8月9日 【読了】敗者のゲーム

南トラ活動中の最中、夏休みをとって家族で長野県にやってきた。うちのチビたちをじいちゃんばあちゃんに見せるためですな。松本空港に降り立って外に出ると涼しい風が。金融不安に加えて地震に、豪雨。日本列島は40度も珍しく無くなってきていてどこに住むかという選択が大きく将来を分けていく日が来るのかもしれない。

実家に着いて、チビたちと祖父母でひとしきり再会の儀を行い、今日は家でゆっくり。母上はチビたちの嗜好をわかってくれていて、本を一通り用意していてくれた。我が家は大人も子どもも本と涼しい場所があれば暇を潰すことができるので、チビたちは思い思い手にとって早速読んでおる。金融不安ということもありワタシも普段読まない投資ジャンルを手にとってみることにした。その名も「敗者のゲーム」

初版発行2015年のベストセラーでインデックス投資の代表的教科書。早い話、アクティブな運用は売買だけを考えるとプラスマイナスゼロだが、そこには管理料や手数料などのコストがかかり、これはリターンの15%程度に達するとのこと。その点、インデックス投資は手数料が安いうえに広く分散されていてリスクが少ない。また、相場が上がろうが下がろうが不安や後悔を感じることなく淡々と定期的に積み重ねられることのメリットにも言及。これはその通りですな。個別株やテーマ型ETFを購入すると、マジでチャートを眺める時間が増えてしまう。そういった時間的・精神的コストも含めてのインデックス推しというわけです。

この本では勝者のゲーム、敗者のゲームという言葉を使っており、その概念が分かりやすくて良い。テニスプレーヤーを例に挙げて、アマチュアの得点は自分のスーパーショットではなく相手のミスによって入るのがほとんどなのだから、まずは失点を少なくしろと。どの分野においても言えることかもしれませぬな。弊業界でもそうで、どんなに長所がある人でもやはり大きな弱点があると攻められるので、自分で埋めるなり誰かに埋め合わせてもらうなり、なるべく自分の短所が見えないような工夫をすることは大事。

加えて手数料の高さに言及しているのがこの本の良いところ。同じ25年間の運用でも1%の手数料の差で大きな資産の差になってしまうことについて解説している。このあたりは解説してもらわないとわからなかったところで、NISAにしてもインデックス投資にしてもネット証券が好まれる理由なのであります。

この本の言わんとするところはとてもよくわかる。大多数の人間の興味を引く正しい投資法であることを理解し、どの程度まで自分のポートフォリオに組み込むかということではなかろうか。時間とお金の余裕は人それぞれで、個別に手を出したい人もおるだろう。年齢や求める資産額に応じてそれぞれが取れるリスクを取ればいい。ただしインデックス投資はここ最近のような暴落・暴騰局面においても心乱すことなく冷静に対応できる堅さがあり、本当に助かっている。



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