深呼吸ひとつ 合図にして【群青日和 #27】
【試合結果】
5/1(水) 中日ドラゴンズ
◯12-1
[勝]石田健大
[敗]涌井
◇ ◇ ◇
このカード頭の試合noteを振り返ると、文末の方で自分はこんなことを言っている。
10点ビハインドの中、蝦名の活躍が光ったこの試合。
まず本日のスタメンが発表されて「おっ?」となる。
4月中外れることなく起用され続けたライト・度会隆輝、そして度会に次いで100打席以上立ったショート・石上泰輝のルーキー2人はベンチスタート。
首脳陣の中で、4月いっぱいはルーキーの起用を極力続ける、と示し合わせていたかのよう。
特に度会の起用が止まったのは、いい意味で良かった。
守備でも少し迷いが生まれ始めていたし、この辺で一試合まるまるベンチから試合を見たり先輩にアドバイスを求めることで良いフィードバックの機会になるはず。
何より、2番に入った蝦名の調子がめちゃめちゃいい!
4/29 代打で途中出場し2安打1打点
4/30 スタメン出場し4打数2安打 1盗塁
今試合に出ないでいつ出るんだ状態。
プロ5年目、攻守に渡って度会の良いお手本になることこの上ない。
5月最初の試合、内心ひそかにわくわくしながら試合開始を待っていた。
……そしてこれが今日の、蝦名の成績。
5打席、4安打3得点2打点。
試合終了後の打率.727
ちなみに、得点=走者としてホームインした回数で、打点=打者としてホームに返した走者の数になる。
「新戦力の話題が多い4月の次は、中堅が意地を見せる5月になるんじゃないか」
確かにそう言ったけれど、月が変わってすぐこうなるとは思わないじゃん?
でも、自分が感じた予感が間違っていなかったのは素直にうれしい。
終わってみれば、今日スタメン出場した野手は全員安打。
しかもその中でこの近年なかなか結果が出ずにいた蝦名が、自分の力でチャンスを掴みかけている。
これはどうしたって、胸が熱くなってしまう。
ここまで、度会も出ずっぱりで怪我もなく本当によくやった。
結果が出る出ないに関わらず笑顔を忘れることなくグラウンドに立ち続けたこの4月の経験は、まだ続く長いシーズンを戦う上できっと糧になってくる。
この1ヶ月は、まさに究極のOJTだったと思う。
本当にいい頃合いで休養が入ったんじゃないかな。
◇ ◇ ◇
「おっ?」となったことがもう一つある。
それは、先発した石田健大の投球フォーム。
3月のオープン戦時点で、あれもしかしてちょっと変わった?とは薄々思っていたんだけれども。
▼ 2023年4月18日の映像
▼ 2024年3月13日の映像
セットポジションで構える位置が肩より少し上→肩とほぼ同じに(スクショ画像参照)
投球直前、ほんの一瞬一塁方向に目を切っていたのを止めてずっと両目で捕手を見るように
一球投げるごとに両腕をぶらんと下げた後に帽子を整えるクセがあったが、それをやっていない
はっきり感じた変化はこの3つ。
これらの他にもいろいろ細かく修正しているはずなんだけど、確信を持って気付けたのはこれぐらいかな。
このアップデートで、石田の課題だった投球テンポがかなり改善された。
モーション全体がすっきりと、無駄のない形になって何より石田本人がスイスイと投げやすそうなのがいい。
実際投げやすくなったんだろう、今日は7回100球被安打6で1失点、四死球なし。
最後の「四死球なし」が素晴らしすぎる。
10年目の石田がこのタイミングで自分の形を変えることは、なかなか難しいことだと思う。
そして同じく開幕一軍とはならなかった戸柱とともにスターティングバッテリーを組み、今シーズン初登板で結果を出した。
今までの先入観で登板前からあーだこーだ言ってた奴らを結果で黙らせる。
これってまさに「先輩の意地」ってやつなんじゃないか。
めちゃめちゃかっこいいぞ、健大。