シェア
渡部有希
2021年9月4日 18:48
ここのところ、立て続けに面白い本に出会うので、読むのに必死な日々です。何について書くか悩ましいですが2ヶ月ほど前に読んだ悔しいぐらい美しい作品について書いてみます。川上弘美「蛇を踏む」文春文庫(1999.8)この表題作の初出は1996年。私が生まれる2年も前のことだそうです。自分が発生する前に紡がれた文章を大人になった今読むことができるのはとても幸せ。川上弘美さん
2020年10月20日 08:30
久しぶりの投稿になります。今回は、寒くなってきたら無性に読みたくなった、こちらの本を紹介します。せきしろ『バスは北を進む』幻冬舎文庫(2019)昔から錆び付いたものや古びたものが好きでした。公営団地の錆びた螺旋階段や、雨で色が落ちた軒先用テントや、洗ったら逆に汚くなりそうなコインランドリーが好きでした。あたりまえにある、誰かの生活を支えてきた、なんでも無いものたち。それらを、