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2020年1月の記事一覧
マシーナリーとも子ALPHA ~それぞれの日曜日篇~
朝。爽やかな朝。外では太陽の煌めきに呼応して、スズメたちがチュンチュンと歌っていた。だがこの部屋には小鳥たちのさえずりは届かない。寝息を立てるように一定のリズムで轟音をあげて回転する二基のダブルチェーンソーがあるからだ! そのチェーンソー の持ち主は……当然シンギュラリティのサイボーグ、ネットリテラシーたか子だ! 時計の針が7時を指すと、ハンガーラックにかけられたファンネルポートから一基のファン
もっとみるマシーナリーとも子ALPHA 〜寿司の進化篇〜
「よ〜しよしよしよしよし、かわいいかわいい」
「……」
「よしよしよし……」
池袋、改装が終わったばかりの公園。天気は快晴。気持ちのいい日和であった。だがそこには異常な光景が広がっていた。道ゆく人々に緊張が走る。彼らの横目を集めて逃さない者。公園の真ん中でよしよしと腕の中の物を愛でている者……それはシンギュラリティのサイボーグ、マシーナリーとも子だった!
なぜとも子が注目を集めているのか。彼
マシーナリーとも子ALPHA ~爪の正月篇~
(はい、それでは、あけましておめでとうございます……」
「あけましておめでとうございます」
「おめでとうございます」
こたつに収まった3人の女性が頭を傾ける。最初に口を開いた……と思わず書きそうになってしまったが、彼女は口を開いていない。その口は、上唇と下唇が離れないようにホチキスの針でがっちりと留められている。彼女こそ地上最強のテレパスにしてサイキッカー、人類至上組織N.A.I.L.の首魁、
マシーナリーとも子ALPHA ~遊技場の保護篇~
「はぁ〜……」
ジャストディフェンス澤村は憂鬱だった。今日の殺人上限、30人をすでに殺してしまったのだ。時間は午前11時。一度にたくさん殺してしまわないように気を付け、すぐに終わってしまわないようにじっくり、弱めの攻撃で痛ぶりながら殺したがそれでも30人殺して、まだ11時。明日までもうひとりも殺すことはできない。
「はぁ〜……」
殺人はジャストディフェンス澤村の唯一の趣味だった。あとは