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義母との同居を解消したい!⑥

【絶望の夏休み】


待ちに、待ちに、待ちに待った夏休みである。

新天地での生活も落ち着き、無事に取得できた夏休み!

いつもならどこへお出かけしようかと計画を立てているはずの夏休み。
この夏に限っては、我々にそんな計画は不要なのだ。
なぜなら新しい我が家に帰ることが、何よりの楽しみだから!

新居が出来てから、初めて過ごす愛しの我が家!!
心躍らぬはずもなく、期待に胸膨らませて帰省したのである。

ところが、着いた家はもう、夢にまで見た我が家とは言い難い状態に変貌していた。


玄関を開けると、和室からはみ出した荷物が並び、広いリビングには、脚の壊れた古いちゃぶ台が鎮座し、座布団が並んでいた。

2階の寝室には、背の高いシルバーラックの中に、全く使うことのない実家からの荷物が収められ、キッチンの食器棚や食品庫、脱衣所の棚に玄関の下駄箱スペースは、すでに義母の物で10割が埋まっていた。

さらに、玄関から見える中庭の一角には、色も形もバラバラなテーブルと、イスが2脚置かれ、どう考えても座る気にならない休憩スペースまで作られている。

極めつけは、大量の鉢植え。我が家で最も日当たりの良いリビングの窓際に並んでいただけならまだしも、私たちのこだわりだった無垢材の床に、鉢植えから溢れ出した水のシミをしっかりと刻み付けていた。

これを絶望と言わず、何と言えばいいのだろうか。

当然夫は、怒り狂い、義母にこの状況の理由を問いただすも、本人は悪びれることなく言い訳ばかりを並べた。

・荷物を私室以外に大量に持ち込んでいるのも、使う場所に置かないと不便だから置いた
・大きな収納スペースがあるのだから、そこに置けるものを持ち込んだ。
・2階に置いた不要な荷物は、兄と夫の物だから勝手に捨てるわけにはいかないため、実家からすべてを持ってきた。
・大量の鉢植えは植物のために、和室よりも日当たりの良い場所に置いた。

とこのと。

無垢材の床の大きなシミについては「まぁ悪かったと思っている」と言っていたものの、あくまでも指摘されたから謝った、に過ぎず、その態度は「そんなのしょうがないじゃない」と言わんばかり。
こちらとしても、生活をしていれば、ある程度は汚れが付いてしまうのは仕方ないと思うにしても、許容範囲をはるかにオーバーしたい上、それを黙っていたことが、私たちの怒りを増幅させた。
なぜ頻繁に電話をしていたのに、気づいた時点で一言伝えておくことができないのだろうか!?


…このシミを見るたびに、今でもその時のモヤモヤがよみがえる。


帰宅した日の夜、夫との緊急家族会議を開き、結局、私たちは貴重な夏休みの時間を使って、片づけをすることになった。

引っ越しに立ち会えなかった代償がコレなのだ。

心の底から次々と湧き上がる怒りを鎮め、私たちは何とか立ち上がった。
悲観していても仕方がない。
時間は巻き戻せない。

このまま嘆き悲しんでいるうちに、私たちの夏休みが終わってしまう。


そんなの嫌じゃーーーーーー


迷っている時間はない!この怒りを力に変えて、全力で片付けるのだ!


翌朝から、明らかに不要な荷物を玄関から家の前に運び出し、同時に、分別不要な、ゴミを何でも持っていってくれる廃品回収業者を検索した。
本来なら、直接ゴミの焼却処分場へ持っていくべきだったのかもしれないが、その時の私たちには本当に時間が無かったので、多少高くついても仕方がないと諦めたのだ。

運良く業者さんも見つかったので、あとは不用品をひたすら運ぶのみ!
新たな引っ越しかと思うほどの荷物を玄関前の駐車場スペースに運び出し、積み重ねた。新築にはそぐわない、まるでゴミ屋敷かと思うほどの物が家の前に並び、本当にビビった。
引っ越し業者を頼んでいたとはいえ、義母はこの使わない物を実家から持ち込み、自分の与えられた和室以外の場所に並べていたのだ。


そう、和室以外の場所に…

義母の部屋の中には更なるサプライズが隠されていたのであった。



つづく

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