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【介護職の賃上げ】介護・福祉職はいつまで『介護職の賃上げ』に操られるのか
介護・障害福祉職員の賃上げについて、野党が動きを見せています。
「介護・障害福祉職員の給与を全産業平均と同じ水準まで引き上げる法案」まで検討されているそうですが、またしても以前と同じ気配を感じます😓
そこで今回は、「介護職の賃上げ」ニュースが出た際にどこに注目すべきかのお話をしていきます。
【記事の概要】
・介護・障害福祉職員の賃上げを進めるための特別措置法案を、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党が30日に共同で国会に提出。
・原則、介護や障害福祉の現場で働く全ての職員を対象とし、介護報酬の処遇改善加算を得られないケアマネジャーらも含める。
・まずは1人あたりの平均で月額1万円、年額12万円の賃上げを実現するための助成金を支給する考え。
・また法案には、介護・障害福祉職員の給与を全産業平均と同じ水準まで引き上げる方策を検討することも明記した。
※詳しくは下記リンクを参照
【注目点①「介護職の賃上げ」に出て来ないフレーズ】
「介護職の賃上げ」でよく出てくるフレーズは
・全産業平均よりも平均年収が低く、それ故に介護人材不足が進んでいる
・「月〇〇円のベースアップ」が介護離職を防ぐ
といったものです😶
逆に、大切なのに出て来ない(あるいは意図的に伏せられる)フレーズは
・財源、原資といった「お金の出所」
・介護・福祉職がもたらす国民への負担
です。
介護職の賃上げにおいて両者は切り離すことのできない課題なのですが、今回の記事然り、何故か「お金の出所」「介護・福祉職がもたらす国民への負担」についてはあまり語られません😑
唯一「助成金」というフレーズが出てきていますが、助成金とは公的な資金から出されるお金のことですから、その財源は広い意味での税金となります💸
つまり介護・福祉職の賃上げを「制度」で行おうとすれば自ずと「(広い意味での)税金」を使うことになり、そこには少なからず国民への負担が発生する訳ですね👨🏻🏫
この部分が語られないことに注目すると、「介護職の賃上げ」には単に介護・福祉職の給料を底上げする以外の『意図』があると察せられるはずです。
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[1万円の賃上げに係る予算はいくら?]
では、「1人あたりの平均で月額1万円、年額12万円の賃上げを実現する」のを『助成金』によって生み出すとはどういうことになるのかを見ていきましょう。
厚生労働省の「介護職員数の推移の更新(令和5年分)について」によれば、令和5年度の介護職人数はおよそ200万人です。
彼ら彼女らのために分け隔てなく「年間12万円の助成金」を出すとなれば
・2,000,000(人)×120,000(円)=240,000,000,000円
→「2400億円」
の予算が少なくとも必要となります😮
実際には「配る」為の諸費用も掛かるでしょうから、これだけのお金を「広い意味での税金」で補おうとすれば取るところから取るしかなくなる訳です😨
思い返せば岸田政権が2022年に「介護職の賃上げ」をした後、様々な増税が行われたことで岸田元総理が『増税メガネ』などと揶揄されたことも記憶に新しいことかと思います。
お金配りの後に待ち受けるのはそれ以上の回収であることを、そろそろ思い出した方が良いでしょう😔
また、予算の話題を出すと「他を削減してこちらに回せばいい」と言う方もいますが、他の予算も必要があって割り振られています。(あくまで建前では)
必要があって割り振られたものを削減しようとするならば、それに見合うだけのものを国民一人ひとりが用意する必要がある訳ですね。
例えば国民一人ひとりが『健康』についての知識を幅広く修め、実践していけば医療費は「必要なくなる」部分が出てくるから削減できる、という話です😶
加えて国民一人ひとりが健康になれば「介護を必要とする期間」も短くなりますから、結果的に介護費用も抑えられますね😮
ただ、そうなっていない現実を見れば、無闇に「他から持ってこればいい」という話にはならないことがわかるはずです。
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【注目点②制度ビジネスで全産業平均を目指す?】
