大型書店の歩き方
本が好きだ。書店が好きだ。大型書店ほどわくわくする空間はない。ほとばしる活字愛と勢いのままに、初めて行く大型書店での立ち振る舞いを書こうと思う。
まず入店。最初は店の全体像を把握するために、売り場を歩く。この時点では、本の吟味はしない。どのジャンルがどこにあるのかを知るために、ひたすら歩いて回る。
次に、その時の気分で専門的な分野の棚を見る。一般的な書店では、生活書、専門書、人文などといったジャンルで分けられている棚である。並んでいる本は、自分には読む必要のないものだと思いがちだが、よく見ると、自分でも読んで楽しめそうな本があったりするから油断ならない。
例えば料理本のコーナー。料理をしない人からすれば、レシピ本ばかりで退屈に見えるが、書店によっては食にまつわるエッセイや、特定の料理の歴史の本など、興味深い本を見つけることが出来る。
全く自分と縁の無い本の棚でも、思い切って一冊買って読んでみる。そうすれば、その棚と縁が出来る。次回来た時にその棚だけ光って見えるのだ。
専門的な本のコーナーを見た後は、比較的読む頻度の高い文芸書の棚に向かう。小説やエッセイを見るのだが、時代小説や外国文学など、自分と馴染みの薄い売り場もたまには見ておきたい。
いよいよラストスパート。文庫本売り場へ向かう。ハードカバーの本と違い、文庫本は小さいうえに背表紙の装丁が地味なため、タイトルをじっくり見て面白そうな本を探さなければならない。
ただ、文庫本のコーナーには、小説、エッセイ、専門書、ノンフィクション、時代小説、外国文学のすべてのジャンルが並んでいる。今まで見てきた売り場にあったジャンルの本と、文庫本という違う形で出会うことが出来るのだ。
最後に新刊・話題書をチェックする。最後に回る理由は、様々なジャンルが並ぶ一番濃度の高いコーナーなので、最初に見るとそれだけで満足してしまうからだ。
大体こういった形で書店を巡るのだが、一度訪れた店は自由に見るようにしている。明日も行こうかな。