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介護事業者は「淘汰」の嵐?!



今回はこの記事を見ていきます。


【記事の概要】



・昨年1年間の介護事業者の休廃業・解散が過去最多となったことが、17日に公表された東京商工リサーチの新たなレポートで明らかになった。

・人手不足の悪化や競争の激化などを背景に初めて500件を超え、前年より15件多い510件となった。

・昨年1年間の倒産は122件。休廃業・解散を含めると、2年連続で600社超が市場から退出したことになる。


・昨年の倒産件数は過去2番目の高水準。サービス別では訪問介護が最も多く、全体の半数以上を占める67件(過去最多)にのぼった。

深刻な人手不足、止まらないヘルパーの高齢化、長引く物価高騰などで経営環境が一段と厳しくなるなか、遅れをとって行き詰まった事業者が多いとみられる。


・倒産の理由では、必要な人材や利用者を獲得できないことなどに起因する「販売不振」が、全体のおよそ4分の3と最も多い。

倒産した事業者をみると、職員数10人未満が全体の8割超。小規模なところが大半を占めている。


・他産業の賃上げや大手の参入・事業展開が進む一方で、人件費を膨らませたりテクノロジーを導入したりする余裕のない事業者も少なくないと指摘。

「2024年は一段と小・零細事業者の倒産、休廃業・解散が増勢を強めるとみられる」と分析。


【過剰なサービスを求めた末に】



介護事業所の淘汰が進む中、2025年には団塊の世代が「後期高齢者」となり、介護人材不足が一層深刻化する、いわゆる2025年問題を迎えます👨🏻‍🦳🧑🏻‍🦳


その上で「必要な人材や利用者を獲得できないことなどに起因する「販売不振」」が倒産の大きな要因となるのは、


・介護職の「職業としてのニーズ

・利用者の「求めるサービスのニーズ


これらが共に細分化・多様化された結果ニーズに当てはめる難易度が高まり、他の産業、他のサービス事業者と比べて相対的に『質』の低下を感じてしまうのが原因ではないか、と考えられます。


職業としての介護を考える時、給料や雇用条件などの待遇を他職種と比較された場合、「頭打ち」が初めから見えてしまっている為、魅力を感じにくくなってしまいます😣


介護は『ヒトの価値』を身近に感じられる数少ない職業なのですが、そうした「数値化できない評価軸」は職業選択のニーズとして反映されにくく


大切なのはわかるけど、『私』はやりたくない


という域をなかなか越えることができません😓


また介護・福祉において「サービスの質向上」「生産性の向上」が謳われますが、介護保険制度に則る限り生活機能を満たす分には既に充分です。


むしろ利用者の自立支援・フレイル予防を実践するのであれば、主旨にそぐわない

「本来やらなくても良い過剰なサービス(おもてなし)」

を介護事業所・介護職員に求め過ぎであり、その余波として人材不足・販売不振が生まれて介護・福祉分野全体を停滞させてしまうのは自業自得と言えます😔

【人に「来たい」と思わせる】



職員にせよ利用者にせよ『人』には変わらない為、最終的にその事業所を選ぶ理由は「来たいと思えるかどうか」です。

その為「来たいと思わせる動機」を生み出す必要があり、その手段として


環境整備
地域コミュニティへの参加


これらが欠かせない上に、適切に情報発信がなされていることが求められます。

事業所の個性、魅力が外部に伝わって初めて「働きたい」「利用したい」と思ってもらえる、ということですね☺️


①の環境整備とは

・清潔さや移動のしやすさといった物理面

・事業所内の風土、雰囲気、心理的安全性の確保といった精神面

・雇用条件や利用条件といったルール面

それらが理不尽を生まないように設計されている状態を指します。


雰囲気が良くても条件が合わなければ人は来ませんし、条件が良くても場の雰囲気が悪ければ人は避けます😨

総合的な「居心地の良さ」が必要となるのです。


②の地域コミュニティへの参加は、

・事業所が地域に向けて行う活動
・地域の活動への参加

この両面を備えたものとなります。


『地域の一員』として認められれば利用者・家族の口コミから「利用したい」と言われるようになりますし、その地域に住む人から「働きたい」人も出てきます。

その為、

・事業運営に必要な物品を「安いから」と地域外から仕入れたり。

・電化製品等の修理を大手企業に頼んだり。

といった「地域にお金を落とさない」選択は、悪手中の悪手と言えます😱


そして①②を「確かに実践している」と人々に伝えるための『情報発信』に注力すること。


実践とは「相手に伝わって初めてその価値が生まれるもの」なのですから、「その場でやるだけ」では「やっていない」のと同じです🙅🏻‍♀️

「お家に着くまでが遠足です🏠」と言うのと同じで、「相手に伝わるまでが実践」なのです。


相手に伝わって初めて「関わり」が生まれ、そうして人とつながった事業所は必然的に人から「助けられる」場所となるのです🤝🏻


ですから、介護・福祉実践において『お互い様』という相互自立支援が不可欠なのです👨🏻‍🏫

【まとめ】



今回は介護事業者の休廃業のニュースを見ていきました。


どこも厳しい状況だからこそ、『お互い様』で支え合うところが生き残ります。

最早「今だけ金だけ自分だけ」でやっていけるような時代ではなく、地域コミュニティの「ヨコの連携」によってネットワークを構築しなければ振るい落とされる時代なのです。


記事の見出しに「淘汰の嵐」とありますが、個人的には『淘汰』というよりも『研磨』が合うのではないかと思います。


足りている『機能』を更に足すのではなく、『意味』を磨き上げるために削ぎ落とす

一から十まで全てを自分たちだけで行おうとせず、足りないものは周りに助けてもらう。


周りに足りない部分こそ、地域の中でその事業所がある『意味』として磨き上げられる部分ですから、それを『個性』にまで研ぎ澄ますことができたなら、人材不足も利用者不足も自ずと解決するでしょう😊


今回もここまで読んでもらい、ありがとうございます☺️



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今回の記事に共感してもらえたり、興味を持ってもらえたなら、ぜひご覧ください☺️


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