ここまでの話がわかると「介護・福祉のような制度ビジネスで全産業平均を目指す」という話に違和感を覚えるようになります🤔
何故ならそれらの財源となる「広い意味での税金」の多くは経済活動の中で生まれるものであり、それらの総和の『一部』を社会保障費として財源を割り当てているからです。
であれば必然的に
「全産業平均 〉制度ビジネス」
となる訳で、これを
「全産業平均≧制度ビジネス」
にするとは、全産業からの徴収量を増やして制度ビジネス側に流すことを意味します😨
こんなことがまかり通れば資金力のない企業から潰れていきますし、全産業の総和も目減りして結局制度ビジネス側のお金も減らざるを得なくなります。
つまり「介護・福祉職の年収を全産業平均に並べる」とは、最初から成り立たない話なのです😰
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とはいえ、要は「お金の出所」の問題ですから、一部環境で介護・福祉職の年収が全産業平均に近づくことは可能です。
例えばSOMPOケアは介護職の賃上げに積極的ですが、これは大元となるSOMPOホールディングスの資金力があって実現可能となる訳ですね👨🏻🏫
ただこれは「制度ビジネス」(税金を財源とするビジネス)とは毛色が違いますから、SOMPOケアのあり方から学ぶことは多けれど、これが業界水準になることを期待するのはまた別の話なのです。
[年収という『まぼろし』を追いかけさせられていないか]
「全産業平均の年収」という数字を追いかけてもその先にあるのは増税ラッシュであり、介護・福祉人材が増えることはありません😔
そもそも介護・福祉の仕事は給料で選ぶ仕事ではなく、本来「ヒトをどれだけ愛せるか」という精神性で選ぶ仕事です。
これに対して
「綺麗事だ😠」
「現実(現場)が見えていない🥴」
といった批判が出るのが『今の介護・福祉』であり、福祉の定義[人のしあわせ、ゆたかさ]ですら失われているのです😔
そうして
・他産業には論理的に追いつけない「年収」で比較される価値観(ワールド)
・精神性を軽んじる介護・福祉現場(フィールド)
という「彼ら彼女らにとっての『現実』」(=虚構)を創り上げられて
「介護・福祉職は給料が少ない」
という価値観を自ら背負い込んでしまうのです😭
業が深いと思わせるのは、そうした価値観に閉じ込められた彼ら彼女らにとって
・「介護職の給料が少ない『まぼろし』」を生み出すフィールドとワールド(※)
こそが現実となってしまい、その幻で体験したことをSNS等で拡散することで『共感』を生み出し、自分たちの『正しさ』を証明しようとしてしまうところです🥲
※介護職の給料が全産業平均と「比較」されて少ないのは事実ですが、その比較が「介護職の給料が少ない」と思い込ませるための幻である、という意。
詳しくはまとめ参照。
なまじ「平均年収」という『数字』で説明されてしまうと「給料が少ない」という点ばかりに焦点を向けられ、本来大切にすべき生命の価値(精神性)を盲点とさせられてしまう。
そうして知らず知らずのうちに政治や団体等に利用されて増税ラッシュの片棒を担がされ、自分たちを含めた国民全体を貧しい方へと導いてしまうのです😭
だからこそ何年も前から
「介護職の賃上げは貧しさを生む」
とお伝えし、介護・福祉職が賃上げという『見かけの数字』を追い続ける限り何度でも国民全体を貧しくさせる貧しさループの中に閉じ込められてしまう、と何度でもお話ししているのです😢
【まとめ】『介護職の賃上げ』に操られない為に
今回は「介護職の賃上げ」がニュースに出た時の注意点について
「『介護職の賃上げ』を見たら、その「財源」と「介護・福祉職がもたらす国民への負担」がきちんと語られているかでその是非を判断しましょう」
とお話ししてきました👨🏻🏫
最後に
「注意点はわかったけど、じゃあ介護・福祉職はどうすれば良いの⁈😵💫」
という点についてお話しします。
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[①専門職として「給料」の意味を知る]
まず第一に「平均年収が全産業平均より低いから何なのか」について、自分なりの答えを持つようにしましょう。
たとえば、現実的に数字で比較すれば他産業より平均年収は低いのですが、それが介護・福祉職当事者にとって何の意味があるのでしょうか?
