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流れ星が たどり着いたのは【群青日和 51・52】
【試合結果】
6/1(土) 北海道日本ハムファイターズ
○4-3
[勝]中川虎大
[敗]田中正義
[S]森原
初回に先制されるも、直後に #伊藤光 選手の今季第1号2ランで逆転に成功し、4回には #梶原昂希 選手の2試合連続タイムリーでリードを広げる!
— 横浜DeNAベイスターズ (@ydb_yokohama) June 1, 2024
その後同点とされるも、迎えた9回、#牧秀悟 選手がセンターへの勝ち越し弾を放ち、敵地で連勝を飾った!#baystars pic.twitter.com/Q8ApbFWfm6
6/2(日) 北海道日本ハムファイターズ
●2-9
[勝]福島
[敗]大貫
2回に先制を許すも、直後に #蝦名達夫 選手の犠牲フライで1点をかえし、リードを5点に広げられた直後の4回にも #山本祐大 選手の犠牲フライで反撃の姿勢を見せる。
— 横浜DeNAベイスターズ (@ydb_yokohama) June 2, 2024
しかしその後点差を7点に広げられてしまうと、3番手 #京山将弥… pic.twitter.com/yfQfPRaiFj
◇ ◇ ◇
ビジター観戦で、つい目がいってしまう場所。
人によっていろいろあるとは思うけれども、私の場合は本拠地横浜スタジアムには見られなくて他球場だと見られるもの、だったりする。
ここエスコンフィールド北海道や、ベルーナドーム、明治神宮野球場などで私がつい見てしまうのは、ブルペン。
ハマスタのブルペンはホーム・ビジター共にスタジアム内部にあるため、中で何が行われているかは分からない。
扉が開いてリリーフカーが出てきた瞬間に、初めて誰が次にマウンドに上がるのかが分かる。
エスコンの場合は、外野席の一部に開放型のブルペンが設置されている。
一塁側・三塁側内野席の一番端に座ると、ぎりぎり見えるかな?といった感じ。
ブルペンの壁際に長いベンチが設置されており、待機している投手達はそこで試合経過を見たりストレッチに励んでいたり。
出番が来ると仲間たちに見送られて、北海道らしいクボタ製のリリーフカーに乗って勝負の場へ向かう。
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森原康平は三連戦の間に二度名前を呼ばれて、この美しいボールパークのマウンドに上がった。
初戦、味方が同点に追いついた後の9回裏。
二戦目は、味方が勝ち越し本塁打を打った後の9回裏。
ビジター戦は先攻になるので、勝ち越した後でもクローザーの出番がある。
二戦目に至っては勝ち越すかどうかもギリギリまで分からない展開。
どうも今年はセーブシチュエーションの中でも、1失点も許されないシーンでの登板が多いように感じる。それでも、森原はその1点差を守り切ってくれる。
唯一敗戦投手となったのは、同点で迎えた9回に登板して1失点してしまった5月10日の試合のみ。
セーブ失敗は、いまだに無い。
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三振にはこだわりを持っている、と本人も語っていた。
確かに、一般的に8以上あれば欲しい時に三振が取れるとみなされる奪三振率は9.43、実際に奪った三振の数も22と投球回21イニングを上回っている。
21登板に対して与四球3、という数字にもだいぶ驚いたのだけれど。
三振が奪えて、四球を出さず、リードを保ったままチームを勝たせる。
この1年の間に、森原は守護神らしい守護神になってくれた。
◇ ◇ ◇
彼を見ていて、この人は本当にとんでもない精神力を持っているんだな、と強く感じさせられたシーンがある。
5月6日、横浜スタジアムでのヤクルト戦のこと。
筒香復帰・逆転スリーランのあの試合。
8回裏に劇的な展開があって、スタジアム全体が熱気に浮かされ
「この試合、絶対に負けられない」
という空気に満たされて。
裏を返さずともそれは
「絶対にセーブ失敗してはいけない」
とも言える状況になる訳で。
そうかな、そうだろうな、と思っていたけど、場内に響き渡ったのはPitbullの特徴的な声とキャッチーなフレーズ。森原の登場曲、Bailarのイントロは鳴った瞬間すぐに分かる。
ただの1点リードの展開でも、緊張で足がすくんだっておかしくないというのに。
今日に関しては「日本球界復帰初戦の筒香嘉智が放った逆転弾で叶った1点リードの展開」を守り切らなくてはいけない。
森原の背に、いつも以上に大きなものが託されている。
WHIP(1イニングあたりに出す走者の数にあたる数値)が0.76と、その数字が語るように滅多に走者自体を出さない森原。
この日は、先頭打者の丸山がヒットで出塁した。
そして次の打者、オスナに対して2球続けてボールが先行。
あれっ、大丈夫かな、いやまさか……と心配になる空気がほんのり漂いそうな雰囲気の中、森原は一人マウンドを外す。
バックスクリーン方向にくるりと踵を返して、ちょっと歩く。
ゆっくり、大きく伸びをする。
まるで森原の周りだけが、しんと静けさに包まれているんじゃないか?
そんな風にさえ思った。
この異様な空気にのまれる前に、森原は自分の力で自分を取り戻している。
たぶん、もう大丈夫だ。
私が感じた予感通り、その後はたった4球でスリーアウトを取ってマウンドを降りた。
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この野球というスポーツは、自分の力じゃどうにもならない要素もたくさんはらんでいる。
でも、森原康平というピッチャーは自分の力で左右できることを全うできる。
落ち着いて本来の力を出し切るという思考を、自ら手放すことをしない。
ある意味、豪速球を投げるパワーや機械のように精密なコントロールを身に付けるより、この一番シンプルなことが一番難しいのかもしれない。