マジカルグランマ
柚木麻子 マジカルグランマ
今まで柚木麻子を意識して読んだことなかったけど、これからは柚木麻子を意識して生きていく、と思った、読み終わったとき。
夜のピクニックとか、檸檬の頃とか、西の魔女が死んだとか、私の中の鉄板小説があるけど、マジカルグランマはそれに加えたいと思った、むしろ勝手に加わってくるほど力強い話だった。
私はマジカルお姉ちゃんでもマジカルお母さんでもマジカル妻にもマジカルデザイナーにもなれなかった。なれなかったなんにもなれなかった。なんにもなれなくてもがいたこの5年くらい、この話が終わり!って言ってくれた気がした。
マジカルなんとかにならなくも良かったのかもしれなかった。
救われたくて正確を書いてほしくて、狂ったようにそれっぽい本を買って読んで売ってをやっていたけど、この話がそれすら肯定してくれた気がした。認めてくれた、ていうか認めるとかどうでも良かったのかもしれない。私は生きてた、生きてるというだけだった。
人からどう見えるかばかり気になって、見た目が気になってなってなってあのときこうしていればから抜け出せなくて、自分が嫌で、嫌で嫌で、それも自分だった。
マジカルは幻想だった。マジカルは実在しなかった。この本はずっと一緒に生きたい本だった。
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