それが「知らされる前」と「知らされた後」で介護・福祉職は何かを失ったのでしょうか?
こう考えると「知らされた直後」には何も失っていなかったのに、そこから
介護・福祉職自らそこまで意識していなかった給料に不平不満を言い出し、それに呼応して政治家や団体が動き出して「介護職の賃上げ」が実現した事実
に氣付くでしょう😮
だからこそ、介護・福祉職は「自分たちの給料の出所」である介護保険制度の本質を知る必要がありますし、それに対して専門職として意見を持つ必要があるのです。
低いと呼ばれる給料がどのようにして自分たちに届けられているか。
そこにどれだけの思いが込められているか。
そうした「精神性」が失われてしまったからこそ、『今の介護・福祉』は福祉足り得ないと言えるのです😔
[②自分こそを「自立」支援する]
次は介護・福祉が制度ビジネスである以上、業界そのものが「自立」できていない事実と向き合いましょう。
そして、それにも関わらず利用者に「自立支援」する矛盾とも。
この意識なしに、自立支援と称して行われるあらゆる介助・支援は初めから成立しておらず
(『わたし』に自立を求める『あなた』がまず自立できていないんだよなぁ…😑)
と利用者・家族から白けた目で見られて信頼を損ねていること。あるいは報酬に依存するシステムへ利用者を巻き込もうとしていると氣付くことが重要です。
これは単に「制度に依存するのが悪い」という話ではなく、制度に依存していながら自立支援をする矛盾に『サービス提供側』が気づいていないことを問題視しているのです⚠️
「言行不一致」を目の前で体現しておきながら、何故利用者・家族からそのサービス(提供者)を信頼してもらえると思うのか。
こうした疑問に気付いて
報酬の為に利用者に「指示」するような介護・福祉職から「どれだけヒトを愛せるか」といった『生命の価値』(精神性)を重視する介護・福祉職へと世の介護・福祉職が切り替わっていくこと
が肝心です😳
そして『自立』とは単に「自分一人でできる」という意味ではなく、
「どのような人であれ生きている時点で自立しており、『他人から見て自分の力で生きているように見えない』からといって自立していないとは言えない」
という前提の下、自分の「意思」と「選択」によってどこまで生きているかを自問することを言います。
自らを律し自らの意思で立つ為には、その基盤となる「知識」と「経験」が欠かせません。
今回テーマにした「『介護職の賃上げ』の注目点」も、その背景にある介護保険制度の知識がなければ気付くこともなく、用意された「介護職の給料が少ない」という幻に閉じ込められて利用されるばかりになります😰
そうして利用された先で起きるのが『貧しさループ』であり、「虐待」である事実が見えた時。
ここまでの話が「できたらいいな」というレベルのものではなく「やらなければ社会が成り立たない」レベルのものだと感じ取れることでしょう👨🏻🏫
何故なら、ヒトを「介け護る」為の介護・福祉職でさえ社会保障の基盤である『生命の価値』の保証ができないのであれば、「いのちが守られない社会」を助長させるのですから。
[③操られない為の「分析→検証→実践」思考を身につける]
介護・福祉職が理性と感性を用いて「自分たちの現状」と「自分たちが生み出している社会的価値」を見つめられるようになれば、見かけの数字を追う愚を起こさずに『改善』に意識を向けるようになります。
例えば給料が少ないのであれば不足分を計算して自分で稼ぐように動き出しますし、現場が忙しいのであればその原因を突き止めて現場を回すシステムをより良いものへと変えていきます。
そうして不足・不満を自分事として受け止め、解消するように動く『自立』の精神性があれば、わざわざ「介護職の賃上げ」に頼らず、操られずとも「しあわせ、ゆたか」になれるのです☺️
この『自立の精神性』を実現する為の自己分析法を「分析→検証→実践」にまとめました。
ここには
・メタ認知による「分析」
・具体と抽象による「検証」
・運動化による「実践」
について解説していますので、ぜひ御活用ください✨
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