読書感想『ロード・エルメロイII世の冒険2 彷徨海の魔人(下)』※ネタバレ注意
今週読んだ一冊目の本は『ロード・エルメロイII世の冒険2 彷徨海の魔人(下)』でした。
上巻ではアキラが捕まった瞬間で終わってしまいましたので、今回はそのシーンの詳しい描写からはじまりました。
去り際のサトゥルヌスの轍を踏むなは最近(1年前くらいは最近?)あの絵の解説動画を見たので意味が理解できてうれしかったです。
今作は神を喰った三人の能力が凄まじく、空を歩いた天才雪信とアベレージワンの凛が霞んでしまうんですが、それでも今回習得した凛の能力は物凄かったですね(笑)
全属性有利を勝手に作り出して押し付けれるってのはアベレージワンにしか無理ですし、今までの作品でそこまでアベレージワンの強みみたいなもの(パラP以外)が描写されてこなかったので、ようやく最強の一端が見えたなという感動がありました。
エルメロイⅡ世のシリーズで最も素晴らしいところは『神話・伝説の解釈』にたどり着くと思うのですが、今作ほどその神髄を体感した巻は今までなかったんじゃないでしょうか。
ギリシャやエジプト、北欧、ローマのような多神教においてわりかしよく見られるのが各々に通じる神性があったり、なんなら同一視される神がいる点です。ただし、この作品ではその繋がりの対象が欧州に限られません。
前回は中国の思想魔術から仙人や仏道つながりで孫悟空が出てきました。そして今回はその中国の仏教影響と独自の八百万の神が混ざった地として日本が出てくるわけです。
そしてこの両者ともに他の宗教からの影響を受けており、今作はその影響を見事に解釈した作品でした。
ギリシャのテュポーンから、エジプトのセト、そこから中国の龍を通じて日本のおおなむちに繋がる一連の流れはこれこそFateでしか描けない神話の姿だと思います。
そしてすべてを掻き混ぜ、影響を与えた存在こそがこのシリーズの代名詞アレキサンダー大王というところが良くできてるなぁと思います。
また、今回浅からず深からずで関わった両儀家のみんなもなかなか描写がない現代で読めるのは嬉しいことです。もっと見たかったし、もっと式が活躍してほしかった……
あとがき曰く、未来福音の前らしいので未那ちゃんは彼に出会ってないわけで、この後に彼女の人生も新たな展開を迎えるということもまた面白いですね。
てっきり未来福音の後だと思って読んでましたけど、そういわれると前のほうが納得感ありますね。
というわけで今週読んだ一冊目の本は『ロード・エルメロイII世の冒険2 彷徨海の魔人(下)』でした。
このシリーズは相変わらずバトルもミステリーも神秘も素晴らしいクオリティで提供してくれます。次回の舞台はエジプトということでついに来ましたね、アトラス院。
前シリーズでズェピアが出てきたりしており、関係はありましたがここにてついに本拠地がでてくるわけですね。
型月的にも大きな意味を持つ一冊になりそうなので楽しみにしています。
それでは最後まで読んでくださった方いらっしゃればありがとうございました。
著者Twitter:まがしき @esportsmagasiki
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