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出かけてきたよ⑨(博多・門司港)

(この夏の思い出をゆっくり綴っています)
長崎から、リレーかもめに乗る。
「皆様で座れるよう、コンパートメント席にされますか?」
と、駅員さんから席を予約時にたずねられた
「ありがとうございます、お願いします✨」
どのようなものか、わからないままお願いした。(ワタシあるある)

車内に入り、自分たちの席を見つけ、歓声を上げた。
モダンで、どことなく和風な空間。
恵みの雨打つ車窓の眺めを楽しんだ。

博多に到着。この街にも、お浄めの大雨。
駅構内は、大勢の人々でごったがえしていた。
私達の後の電車は、運航を見合わせていることを知った。

昼間は、ちょこっと地下街歩き。
夜は雨打つホテルの部屋の窓から街を眺め、家族とおしゃべりする。
旅に出ると一日中街を出歩くのが常だった。
でも、こんな「お籠り」もいいものだと気づく。

翌朝、浄めの雨の中、博多駅至近のカフェへ。
「新神戸までの間、どこで寄り道しよう?’」と、家族と話す。
だれも行ったことないところがいい、と意見が一致。
小倉、新山口、広島、福山、岡山・・・、次々候補から外れていく。
すると、私はどの駅にも下車したことがあることが発覚。
これでは、寄り道ができなくなっちゃう。
ルールを変えて、新幹線駅から足を延ばして行ける街にした。

小倉で降りて、門司港へ。
駅に降り立ち、情緒あふれる街並みを見渡した。
素敵な街に来れたことが嬉しい。
駅舎は国の重要文化財に指定されている。
トイレ前にあった、「帰り水」。
終戦に大陸から引揚げて門司港に到着した人がこの水を飲み、
日本の土を踏めたと喜んだことからそう呼ばれるようになったそうだ。

私の祖母、曾祖父母は、外地から引き揚げて博多港に到着した経験を持つ。
当時の日本への帰国は、命懸け。
幸い、祖母達は、帰国することができた。

可憐で華奢な容姿でありながら、豪胆で潔い気性だった祖母。
敗戦を知ってすぐ、全ての事業と財産を現地出身の使用人に引継いだ。
それまで築いたことを、無にしないために。

過去に執着しない人だったそうだが、
かつて暮らした街に植えた桜並木のことは、話題にしていたそうだ。
思い立って、その街のことを調べてみる。
すると、現在も桜の花見スポットであることがわかった。
桜並木沿いに、韓国の人々が愛すケナリも植えられていて、
両方が花盛りになる春は、とても美しい風景となるのだそうだ。
亡くなった祖母は、そのことをきっと知っている。喜んでいるんだろうな。

ぶらぶらと、街を歩く。
いつのまにか、雨はやんで、かすかに陽が差してきた。
素敵なカフェを発見。
お店の人達のバイブスがよくて、飲み物が美味しい。
そうそう、ナッツもおいしかったよ。

ご当地グルメ、焼きカレーが食べたいと家族が言う。
水辺を眺めながら、しばし腹ごしらえ。

近くのビルの展望台へ。
門司港の街並みだけでなく、関門海峡、遠くに巌流島まで見える。
併設されたカフェも素敵。
次回はゆっくり、この街の夜景を楽しみたい。

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magenta-hikari
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