2つの企業公式noteを運営してみて分かったこと5つ
株式会社LIFULLで、2つのnoteの運営に携わるようになってから1年以上が経過しました。
これまで長く編集やライティングに仕事として携わってきましたが、紙媒体で「いかに誤りなく伝えるか」「読みやすく分かりやすくまとめるか」が中心だったので、「Webで多くの人に目に留めてもらう投稿」「最後まで読んでもらうための投稿」というのは初めての挑戦。
かつ、ほとんど触れてこなかった(この個人アカウントは取得していたもののほぼ放置…汗)してきたnoteというプラットフォーム。その特徴を模索しながらの企画や制作は、試行錯誤の道のりだったように思います。
ただ、そのかいあってか、両アカウントとも運営初期と比べるとかなり読んでもらえるようになりました。
また、2つの異なるアカウントの運営に携わったことで、両者を比較しての気づきを得ることもできています。
そこで、今回はこの2つのnoteの運営を通して分かったことを自分なりにまとめてみました。これから企業のnoteを運営していく方、またnote継続のヒントを得たいという方の参考になれば幸いです。
▼私が担当するnote
LIFULL HOME’S 住まいの窓口note(企画/制作)
LIFULL HOME’S ACTION FOR ALL note(企画/編集)
キーワードは「共感」?noteユーザーに刺さりやすい企画とは
これまで100件近い記事を企画してきて感じるのは、noteでは共感性の強い記事が読まれやすいのではないか、ということ。
一般的なweb記事よりも、記事の背景にある問題やストーリーに目が向けられやすく、そこにどれだけ共感してもらえるかがポイントになっていそうだなと感じています。
例えば、「LIFULL HOME'S ACTION FOR ALL note」(以下、「ACTION FOR ALL note」)では、住宅弱者と呼ばれる住まい探しが困難な人の現状を知らせる記事や、当事者の方に役立つ情報を中心に取り上げています。
なかでも、「同性カップルの賃貸物件探し」を取り上げた以下の記事は、投稿から1年以上たった今でも広く読まれている人気記事です。
このテーマの背景には、同性カップルに対する差別や偏見、不動産業界でLGBTQに対する理解が進んでいないなどの問題があります。
一般的に広く知られていない、テーマ自体のオリジナリティに加えて、異性カップルなら当たり前のようにできる「カップルが賃貸物件を借りること」が同性であるだけで難しくなるという問題点を、当事者が実体験を交えて語っていること。
こうしたところが多くの方に共感いただき、読んでいただけたのではと予測しています。
一方、「LIFULL HOME'S 住まいの窓口note」(以下、「住まいの窓口note」)で扱っているのは、住宅を購入したい人向けのお役立ち情報。こちらは、リアルな事例や金額感を交えながら解説する記事が人気です。
例えば、以下の記事は子どもをこれからもうけたいご夫婦を例に、住宅購入のベストなタイミングを紹介しています。
こちらは、住宅購入者が迷いがちな「家の買い時」を取り上げていることに加えて、その背後にある保活や学区選びなど、子育て世代ならではの悩みにもフォーカスしていることが共感を呼んだのだろうと思います。
伝えたいテーマに対して、読者にどのように共感してもらうのか。noteの企画の際は、そんな視点を大切に考えてみるとよいのかもしれません。
「コンテスト・ハッシュタグ」は意外と露出が増えない? バズりの機会になった思わぬきっかけ
人気記事を生み出すべく、運用当初に私が取り組んだのが、noteで開催されている「コンテスト」への投稿やお題となっている「ハッシュタグ」への参加でした。
記事の内容の充実はもちろん重要ですが、多くの方が集まる場に投稿すれば露出量が増え、読んでもらえる機会も増えるのでは、と考えたのです。
ただ、実際に取り組んでみると、コンテストやハッシュタグには他にも参加されている方が多いので、投稿はすぐ流れてしまう印象。もちろんコンテストで入賞などできれば注目度は上がると思いますが、これらに参加すれば確実に露出が増えるというものではないのだと分かりました。
そんななか、思わぬ形で記事がヒットするきっかけとなったのが、note編集部の方が選ぶ「今日の注目記事」に紹介されたこと。「ACTION FOR ALL note」で作成した以下の2記事は、紹介されたことでかなりの数読んでいただき、スキも多く獲得できました。
選んでもらった意図は分かりかねるのですが、「色のバリアフリー」「アクティブシニア」など、目新しく注目されているワードがタイトルに入っていることは、目を引くポイントになったかなと思っています。
