【感想】そして、バトンは渡された
2019年本屋大賞を受賞した瀬尾まいこさんの「そして、バトンは渡された」を読みました。
初めての瀬尾まいこ作品でしたが、全体的に読みやすくあっという間に読み終えてしまいました。会話が多くテンポ良く話が進んでいく作品という印象です。
幼い頃から親が何度も変わるという境遇で生きてきた主人公の優子が、成人して結婚するまでの人生を描いています。
主人公の優子は、幼い頃から親が何度も変わるという経験をしている為、物の捉え方が非常にクールです。
目の前の人物に執着せず、でも、決して感謝の気持ちを忘れません。その姿勢が素晴らしいです。
私は、悲しい出来事があれば悲観的に捉えて自分に同情してばかりです、、、
ですが優子は、幼い頃から悲しい経験が多かった為、明るく生きるために周りに期待せず、悲観しないクセがついたのだと思います。
優子のその強さが、自分の人生や周りの人の人生を、明るくしていきます。
そしてこのストーリーには、そんな優子を、とても大切に育てる大人が数人登場します。
全員血の繋がりはありませんが、優子を育てる事に幸せを感じています。
高校生になった優子を引き取り、育てることになった森宮さんという男の人に対して、
優子は「血の繋がりの無い子を押し付けられて気の毒だ」と言います。
その発言に対して森宮さんは、こう言います。
「自分の明日と、自分よりたくさんの可能性と未来を含んだ明日が、やってくるんだって。親になるって、未来が二倍以上になることだよって。明日が二つにできるなんて、すごいと思わない?」と。
子育ての捉え方は色々あると思いますが、
こんな考え方もあるのだなぁと考えさせられました。
私は11月に初めての子供を出産予定です。
望んで授かる事ができて、とても幸せですが、
これから自分の人生がどうなっていくのか、全く想像できません。
仕事と両立できるのか?
子供を不自由なく育てる事ができるのか?
不安も沢山あります。
ですが、この本を読んで、
まずは、自分のために子育てを楽しみたいと思う事ができました。
温かい言葉沢山つまった、優しい1冊でした。