一瞬の笑顔のために
忘れるから
覚えていないから
意味なんかないよ
1.認知症対応
私が働かせていただいている事業所は、認知症対応型通所介護施設です。利用者さんは皆、認知症の方となります。
認知症ですので、
毎回の利用を覚えている方もいれば、
忘れてしまう方もいて、
午前中の出来事を覚えている方もいれば、
忘れてしまう方もいて、
長い目で見たときに、
今日のこの一瞬の出来事や会話も、
記憶の引き出しから引き出されることはないかもしれません。
だから、
意味がないと思ってしまう…
その場の平穏を保つため、それくらい?
本当??
2.記憶
認知症の方は忘れる
覚えられない、思い出せない
だから、
意味がないと思ってしまう…
覚えてもらうために私たちは向き合っているのでしょうか?
思い出してもらうために私たちは向き合っているのでしょうか?
忘れちゃだめですか?
私は、
忘れてないと思います。
ちゃんと、記憶できていると思います。
記憶の引き出しから引き出せなくても、
その引き出しにはちゃんと入っている。
感情や、心の中には、しっかりと記されていて、
毎日、毎回、
ちゃんと引き出されています。
だから、
私と居て下さるし、
私と笑って下さるし、
私と過ごして下さる。
私は、
医学的な知識や、
学術的な知識など、
科学的根拠なんてものは持ち合わせていないけれど、
私は、専門職として、
" 一瞬 "
この" 一瞬 " に、意味があると思っています。
3.一瞬の笑顔のために
" 一瞬 " とお伝えをしていますが、
正直なところ、
一瞬、一瞬って、
常に一瞬に意識をしていることはありません。
私たちと利用者さんとの間に起こる全てのことに意味があると思っているから、その一瞬一瞬が生まれると思っています。
なんでこんなことをお伝えしたいと思ったのか、
実は、
この一瞬って想いを考えるきっかけがありました。
とあるときに、
ご家族さんよりこんな言葉をかけられました。
「いつもすぐ忘れちゃうのに、一瞬の楽しみや喜びの為に、よく考えて下さって、本当に感謝しています。」
私たちの想いを、
私たちの考える介護を、
うまく言語化してくれた言葉だなって、
とても嬉しく、癒される言葉でした。
私たちは、
忘れちゃうかもしれないけれど、
ここにいる、
この一瞬、
笑って下さったこの一瞬
この後、
怒っちゃうかもしれない
帰宅されて、
覚えていないかもしれない
ずっと怒り続けているかもしれない
それでも、
あの一瞬
笑って下さったあの一瞬
その笑顔は、嘘じゃないんです。
そう信じて、日々向き合っています。
忘れていないことを、私たちは知っています。