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出かけてきたよ⑥(宮島)
(この夏の里帰りの思い出を綴っています)
この夏、再訪して「この島での初めて」を様々経験した。
これまで何回も、訪れたことがあるのに。
きっと訪れるたび、新たな「この島での初めて」に、私は出会うのだろう。
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多くの方々も、そうなのかもしれない。
船が島に近づくと、いつも私は赤い鳥居を探してしまう。
あれ・・・、神社周辺に土が見える!!
干潮の時に、この島を訪れるのは初めてだ。
さっそく、大鳥居へ。真下から挨拶をすることができた。
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海に浮かぶ神社は、柔らかな表情をしていたように思う。
地面に立つ姿は、野性的。
ご挨拶を終えて、神社を後にしようとした。
すると、前の家族連れの中にいた女の子の声が聞こえてきた。
「あれえ、私達帰っちゃっていいの?しゃもじのお守り、忘れているよ。」ああ、そうだった、そうだった!と、
前方にいた人たちは社務所へ戻っていった。
私は今回、厳島神社では、何もお受けしない予定だったが。
これは「あなたも、受けていきなさいよ✨」
というサインだと気づいた。
私も前方にいた人達に続いて元に戻り、しゃもじのお守りをお受けした。
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厳島神社からほど近い、大願寺へ。
弁財天様に再会した。
明治の神仏分離まで、この大願寺は厳島神社と密接な関係があった。
また、江戸末期には勝海舟と長州藩士が会談した場としても知られている。
今回は丸一日、宮島で過ごすことにしていたので、ゆったりとお参りした。
これまで関西から、広島と宮島をセットにして日帰り旅していたんだもの💦
なんとも気ぜわしかったと、気づく。
今後はこのように、ゆっくりと旅を楽しんでいきたい、そう思った。
その後は、大聖院へ。ここはごく短時間、幼い時に訪れたきり。
今回は、初めての訪問のようなもの。
実は、下調べを全くしないで院におうかがいした。
訪れて知ったのは、ここは一日以上かけたいほどの聖域であること。
まずは仁王門の「明るい社会は合掌から」のキャッチコピーが目を引いた。
その後続く階段の手すりには、摩尼車が設置されている。
階段を上りながら車を回すと、気持ちが浄められていくのを感じる。
途中、たくさんのお地蔵さんにご挨拶。赤い帽子がかわいい。
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鐘楼堂では、鐘を突かせてもらった。
この鐘はとても古く、平安時代のものだそう。
この近くにあった「ねがい玉」を家族がしたいというので、一緒に挑戦。
ちょっと面白いので、興味がある人はぜひ体験してもらいたい。
御成門からの展望が美しい。
観音堂でだったと思う、ダライラマが祈祷したお札をお受けすることが
できて嬉しかった。
そして、堂の地下では「胎内めぐり」をすることができる地下洞窟がある。
実はこのこと自体を知らずに、階下が真っ暗である部屋?であることに
「コロナ禍があったから・・・閉鎖しているのかな??」と思ったほど。
意を決して踏み出していってよかったと、今は思う。
そこは、真っ暗闇の世界だ。
文明社会に生きる私たちは、全くの暗闇を知らない。
目が見えるのに、視界が完全に奪われると、とても不安になるものだ。
その不安な思いを抱えながら、左手にわずかに触れる壁の感触のみを
頼りに、前へ進む。
自分の感覚や想いに向き合い、研ぎ澄まされる。
「胎内めぐり」については、ネタバレになるのでここまでにしておこう。
ご縁のある方は、ぜひ堂の地下を訪れてもらいたい。
素晴らしい体験をすると思う。
広い境内の静謐さと庭園の美しさ。
数々のお堂や偏照窟の仏像様達との出会い。
大聖院は、猛暑もどこかへ吹き飛ぶほどの、清浄しい空間だった。
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