をはっきり言うことはできないという研究もあるらしい。飲酒とがんの発生についての因果関係ははっきり証明されとらんのですね~。
喫煙もそこまでリスクを高めるとは言えんみたい。
さて。予防するためにはどんな生活をすればいいんか?
このサイトでは以下の6つを挙げてます。
禁煙
節酒
食生活
身体活動
適正体重の維持
感染
単純明快で分かりやすいなぁ。「感染」以外は生活習慣やから、予防(なりにくくすること)は可能ってわけ。
予後(再発を防ぐ)にも同じようなことが言えるようです。
私はなぜ乳がんになったんか?
さぁ、この問題です。
結論から言うと、
分かりません
まず、遺伝的な要因を考えてみると、「母親の従妹」に30代で乳がんを発症して亡くなった方が一人だけいる。
でも親族の中で乳がん罹患者はその方のみ。母親も祖母も乳がんにはなっていない。
この時点で、「遺伝的に乳がんになりやすい遺伝子」を持っているわけではないんでないかなぁというのが私の考え。
これは遺伝子検査ではっきりさせることもできるけど、はっきりしたらしたで、その後、その結果に悩まされることもあるやろなぁと思い、私は遺伝子検査、せんで良かったと思ってます。
次に、出産・授乳の経験。これは当てはまるんやけど、だからと言ってこれまでのタイミングで出産・授乳ができたかというと、そういうわけではないから、これって予防に役立つ情報じゃないんよね~~。
もっと20代のうちから強い結婚願望を持って、早いうちに子どもを産んでおけば良かったってこと?
でも子ども産んでも乳がんになってる人、ようけおるし。
何とも言えんなぁ、と思ってます。
生活習慣で当てはまることと言えば、
「飲酒」
のみ。食生活もいろいろ気を付けとるし。
ちなみに、20代から10年間ミュージカルの劇団に所属してたんで、「高強度の身体活動」を常時やってた人に当てはまるわけ。練習、週4回よ。「高強度の身体活動」は乳がんのリスクを下げるもの「可能性大」に入ってますが(^^;
だから、運動不足とか、絶対ありえん。まぁ、学生になってからは運動機会は減ったけど、一般的な社会人より絶対運動してた自信はある。
お酒も、劇団やってた時は忙しかったからたまにしか飲まんかったし、毎晩飲むようになったんもここ2,3年の話。
前述の、「がん細胞は10年単位で大きくなる」って話を考え合わせても、飲酒習慣ががん細胞の発現・成長を促した大きな要因とは思えんわけ。
統計が導き出す結果について
がんを予防するために、一体どんな要因ががんを誘発するのか、世の中の研究者は必至になって日夜研究に励んでくださってるわけです。
ただ、数字ではっきり示される研究の時に気を付けなあかんことが一つあるん。
それは、何百人・何千人のデータを集める研究になった時、果たしてその人たちを一緒くた(ひとくくりのグループ)にして考えてもえぇんかってこと。
これは研究手法によるところやし、全ての研究がそうではないんやけど。
例えば、「飲酒という生活習慣」と「乳がん」の関係性を調べる研究が行われた時。
一体どのくらい飲酒をしていれば、生活習慣として「飲酒」していたと言うんか。週1回?3回?毎日?
グループに分けて比較する場合、全く飲んでいない人と週に1回以上飲んでいた人とを比較しているんか。それやったら、週1回の人と毎日の人との区別はどないなるん?
みたいなね。対象をどうやって「群(グループ)」に分けるんか、という問題が出てくるわけですよ。そこが妥当なんかどうか。グループ分けで結果が変わるでしょ。
そして、仮に「飲酒経験」で妥当なグループ分けができたとしても、それぞれの人たちの「その他の生活習慣」が影響を与えてないって、言えんでしょ?
飲酒あり、なしで分けたとしても、それ以外の生活習慣はみんなバラバラなわけで。そこまで統制してグループ分けをしようと思ったら、それこそ「実験」になる。
まぁ、何が言いたいんかと言うと。
どういう対象者をどういう風にグループ分けしたかでも結果は異なってくるわけで。研究結果にばらつきが出て当たり前。だから、いろんな研究の結果、同じような傾向がいくつも見られて初めて、きっとこの因子はがんの発生に関連してるよねと言えるわけです。
一つの研究の結果から断定することは難しくて、さまざまな研究の積み重ねの後、おそらく、これは確からしいぞ、というところだけが信頼できそうかな~、ってこと。
それが、「確実」と「可能性あり」の差になってくるわけね。
どうすればがんにならない?
だから。
がんの場合は、さまざまな要因で「なりやすさ」というものがあるけれど、それは本当に個別に違くて、誰かと比較できるもんではないんちゃうかなぁと思うわけなんです。
人の身体が形も体質も一人一人全く異なるように。
がんの治療が個別になってしまうんと同じく。
ここでね、国立がん研究センターのサイトに書いてある一言に救われたわけです。
「予防はできるけれど、完全に防ぐことはできない」
がんは、いろんな要因が複雑にからまりあって発生するから、一体何が悪かったのか、「原因」だったのかを推測することができんの。
そして、誰にもその可能性がある病気だということ。
私は今回、身をもって知ったわけです。
つまり。
なるときゃ、なるんです。
予防を心掛けてれば自然と健康的な生活になるんやから、他の病気にもなりにくいってメリットはあるし、そういう生活をすることは大事やと思うよ。
でもな。
気を付けて生活しとったって、なる人はなるし、ならん人はならんの。
一生ならん人もおれば、若いうちになる人もおる。
なってしまったからには、「ならんかった人生」はもうありえんわけで。
上手に、がんとお付き合いしていく生き方を考える以外、ないわけなんです。
ということを今、書けている、ということは、私もようやっと乳がんになったことを認め始めてきたということやね。きっと。
私は自分の生活習慣の「飲酒」が原因だったとは全く思わん。
だから飲酒を止める気は一切ないし、節度を保つくらいかな。(保っとったけど)
気を付けてほしいこと
もし。
これだけは気を付けた方がいいということが一つあるとすれば。
直系親族2親等以内に乳がんの罹患者がいる場合は、若いうち(30代)から定期検診を受けた方がいいと思う
ということ。
推奨は1年に一度。
全ての人がそうなるとは限らんけど、遺伝的な要因は確実にあると言われとるんで。
あと。
気になる場合はできるだけ早く病院できちんと検査をした方がいい
ということ。良性だって分かれば、不安もなくなるしね。一般的には、良性の場合も結構あるらしいんよ。私は一発合格、初めての検診で悪性でしたが(^^;;
私はこの先、再発の危険性があるから、他のがんの可能性も含めて定期検診が必須になるわけです。
また見つかっても、早期であれば、現代の医療で何とかなるはず。
そう、信じて。