「完璧主義」と言われるのがイヤだった。
「完璧主義はやめた方がいい」と
いろんな文脈で言われるのを耳にします。
完璧主義=こだわりが強く物事が進まない。
そんなニュアンスで語られることが多いように感じます。
なので私自身、自覚はないのに
周りの人に「完璧主義」と言われることがあり
それがとてもイヤでした。
どこか自分を否定されているような気がしていたんです。
そんな私でしたが
完璧主義への捉え方が変わり
その言葉そのものが気にならなくなりました。
今日は、完璧主義に悩む方を
応援する気持ちで書いていきます。
最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
私が自分を「完璧主義かも?」と思ったのは
社会人になってからでした。
ある時、新しく上司になったアメリカ人から聞かれたんです。
「マイコは仕事において、早さと質のどちらを優先させる?」って。
あなたはどちらを優先させますか?
私は、どちらも大事に思うタイプです。
早く!正確に!仕事を成し遂げる!そのためならどんな時間も労力もかける!
それまで意識はしていなかったけれど、
質を高めるために労力をすごくかけるほうです。
勉強したり資料を調べたりも
ものすごくします。
子供の頃からそうで
例えば夏休みの工作などでも
自分の納得いくものを作りたい気持ちが強く
そのためなら寝るのも惜しむ方でした。
でもちょっとミスすると
それが気に入らなくて
作りかけの作品を0からまた作り直す。
「まあこれでいっか」という柔軟さを
あまりもってはいませんでした。
作り直していて作品が間に合わず
結局どうでもいいものを提出する、
ということもありました。
質にはすごくこだわりがあって
0か100かの思考だったので
少しのミスも許せないところがあったんです。
早さと質にこだわり
際限なく時間や労力を使いがちでした。
新しい上司は、そんな私の性格に
いち早くきづいたのかもしれません。
やんわりと、「完璧主義は苦しいよ」みたいなことを
言われたことがありました。
当時の私はすごく生きづらかったこともあり
「完璧主義のせいかな?」と思い始めました。
「完璧主義」っていつも
「治すべき」みたいにいわれるじゃないですか。
完璧主義を治したら楽になる気がして、
思考を変える脳科学の本を読み漁り
「性格矯正」「性格を直す」というワードを
ネットで検索していた時期もありました。
調べれば調べるほど
考え方や思考を直すなんて
果てしないことに思えてしまいましたが…
実は、
そんな私を変えるきっかけを与えてくれたのは
前述の上司でした。
当時私は、企業の組織開発部に所属していて
中でも人材教育を担当していました。
上司は、心理学の中でもユニークな
行動分析学を元にしたコミュニケーションが専門で
その上司の元で私もみっちりその考え方を学んだんです。
私がその講座の講師となり、社員教育をするためです。
心理学は心を扱う学問ですが
行動分析学はちょっと特殊で、
心そのものではなく
「行動」と「環境」に焦点をあてているんです。
それを元にしたコミュニケーションは
一般的に「活発」とか「おとなしい」とかいわれる
個人の性格に焦点をあてるのではなくて
「特定の環境の中で出てきやすい
その人個人の傾向を理解する」というものでした。
初めて聞いたときは、目からウロコでした!
例えば当時、上司から聞かれるまで
私は自分のことを完璧主義と思っていなかったんです。
というのも、
仕事では完璧を求めがちだけれど
プライベートではそうではないからです。
大雑把で、抜けているところばかりです。
行動分析学に基づいて言うと
私は仕事などストレスのかかる状況では
正確さを大事にする「慎重な傾向」がとても強くなる、
ということになります。
でも、リラックスできる状況では
そういった傾向は低い、と。
性格そのものが完璧主義で
何から何まで完璧にしなければならない、
という訳ではなくて
その傾向は環境による、という考え方が
個人的にしっくりきました。
その考え方が理解できたことで
自分が完成度100%にこだわりそうになっている時に
「ああ、今、慎重な傾向が出ているな」と
客観的に捉えられるようになりました。
そうすることで
0か100かという質へのこだわりを
今は質よりスピード重視にしたいから
質はひとまず60ぐらいで、とか
80は欲しい、など、コントロールする
意識をもてるようになったんです!
そもそも慎重な傾向というのは、
誰もがもっているものです。
むしろなかったらその方が問題です。
それが、どこででるか。
その場面と強弱は人それぞれ違うよ、という話であって
「私は完璧主義」というレッテルを
貼らなくてもいいんだな、と知れたことで
自分を受け入れることができるようになりました。
「完璧主義を治す」と思っていた時は
脳の回路を治す?考え方を治す?性格を治す?と
よく分からないものに立ち向かっている気持ちでした。
自分を否定してしまう気持ちもありました。
それが、完璧主義を
誰もがもっている傾向、と理解することで
ずっと生きやすくなりました。
こういったことを会社員時代、
たくさんの方にお伝えしてきました。
お陰でそれが私の身になりました☺
そしてそれが
子供を育てる上でも本当に助けになっています。
子供の性格や能力に目を向けず
傾向を観察することは
子供の心を傷つけなくてすむ場合が多々あります。
完璧主義で悩んでいる方がいたら
自分の心や性格、性質とは違った捉え方をすることで
楽になることがあるかもしれないなと思っています。
私自身が今でもその考え方に救われているので
いつかこういうことを
伝えていきたいと思っています☺
最後までお読み頂きありがとうございました!いただいたサポートは更なる学びのために使わせていただき、その学びを若者や子供たちに還元していきたいと思います!