【#ショートショート】仕事疲れで意識を失う人

ピー　ガガー　・・・

タイムカードを打刻。
ここからが本当の闘いだ。

「退」が神々しく光り輝いている。

退無カード。
社内では、そう呼ばれている。

退勤が無い。
会社に寝泊まりして気付くと次の日がやってくる。
となると出勤も無い。
惰性で打刻しているだけだ。

あるとき人々は、次々に意識を失った。

「法定休日です」

誰かがそう言った。

？？？？？？？？？

夢か現実か、意識の境目が曖昧になる。

ほーてい？
きゅーじつ？

布袋？
キュウリです？

・・・布袋がキュウリです？

？？？？？？？？？

「大丈夫か？！目を覚ませ！」

「ほて・・・きゅ」

目を覚ますとぼくは病院にいた。
ビルの管理人さんが倒れているぼくを発見し、救急車を呼んでくれたのだそうだ。

こうしてぼくは、過労死寸前のところで幸運にも助かることができた。
ぼくには途中までの記憶がもう無く。

誰も信じてくれないけれど。
ぼくは確かに、"それ"を見たのだ。