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ポンコツ奮闘記.#4

27歳まで定職なし  
歳だけとって中身は空  
そんなポンコツ介護員の奮闘小話  


1.剃毛⁉

私の初めての担当利用者Iさん。
1人の職員が2名担当を持つことになっていたので、
もう1名の方のエピソードはこちらから → https://note.com/magokoro_kaigo/n/na4f31045b8e2

強面のThe昭和の男‼
ベッド周りの私物の置き位置にこだわり。
尿道カテーテルの止め具合も細かく調整があり。
室温調整も小まめに調整し。
一見、面倒だなと思われがちな爺さん。
難しそうな方が嫌いじゃない鈍感なところも、
良い意味でポンコツだと思う。

そんなある日の入浴。

「オッオッオッオッオ。〇〇さん、頭剃ってくれや」
「頭ですか⁉」
「おう」
髪の量は少ない方ではあるものの、
耳の横から後頭部にかけては残毛が生きていらっしゃる。

これを剃る??

スキン⁉

本当に??

「えっ⁉ 髪の毛ですよね?? 本当に剃っちゃっていいんですか??」
「いいから。早くやってくれ‼」

本当にいいのか??

まぁ本人に聞いたし、良いか、やっちゃうか‼


半分ほど剃り終えたころに…

「オッオッオッオッオ。〇〇さん、まだか? 早くしてくれや」
「今半分くらいまで終わったところです♪」

「半分??」

「えっ… はい、半分…」

「半分ってなによ⁉」

「頭を剃るということだったので、ちょうど今半分くらいを…」

「髪じゃない頭だ‼ もういい‼ やめてくれ‼」


頭は髪の毛ではなく、
ほぼ残毛のない場所の産毛処理だったのです‼

(あぁこれはやっちまったんだ!!)
内心、青ざめ状態。やべぇ。

「いや、ちょっとこのまま終わるのはさすがにまずいと思うんですよね。」と、手鏡を渡す。

「じゃ、早くやってくれ‼」

(あぁ終わった。)
心の中でこだましながら、
無言・無音のプレッシャーの中淡々と剃り上げると…

「たいっへん、申し訳ありませんでした‼ 終わりました‼」

手鏡を見ながら、

「ずいぶんスッキリしたな。ハッハッハッハッハ」


入浴から戻ると、輝きに反応するスタッフ。
それに応えるIさん。
青ざめた私。

これ以来、
Iさんはスキンヘッドの輝きが消えることはなく過ごされることになりました。


2.昭和の男から教わったこと

過ぎてしまったことは気にしない。
わざとやったことではない。
精一杯を尽くしてくれたことには怒らない。
厳しいけれど、
優しい、
筋が通った昭和の男‼
Iさんの人間性に助けられ、教えられました。


Iさんは、
適当に対応する職員には本当に怒るし、厳しい。
気持ちが入っているかいないかは見抜くし、
お話をちゃんと聞いていないことも見抜いている。

片麻痺の方で事故も起きやすい方であり、実際に何件か発生している。

今までの関わりの中で、
丁寧さが欠けていたり、雑だったり、そんな職員の場合は軽傷でも怒るが、丁寧で親切で、そんな職員の場合は大きな転倒であっても怒りもしない。
むしろ気遣ってくれる。

やはり関わりなんだと思う。

乱暴に言えば、
好き嫌いなのかもしれない。
それでも、やはり人間と人間の関わり。

日々のコミュニケーション。

日々の向き合う姿勢。

小さいことから大きいことまで、
日々の積み重ねが、関わりなのだと。
関わりの積み重ねが、

信頼

安心

という言葉に変わってくるのだと。


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