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読書感想文『悲球伝』※ネタバレ注意

今週読んだのは著作西尾維新の伝説シリーズ第九巻『悲球伝』でした。
伝説シリーズも残り二巻。今回は前々作で瀕死になってしまい宇宙に行けなかった杵槻ちゃん手袋ちゃん、そしてこの二人+前々作に救助船『リーダーシップ』に残って偵察を続けている人造兵器『悲恋』(精神性は蒟蒻こと花屋ちゃん)の三人の視点で進んでいきます。

本編が救助船『リーダーシップ』内の二人、副編が『人間王国』内での手袋ちゃんと乗鞍ちゃん馬車馬ちゃんコンビが人間王と話すという二つのストーリーが交互に進んでいきます。

今回何よりも主人公たちの思考や、悩み、迷いなどが常に描かれており、ここが何より面白かったですね。ロボットとしての自我と人間の頃の思考両方をあわせもつ花屋悲恋ちゃんの閃きに囚われてしまう葛藤や罠を仕掛けたときの相手がどう出てくるのかが分からない葛藤、こういう想定しているときの難しさみたいなものはなんとなく理解できるものがありました。

そしてここまで展開が進んでも未だに結末の見えない点が速く次を読みたいと思わせてくれます。
予告でわかったように空々君一行はいちおう生きており、人間王国の火星さんは地球との再戦を始めたり、宇宙船が作られたりとすべての場面で何が起こるのか予想がつかず最終巻で何が起きるの全くつかめません。
本当に展開が複雑でそれでいて整理されている素晴らしい作品だなと思いました。

というわけでここからは少ないですが面白かったセリフを取り上げていきたいと思います。

・『努力すればきっと夢は叶うかもしれないけど、夢を見ればきっと努力するとは限らない。』46ページ
恐ろしい切れ味の文章です。自分の心もひどく傷つけられました(笑)。夢を見ているが努力はしていない人全てを傷つけに来ている文章でした。

というわけで今週読んだのは『悲球伝』でした。この余韻と勢いのまま最終巻も読み切りたいと思っていますので、読み終わったら『悲終伝』の感想とシリーズ通しての感想を書きたいと思っています。

それでは最後まで読んでくださった方いらっしゃればありがとうございました。
著者Twitter:まがしき @esportsmagasiki

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