さぁ、ワクワクドキドキを探しに行くよ~!創設者が語るまごめの遊び【後編】
1973年、東京都大田区の馬込地域に有志で「保育所をつくる会」が発足され、その2年後の1975年9月に「馬込共同保育所」が開園しました。
それから47年。数度の移転もありながら、現在の「まごめ共同保育所」に、その理念が受け継がれ、今日も子ども達は街中を探検して遊んでいます。
これまでは親からのメッセージをお伝えしてきましたが、ここらで職員からの思いも知っていただきたい!ということで、まずは、創設者の“たえこちゃん”。
今から20年以上前の2000年に綴ってくれた「まごめの遊び」について、前後編に分けてご紹介します!
▼前編はこちら
街で遊ぶ。そしてネコXの登場。
街のかくれんぼ、矢印追いかけ鬼ごっこ、原っぱ遊び、野草天ぷら、そして悪魔カラスとの攻防。
大森ジャングル探検隊(※現在は「まごめてくてく探検隊」に名称変更)にとって、「街」は「目的地に行くために通過する道」ではなくて「さまざまなドラマと出会う場所」と言えます。
毎日いろいろなことに遭遇している僕たち。
ある日、こんなことがありました・・・。
数十年前のことです。
朝、登園してきた子どもが、玄関の前にかわいいビンがちょこんと置いてあるのを見つけました。「なんだろう」と中を見てみると、手紙が入っていました。
そこには「保育園前の公園の砂場を見ろ」と書いてありました。
大人も子どもも「大変!大変!」と集まってきて、半信半疑で砂場に飛んでいくと、そこにもまた手紙が。
保育者も「これは誰かのいたずらなのか!?」と子どもと一緒にドキドキしながら走り回りました。何か所か回った後に、「新三商店街の伊勢屋酒店へ行け!」の手紙。ますます不思議。
行ってみると、なんと!!
酒屋のおじさんがニコニコして「はい。ネコX(エックス)さんからのプレゼントですよ」と渡してくれたもの。それは・・・ビール1カートンだったのです。
ふたには「保育者の皆さん、いつもご苦労様」とメッセージが。
保育園じゅう「誰だ、誰だ」と大騒ぎになったことは言うまでもありません。「あの親か、この親か」と散々噂になりながらも結局わからずじまい、なんてことがありました。
それが数年たってまた来たのです、手紙が!
今度は前の公園のブランコの裏に貼ってありました。子ども達は入れ替わっていましたが、保育者は大喜び。「今度こそ真相がわかるぞ!」
またまた大森じゅうを駆け回り、子ども用のジュースをプレゼントされました。私たち保育者には「気の利いた仕掛け人」の見当はつきました。だってね、前も今もいる親、となると限られていますものね!
でもその親は私たちの追及に微笑むばかりで、ついに真相は明かされずそのまま卒園してしまいました。
まごめの保育を丸ごと支持し、楽しんでバックアップしてくれる。子ども達の夢や冒険心を保育者と一緒になって膨らませてくれる。そんな親たちがいてくれるからこそ、まごめの大人は思いっきり子ども達と遊んでいけるのですね。
子ども・保育者・親。みんなで「わくわく」を共有していきたい。そして子どもを通して大人たちも一緒に育っていこう。大森ジャングル探検隊には、そんな思いがギュウギュウ詰めなっているのです。
モノより思い出
最近、コマーシャルでこんな言葉が流れています。「モノより思い出」。
本当にその通りですね。実際に体験した楽しいことが、心の引き出しにひとつずつしまわれていき、そのたくさんの引き出し=楽しい思い出が生きるエネルギーを膨らませてくれる。そんな風に思います。
小さな保育園だからできること。
小さな保育園じゃないとできないこと。
それを、今だからこそ、大切にしたいと思います。
大森ジャングル探検隊は今日も行く。あなたも一緒に出かけてみませんか?
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いかがでしたか?
私たちまごめ共同保育所の遊びの根幹、感じていただけたでしょうか。
この記事は20年以上前に書かれた内容ですが、驚いたのは今のまごめっこの遊び方がまったく変わらないということ。時代や環境が変わっても、子どもの遊びの本質は変わらないのかもしれませんね。
変わらないことと、変わっていくこと。どちらに偏り過ぎることもせず、柔軟に自由に、子どもと育ち合いたいなと改めて感じました。
▼まごめ共同保育所では2023年度入園児を募集しています。一緒に育児を楽しみませんか?