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読書感想『短物語』※ネタバレ注意

今週読んだ本は物語シリーズ第三十巻『短物語』でした!
なんと大台の三十巻目ということで(混物語枠なら巻数に入れちゃダメかも?)大量の短編を楽しませてもらいました。

アニメ愚物語には間に合いませんでしたけど、忍物語に間に合ったのは結構大きいと思います。なにせ関連する回もありますし。

というわけであらすじです。

西尾維新がおくる青春怪異譚〈物語〉シリーズ、初となる短々編集!
初期三十三編に六つの書き下ろし短々編を加えた、三十九編の身近な物語!
 *
“人の心など、僕にとっては暗闇だ。”
忘れたい過去の記憶に魘される千石撫子。
果てなき未来にいよいよ絶望する忍野忍。
カウンセリングを試みるのは死体人形・斧乃木余接!
「なでこパスト」/「しのぶフューチャー」
 *
これぞ現代の
怪異!
怪異!
怪異!
未来過去、語り遭えるのが、青春だ。
【収録作】
ひたぎブッフェ/まよいルーム/するがコート/なでこプール/つばさソング/ひたぎネック/かれんアームレッグ/つきひエターナル/しのぶハウス/つばさボード/まよいキャッスル/ひたぎコイン/なでこミラー/しのぶサイエンス/ひたぎフィギュア/ひたぎサラマンダー/ひたぎスローイング/するがパレス/よつぎフューチャー/おうぎトラベル/するがニート/ろうかゴッド/しのぶフィギュア/かれんブラッシング/つきひブラッシング/こよみヒストリー/よつぎストレス/人として/どうかして/そして/どうして/心して/まよいウェルカム/よつぎスノードーム/おうぎロードムービー/そだちペナルティ/しのぶトゥナイト/なでこパスト/しのぶフューチャー

講談社BOOK倶楽部より

一応全三十九編の感想も用意しているんですが、とりあえずこの巻全体の感想から書いていきます。

まずなにより、『重要な話を散らばらしすぎでしょ!!』ということです。
たとえば『ひたぎスローイング』や『ろうかゴッド』などは物語の超重要な幕間の話じゃないですか!!!というか重要すぎて幕間じゃなくて本編でしょこれ!!!
コンプリートガイドブックやDVD、漫画は買っていましたけど、ヒロイン本というものがあったのか…と買いそろえる準備を始めました。

重要な話もありましたけど、それと同じくらいどうでもない他愛ない雑談回、まさに幕間のお話(『ひたぎビュッフェ』『まよいルーム』など)も今や本編ではなかなか見れない絡みや会話であり、懐かしさと寂しさを感じてしまいました。たまには昔の会話とか出してくれてもいいんですよ西尾先生。

そして初めて知ったのが読売新聞に読み切りを出していたということです。
そしてどれも面白い。名作小説をキャラが語り合うという形式で、それぞれが自分に関連ありそうな話をするという面白い企画をやっていました。
結構哲学的な話をしていたり、知っている作品が出てくるとちょっぴり鼻が高くなり、知らない作品であれば読んでみたくなる確かに新聞向けの企画だなと思いました。またやってくれないですかねこれ。

そして今回書きおろしの新作短編たち、なぜかカウンセリングをする斧乃木ちゃんと撫子と忍やなんか可愛い扇ちゃん、相変わらずロリに優しい阿良々木君など物語シリーズオフ&モンスターシーズンの各作品の隙間を満たすような良い作品だらけでした。一年ぶりの物語シリーズにしては少なかったなとちょっぴり残念でしたが、まえがきで語られているように『接物語』を書いているようなのでそちらを楽しみにすることで溜飲を下げましょう。


というわけでまとめ感想はこの辺にしておきましょう。
大体半分が読んだことがある話で残り半分が初読だったと思います(比率は1/3と2/3だったかもしれない…)。
傷物語周りとヴァルハラ結成秘話、沼地と貝木の邂逅あたりは本当に読めてよかった。絶対に読まないといけない話だったと改めて思います。

実は短物語の前に『1984年』を読み終わっていたのですが、感想を書く前にこの本が来てしまったので後回しにしてしまっているんです…
なので次の感想はジョージオーウェルの『1984年』で間違いないです。
その次は何事もなければ京極夏彦の『鉄鼠の檻』になると思います。
たまらないように頑張ります!!


