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【FIRE夫】アリとキリギリスの仁義なき戦い〜心に刺さった言葉とともに

アリとキリギリス。

今はいろんな解釈があるらしいこの童話だが、おそらくキリギリス派の方々も多いのではないだろうか。

少なくとも私は断然キリギリスの人生を歩んできた。


キリギリス擁護派の見解としてはだいたい

●一度きりの人生、楽しまなくてどうすんのよ

●楽しくなかったらなんのために生きてるのかわからないじゃん

●若い日、この瞬間はもう2度と来ないんだよ?
稼いだら使って素敵な思い出作っておこ!むしろそれが一生の財産!かけがえのない宝!

●だってヨボヨボになってから何にお金使うのよ?気力も体力もあるときにしっかり活きたお金を使おうぜ!

●老後の蓄え?
その時はその時で考えればいいし、絶対何とかなるって!てか、今までも何とかなったし!
むしろ何とかならなかったことある?


という感じだろうか。


だから共働きだった頃、夫婦別財布のはずなのに私が貯金をしていないことに対して文句を言ってくる夫に言ったのだった。


「私が稼いだお金は私の好きに使わせてよ。
もし私に何かあってもあなたに助けてもらおうと思ってないし、自分でなんとかするから。保険も入ってるし。
もちろんあなたが稼いだお金はあなたが自由に使ってね」


って。


書いてて思うがいま考えると恐ろしい発言である。家庭を持つことの自覚が足りないとはこのことだ。

そしてここから夫の容赦ない反撃が始まるのである。長いができるだけ忠実に書く。

─夫の反撃ここから─

「何かあっても助けなくていい??あなたそれ本気で言ってんの?それ詭弁だよね?
夫婦になった以上、相手に何かあったら助けざるを得ないんだから、あなたがお金を持ってないってことは俺がなんとかするんだよね?」

「あなたこの先ずっと働き続けられると思ってるの?定期的に収入が続くと思ってるの?病気になったり事故で動けなくなったりすることは考えたことないの?」

「あなた今結婚して子供もいるよね。で、あなたが経済面、健康面で何かあったら○○ちゃん(子供)も困るよね?○○ちゃんにとってあなたは大事な母親なんだからさ」

「当然、周りが困ってたらお互い助け合って生きていくよね?でもそれはそれぞれがしっかり自分のことを自分でやろうとしている場合でしょうが。煙草スパスパ吸ってる人にいくらやめた方がいいって説得してもやめなくて、それで肺がんになったとしてもなかなか同情できないよね。なのに全額治療費出してくれって言われてもそれはどうなのよ。それと同じなわけ、あなたが資産増やさないっていうのは。自分のことは自分でなんとかしようとして、それでもどうしてもダメだった場合に人に助けを求めるんでしょうが」

「でさ、さらに言えば、あなたは自分ひとりだけが生きていければいいと思ってるわけ?それって周りが困ってても手を差し伸べられないってことだぜ?大事な家族に何かあったらどうすんだよ?家族が難病にかかってこのさき生きるためには治療費3,000万かかりますって言われたらあなたどうすんのよ?俺は即払えるぜ?躊躇なくキャッシュで払える。
あなたが自分のことしか考えないで生きてきたなんて呆れてものも言えない。本当にどういうことなんだよ?!」

「ちょっと未来を想像して考えればわかるでしょう?お金がないと将来周りの人に迷惑かけることは分かりきってるのに、その対策をしないでポカーンと生きてきたあなたは本当に無責任すぎる。なんとかなるとか本気で言ってんの?信じられない!」

─夫の反撃ここまで─


他にも何か言われた気がする。
途中で意識を飛ばさないと体力が続かないのである。
なにせ平均2時間の説教だ。
ちなみに10年間で言われたことを一緒くたに書いたのでいろいろバラバラである。


でも正直、「なんでそこまで言われなきゃいけないのよ」である。

大学出て働いてその年齢ごとに平均年収以上を稼ぎ、微々たる額だが天引き貯金もして借金もなく、ただただ普通に過ごしてきたはずの私が、なーんでそこまで言われなきゃいけないのよ?

難病にかかって3,000万円必要かもって、想像しないと怒られるようなことなんだろうか?
心配性にもほどがあるし、妻に求める金融リテラシーが高すぎる。


そしてこんな体力消耗の時間を過ごしたにもかかわらず、悲しいことに私は鳥頭なので上記のやりとりは数日で忘れる。
ので、だいたい半年に1回(×10年)くらいこれと似たようなやり取りが発生しているのだが、当然言われたことの半分も身に染みていないわけである。(ので夫は何度も言う羽目になる)


が、そんなある日、私にとってそれこそ
目から鱗の記事を読んでしまったのだ

私がいつものようにネットで記事を読んでいたときのことである。何気なくクリックした記事に衝撃の言葉を発見した。


私が好きなLiLiCoさんの記事だった。

https://www.google.co.jp/amp/s/www.huffingtonpost.jp/amp/entry/lilico_jp_5ddde7f0e4b0d50f329920dd/

大切な仲間は、年齢も職業もバラバラ。「LiLiCoって友だち多そうだよね」よく言われる理由

この記事の中でLiLiCoさんは言う。

私、「なんとかなる」っていう言葉が大嫌いなんですよ。それって、全然頑張らない人。それでいて周りが頑張ってなんとかしたことに気づかない人の使う言葉だから。


頭をハンマーで殴られた気がした。

だって「なんとかなるでしょ」って私の口癖だ。
あと「まいっか」とか「まあしょうがない!」とか「大丈夫大丈夫」とか。


周りは全然大丈夫じゃなかった可能性があったのだ。


LiLiCoさんの言葉は、夫が口を酸っぱくして10年かけて私に言ってきた話の集約だ。


対抗している夫に言われるより面識のないLiLiCoさんに言われた方が100万倍刺さるし100万倍素直に聞ける。
というか言葉がシンプルでわかりやすい。


これは2019年の記事だが、あれから2年間、私の心に突き刺さり続けて未だに抜けていない。


記事を読んだあと思わずLiLiCoさんに謝りそうになったが、ハッと気づいて心の中で夫に
「なんかごめん」
と言う。そして毎月の投資額を増やしたり夫に少し優しくなったりしたのであった。

やっと私にも自覚が出てきたのかな…。
やっぱりもう少ししっかりしなきゃダメだわ…。
と反省しきりの昨今であったのだ。


が、そんなある日の一昨日のことである

ふと何気なく銀行口座を確認したら、なんと私に臨時収入が入っているではないか!

テンションが上がった私はうっかり夫に言ったのだった。

「ねーねー!私新しいiPad買おっかな♪♪♪」

……やば!
と思ったが間に合わなかった。

「はあーーーーーー?!」

夫にガチギレされた。
そして2時間の説教である。



キリギリスの習性はそう簡単には変わらないのである。

果たしてアリとキリギリスの戦いが終わる日は来るのだろうか…。

私の体力が尽きる日の方が早い気がするのだった。

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