出かけてきたよ⑳(空と海と、あけのほし①)
故郷の街を発ち、橋を渡り。
ゆるやかに島を南下。
しばらくして、車窓に大きな鳥居。
そっと、ご挨拶した後。
ごくわずかな間だが、別の世界へお招きいただいたようだ。
微睡みから、車外にやさしく響く「第九」で呼び戻された。
その地は、アジアで初めて、第九の演奏がされたゆかりの地。
いよいよ、阿波の国へ。
その地から、最初の目的地まで、ずうっと。
東の空に、鮮やかな天使の梯子。
海を、街を、川を。続く光のカーテン。
また今日も、素晴らしき一日となる予感。
お会いする前から、あたたかいエネルギーを感じていた。
大切な方と、聖なる方と、合流。
なんて、嬉しいのだろう。
55号線の起点から、終点までの道中。
ポツポツと、お遍路さんだけいらっしゃる、真っ直ぐな道。
・・・お人払い、ありがとうございます。
そして、あっという間に、その地へ。
とにかく、空と海が蒼い。
大切な方と、包まれるようにしてその美しさの中へ。
平安時代初期、この地で聖なる方は、修行した。
菩薩の化身である光輝く明星を体内に迎え、厳しい行を閉じ、開眼。
洞窟の中から見た風景が「空と海」だったので、「空海」の法名を得た。
ああ、ついに。
ここへおうかがいする日がきました。
それも、1人でない。
「同行三人」。なんと有難いことか。
ここも、お人払いいただいていたように思う。
時折、お遍路さんとお会いすることもあったが、
「ご挨拶」する際は、不思議とどなたもいらっしゃらない。
いつまでも、いつまでも、ここにいたいような。
そんな、清浄しい地。
お招き、ありがとうございました。
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