それでは最後まで読んでくださった方いらっしゃればありがとうございました。
著者Twitter:まがしき @esportsmagasiki


各短編感想集

ひたぎブッフェ(化物語アニメコンプリートガイドブック)

コンプリートガイドブックは持っているのでこの話は読んだことがあるお話です。しかも好きすぎて何回か読み直したくらいには好きです。
「女の子は太るんじゃなくて増えるのよ」とか阿良々木君の体質にキレるガハラさんとか本当に好き。初期のころのこの二人にしかない魅力はありますよね。

まよいルーム(化物語アニメコンプリートガイドブック)

……全然覚えていない!!買ってるし読んだはずなんだけどな…
これ今見ると結構暗闇の発動条件踏みまくってません?迷い牛ですらなく、地縛霊(道)ですらなく、蝸牛すら見方によってはやめてるわけで、というシリアスな読み方をしてしまいました(笑)。

するがコート(化物語アニメコンプリートガイドブック)

これもうろ覚え…
二人がバスケ対決した話は読んだ気がしていたのですが、ゴスロリ衣装なんか着ていたっけ…?と宇宙猫状態でした。
今や神原も怪異から離れており、絡みが見れなくてちょっと寂しいなと改めて思いました。

なでこプール(化物語アニメコンプリートガイドブック)

何を隠そう、アニメ撫物語の章扉絵に使われていたのはこの話の撫子視点なのである!!(みんな知ってそう……)
この話強烈すぎて、しかも阿良々木君の対応もめちゃくちゃだなってので多分一回しか読んだことないのに鮮明に覚えている話。本当に衝撃的(笑)。

つばさソング(化物語アニメコンプリートガイドブック)

これも全く覚えていなかったのですが、最後のシーンに至って思い出しました。
『ふた房の三つ編みは、今も僕の部屋にあるのだった』がまさかあのドッペル羽川の回収につながるとは…
パンツのほうは本編でしたけど髪房ってこの短編だったのか、とびっくりしました。それにしても羽川さんのカラオケ聞きたいな~~。

ひたぎネック(偽物語アニメコンプリートガイドブック)

偽物語アニメコンプリートガイドブックも持っているので、そしてこの話結構好きなので覚えていた。
この二人の会話劇も最高なのだが、なにより炎姉妹(略称です)とガハラさんが実際に会ってる姿ってまだ見れてないのでファミリーシーズンでみたいな~という願望が改めて再燃しました。

かれんアームレッグ(偽物語アニメコンプリートガイドブック)

相変わらずヤベエ妹ですよ。こんな妹がいてたまるか。
月火ちゃんはブラコンって意味だとまだましに見えてしまいますね。『性行為も私ですればいい』って現代だともはや書けないのでは…
歯磨きももはや物語シリーズの代名詞になってしまいましたね。

つきひエターナル(偽物語アニメコンプリートガイドブック)

火憐ちゃんは兄好きのほうで狂ってますけど、月火ちゃんは自分好きのほうでいかれてますよね。そしてまたしても代名詞になってしまった千枚通しとともに登場。
母の日に家族を置き去りにして女を作ったって確かに最低に見える(笑)。
こういうちょっとした会話劇ですらキャラの肉付け、物語の肉付けになるのが本当にすごいです。

しのぶハウス(偽物語アニメコンプリートガイドブック)

この忍可愛すぎて読みながらにやにやしてしまった。
当たり前すぎて忘れてますけど、片っ端から人助けをしていく阿良々木君に一番もやもやしていたのは一番最初に助けられた忍なんでしょうね。
それにしても拗ね忍可愛すぎる。本当にかわいい。

つばさボード(読売新聞2013年7月6日)

読売新聞に送る短編には必ず名作が出てきます。
というわけで第一弾、アーサー・C・クラークのオデッセイ四部作完結編『3001年終局への旅』。勿論読んだこともなければ初めて知りました。
アーサー・C・クラーク先生は知ってます。「充分に高度な技術であれば、魔法と見分けがつかない。」とか名言だけでほとんど名前だけみたいなもんですが。
『インテリ』とは『自分の知能以上の教育を受けてしまった人間』と、これまた名言ですね。初めて聞きました。
哲学的な話ですらキャラにのせて描ける西尾維新のすごさ、そして内容も少し深いのがたまらないですね。

かつては策士が策に溺れたものだが、現代では知識人が知識に溺れるものなのだろうか―――練るまでもなく、権謀術数のごとく渦巻く知識に。

p68

まよいキャッスル(読売新聞2013年8月17日)