こちらも数多くの記事から選ばれるものなので、確実性があるものではありません。ただ、コンテストやハッシュタグと違って、自分のアカウントに興味のない人も含めて広く目に留まる機会になりますし、露出を大幅に増やすことができるのは確か。
“「今日の注目記事」に選ばれること”を、一つの目標にするのもよいと思います。
他のSNSを使うなら早めに!公開初期の拡散が効果的なワケ
「住まいの窓口note」ではnoteのほかLINEやInstagramを、「ACTION FOR ALL note」ではTwitterとFacebookを運営していて、それぞれLINE、Twitterで記事を投稿したことをお知らせすることがあります。
noteはTwitterとの相性がいいと言われていますが、「住まいの窓口LINE」は友だち数が多いこともあり、お知らせすると記事へのアクセスがぐっと増えます。
投稿により、お知らせしたLINEのお友だちに読んでもらえるのはもちろんですが、投稿初期に多く読まれた記事は、人気記事と判断されるようです。
その結果、拡散以降も他の記事と比べてpv数を獲得しやすくなる傾向があります。
例えば以下の記事は、住まいの窓口が監修した本の紹介、という少しPRに寄った内容でしたが、公開後すぐにLINEでもお知らせしたことで、時間が経っても継続してpv数を獲得できています。
noteは他のSNSと比べてフォロワー数が伸びにくく、拡散性も高くはありません。運用開始当初はなかなか見てもらえずに苦戦しやすいと思いますので、他のSNSを併用してできるだけ投稿初期の閲覧を増やすことは、有効な打ち手になると思います。
noteはSEOに強い!キーワードをうまく選べばGoogle検索からの流入が狙える
「noteがSEOに強い」という話は以前から聞いていましたが、これは自分自身も運用してみて実感しています。タイトルのキーワードをうまく選定すれば、noteユーザーや自身のフォロワーに読んでもらえるだけでなく、Google検索からの流入も狙えるというのは、とても夢のある話だなと思います。
例えば、「住まいの窓口note」の『家賃9万円と同額で買えるのはどんな家?』は、「家賃9万円」というキーワードでGoogle検索の2ページ目に表示される人気記事(並み居る競合を抑えての2ページ目なので、個人的にはだいぶ感動でした…!)。
一方、「ACTION FOR ALL note」の『命の駆け込み寺「民間シェルター」。さまざまな役割と施設をめぐる課題』は、「民間シェルター」というキーワードで3番目に表示されます。ニッチで専門的な内容にもかかわらず、多くの方に読んでいただいているのは上位表示を獲得できているおかげだと思います。
運用1年超で、こうした記事がつくれるnoteというアカウントの力は改めてすごいなと感じます。
また、今までの見出しの内容も踏まえると、タイトルのワード選定も重要な要素なのだなと思います。
定期投稿&記事の蓄積でアカウントに常に流入を。明らかな“世間のお休みシーズン”の投稿は避ける
noteを投稿する時間帯や曜日について、迷われる方も多いと思います。
私も運用当初からいくつかのパターンを検証してみましたが、時間帯については、昼間より夜(夕方以降)の時間帯のほうが読まれやすいことは分かったものの、曜日について具体的に“この曜日!”という確証めいたものはないのが正直なところです。
ただ、「住まいの窓口note」は定期的な投稿をするようになってからpv数が着実に伸びていきましたし、過去の記事が増えていくほど流入数が増えていきました。曜日や時間帯をきっちり固定しないまでも、定期的な投稿(月○本など)で記事をため、アカウントに常に流入がある体制を整えておくことが重要なのだと感じています。
また、これはnoteに限らずですが、GWやお盆休み、クリスマスやお正月といった世間的なお休み・お出かけ時期のpv数は下がります。実際、私はクリスマスイブの夕方に投稿をした際、pv数が伸び悩み反省しました…。
「定期的」には保ちつつも、上記に挙げたような時期の投稿は避けたほうが無難です。
以上、私の個人的な経験も入れつつのまとめでした。
2つのアカウントとも、住まい関連の話題が中心になっているので、他の領域だとまた違ったところもあるかもしれません。
あくまで一例として参考にしていただければと思います。
偉そうなことを書きつつ、私もnoteに関してまだまだ未知の部分がたくさんあります。
より多くの方に読んでもらえるアカウントにできるよう、今後も試行錯誤していきます!
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