読売新聞読み切り第二弾、ルーシー・モード・モンゴメリの『青い城』。
もちろん存じ上げません。モンゴメリという名も聞いたことあるな、くらいで『赤毛のアン』と言われて「あー」となる程度の認識です。
これ八九寺が成仏する前に掲載されていたとしるとちょっと思うところがありますね。
残り一年で死ぬのなら、自分も二か月くらいは何もしないかもしれないです。でもやっぱりなんか楽しいことしたくなりそうだなと半月くらいは遊びそう。

ひたぎコイン(化物語(入門編))

そもそも刊行されていることを初めて知ったシリーズ其の一。『ひたぎクラブ』とこの『ひたぎコイン』だけをまとめたまさしく入門編らしく、まずそこに驚いた。
騙すことと欺くことは違う。言葉遊びのようですが言われてみたらそんな気もしてくる。自分もかなりの嘘吐きですが、どちらを目的に噓をついていたのやら。自分はどっちつかずの人間なんだなと思いました……

なでこミラー(読売新聞2013年9月21日)

読売新聞読み切り第三弾、ロバート・ルイス・スティーブンスン『ジキル博士とハイド氏』。名前とあらすじは知ってますが未読です……
読売新聞の投稿時期的に(内容的にも)恋物語の後、神から人間に戻り安静にしている撫子ですかねこれ。
てかここで逆撫子って名前が出てたんかい…
確かに今撫子と逆撫子はジキルとハイドをモチーフにしたのかもしれないですね。逆撫子とか暴力的ですし。
結局は自分の鏡写しが最大の理解者なのかもしれないですね。某戯言使いと某殺人鬼のように。

しのぶサイエンス(読売新聞2013年10月26日)

読売新聞読み切り第四弾、アイザック・アシモフ『わたしはロボット"I,ROBOT"』。あの映画アイロボットなら見たんですけどね…
どちらかというと斧乃木ちゃんが見栄に使った『ディアスポラ』のほうを読んでいるので、斧乃木ちゃんと違いどうどうと胸を張れます(理解は怪しいけれど)。
妖怪や怪異って人間がいてこそ、忍が南極で駄目だったように人間が滅びたらともに消えるんですかね。ロボットが跋扈する世界とは相性が悪そうです。

ひたぎフィギィア(「化物語」premiumアイテムBOX)

めちゃくちゃシームレスに商品宣伝が始まっててクスッとした。
いつになったら斧乃木ちゃん超BIGぬいぐるみ(40cm)がクレーンゲームに入るんでしょうか…憑物語の再現をしたい。

ひたぎサラマンダー(読売新聞2013年11月23日)

読売新聞読み切り第五弾、レイ・ブラッドベリ『華氏451度』。はい、当然読んでいません。存じ上げません。
本を読まなくなったというニュースが最近また一つ流れていましたが、それでも日本ってのは本を読む、読める国ですよね。自国言語で様々な本が出ているわけですし。
そういえばこの二人の絡みは恋物語以降見ることはなくなりましたけど、数年後に再開……とかないですかね。無さそうですね。

ひたぎスローイング(アニメ〈物語〉シリーズヒロイン本 其ノ伍 戦場ヶ原ひたぎ)

これ短編で散逸させていい内容じゃないでしょ……本編に掲載しないの許されないでしょこれ……
これ知らないの本当に損してた。絶対に知りたい人知らない人読みたい人たくさんいたでしょこれ。
短編なんだけどしっかり中学生の二人の性格や雰囲気が感じられて、その上引き込まれる話はひっさびさに読みました。本当に大満足。最高。

するがパレス(〈物語〉シリーズセカンドシーズン新聞広告全集[上])

新聞広告ということでほとんど読み切りですね。というわけで今回はA・A・ミルン『赤い館の秘密』。プーさんの作者なんですね。これもまた存じ上げません……
人間は何かしらに縛られないと力が出せないってのは共通だと思います。期限とか重圧とかいろいろありますけど、それを向きたい方向に発散できる人が成功する人なんでしょうね。自分なんかはやれと言われたことの真反対に力が出て行ってるような気がします。

よつぎフューチャー(〈物語〉シリーズセカンドシーズン新聞広告全集[下])

またしても新聞広告、今回はミヒャエル・エンデ『モモ』。全く知りません。『星の王子様』も名前だけは聞いたことがあるな…って感じです。
子供のころに読んだり見たりする童話系ってどうにも意味が分からなかったり、怖かったりしますけどなぜあんな小さい頃におすすめされるんでしょうね。物語の理解も感動も難しい年代でどうして?
大人になる前に名前とあらすじ、教訓あたりを刷り込みたいんですかね?

おうぎトラベル(〈物語〉シリーズセカンドシーズン新聞広告全集[下])

新聞広告其の三、ジュール・ヴェルヌ『八十日間世界一周』。勿論読んでいません。名前は聞いたことあるなと思っていたら海底二万里の人でしたか。
自分とは全く関係なくても、日本人や日本が出てくるとちょっとうれしいってのはとてもよくわかります。最近だとエミー賞を取ったSHOGUNと真田さんとかまさしくですしね。言語も立地も単独な日本はよりその思いが強いのかもしれませんね。
それにしてもこの羽川扇のコンビで怪異退治する話とか見てみたいですね~。凸凹コンビとしてかなり面白いと思うんですよ。西尾先生。

するがニート(読売新聞2014年8月16日)

読売新聞読み切り第六弾、メアリー・ヘイスティングス・ブラッドリー『ジャングルの国のアリス』……いやこれ知ってる人が何人いるのよ……
ルイス・キャロルなら最近スナーク狩りを読ませてもらいました。ディアスポラといいまさか西尾維新的ひねくれ者条件に片足突っ込んでるんでしょうか…
遠江さんが出てくると一気に哲学的な話が出てきて面白くなる。アニメ撫物語でも改めて思いましたけど、西尾維新は自分を作り上げたもの、過去をたまには思い出してやれって言いたいんですかね。たまには過去と向き合うこともいいじゃん、みたいな。
成長することで得るもの、失うもの。見えるようになるもの、見えなくなるもの。定期的に思い出すのも悪くないよね。

ろうかゴッド(アニメ〈物語〉シリーズヒロイン本 其ノ陸 神原駿河)

ヒロイン本ってめちゃくちゃ重要な短編が乗ってるんですね。本当に買い揃えないとな。
お互いに数か月後の予言をしている…
沼地ちゃんのほうは予言ですけど、貝木さんの方は預言って感じで沼地ちゃんと神原をぶつけに行っているように感じますけど。
その結果商売敵を成仏させてるんだから、やはり大人としても専門家としても一枚上をいっているんですね。

しのぶフィギィア(「偽物語」premiumアイテムBOX)

こういうのにも一個ずつ短編出してる西尾維新ってどんだけ物書いてるんでしょうね(笑)。
めちゃくちゃ可愛い回でした。ねんどろいどってちょっと高くて買わないんですけど、欲しくなっちゃいますよね。

かれんブラッシング(アニメ〈物語〉シリーズヒロイン本 其ノ漆 ファイアーシスターズ)

大問題作でしょこれ(笑)。急に物凄いものを読まされた(笑)。
ノリノリの阿良々木君が上裸の火憐ちゃんに歯科医師っぽいことをする内容をこんなに気持ち悪くかけるんだ…(笑)
妹に上裸で歯磨きの上位互換するってめちゃくちゃ悪化してるじゃん。しかも定期的に胸を触るってずば抜けてアニメ化できない作品だよこれ……

つきひブラッシング(アニメ〈物語〉シリーズヒロイン本 其ノ漆 ファイアーシスターズ)

ヒロイン本には重要な短編が入ってるんだと言いましたが、すでに裏切られました。ブラッシングはブラッシングでも火憐ちゃんの歯ブラシと違い、月火ちゃんといえば髪、いやうまいけど……
なんで美容院っぽいことを上裸の月火ちゃんにノリノリでやる阿良々木君とかいう気持ち悪いものを書けるんだ(笑)。やっぱり上裸にして胸揉んでるし、これもアニメ化は無理だろうな…
それにしても二編ともノリノリな忍はめちゃくちゃ可愛い。
ただ、この二編は短物語で最も気持ち悪かった(笑)。

こよみヒステリー(MADOGATARI展 図録)

化物語と傷物語の大きさをこの短い文章の中から感じる。
たまには初心を思い出してもいいじゃんかって。

よつぎストレス(アニメ〈物語〉シリーズヒロイン本 其ノ捌 斧乃木余接)

これも結構貴重な幕間ですよね…ヒロイン本でも温度差が大きすぎない?
ストレスの権化とストレスを感じない感情の無い怪異同士のご対面、まあどちらも極端なのはよくないってことですね。
ゲームなんかは自分もよくやりますし好きですが、あれこそまさしくストレスを楽しんでいるわけで。するがパレスじゃないですけど、縛られることで発揮できる力もあり、その縛る力の一つにストレスもあると思います。
まあ自分はたいていのストレスは寝たら消えるんで苦労しないんですけどね。

人として(映画[傷物語]ビジュアルブックPART2)

傷物語で描写されている限りでは、ドラマツルギー・エピソードと違いTHE・悪役で出てきているギロチンカッターですが、ここで描かれている彼は傷物語において最も人間の味方である姿でした。
正義の狂信者であり、そのためには己すら道具であるという徹底ぶりには感服しますし、忍が覚えているだけの男だったわけですね。
……てかこれ読まないとギロチンカッターという男が結構誤解されていると思います。まあ阿良々木君視点の物語なので仕方ないんでしょうか。
人間の敵になった二人と対照的に、作中徹底して人間の味方だった男、まさしく傷物語を描くうえで最も重要なキャラですね。

どうかして(映画[傷物語]ビジュアルブックPART2)

この物語がどういうお話だったのかと聞かれたらこの羽川さんのセリフが最適だと思います。

阿良々木君は何も悪いことをしてないのに。
見捨てられなかっただけなのに。
諦められなかっただけなのに。
助けようとしただけなのに―――助けられなかっただけなのに。

p200

受けた被害の大きさは人間が一番多いし、受けた損害の大きさは吸血鬼が一番多いだろうけど、なぜか彼が一番多くの罰を受けた。

p200

この『どうかして』と『人として』を読むと改めてこの物語の傷について考えさせられる。

そして(映画[傷物語]ビジュアルブックPART2)

ドラマツルギーが阿良々木君と会うと、一年でどれだけ阿良々木君が人間側に、精神も含めて戻ってきているかが感じられる。
これはまさしくガハラさんの功績だし、あの作品だとガハラさんにしかできないことだろう。
対照的に羽川さんは大変なことになり、なっていくわけですが…
これがアニメ化されることはないだろうけど、されたら江原さんのにゃん口調が聞けるんですか?ちょっと気になります。

どうして(西尾維新祭2016 SPECIAL FANBOOK)

メメって本当にお人よし。本人はクールに冷徹にやりたいんだろうけど根っこが邪魔をしているんじゃないかってくらいずっとお人よし。
この短編は言葉遊びが多いですね。メメの一人語りだからかな?

心して(映画[傷物語]COMPLETE GUIDE BOOK)

超久々に読んだことがある短編が来た…
阿良々木君が埋めたキスショットの心の空白ってのは本当に数百年物の穴を埋めたわけなんでやっぱり物凄い大偉業だったわけですね~。
この三人は傷物語だとかわいそうな感じでしたが、『心して』なども含めると報われたような気がしますね。

まよいウェルカム(書きおろし)

忍物語の放映に間に合って本当に良かったって内容でしたね…
ちゃんと八九寺に挨拶しに来るあたり礼儀正しい吸血鬼ですね。こういうところがスーサイドマスターのかっこよさを引き立てる(忍だとかっこいいシーン少ないですしね)。
思い出の中のあの人と違って幻滅することって大なり小なり誰しもあるとおもうんですが、どっちが悪いってわけでもなくやるせないですよね。
ただ、変わってしまった事が分かっていたとして、勇気を出して会うのか思い出の中にとどめたくて会わないのかは人次第ですよね。
自分はどっちかというと会う方です。年取った姿が見たい。

よつぎスノードーム(書きおろし)

憑物語の後日譚でしょうか。これから阿良々木家という化け物の巣窟に潜入することになる斧乃木ちゃんへのささやかな歓迎会(公園にかまくらってささやかか?)
これってかまくら作って人形遊びする青年って図なのか、かまくらで奇抜童女と遊んでる図なんでしょうか。どちらにしてもギリギリ…
斧乃木ちゃんはもはやメインキャラですよね。可愛いしアニメだと映像と声によってより可愛くなってますね。

おうぎロードムービー

珍しい可愛い扇ちゃん。卒業後だと続終の前か後どっちなんでしょう?
後だとしたら扇くん・ちゃんって切り替え可能なのかな?
九月は四作も劇場で映画を見ましたし、今はディズニープラスでマーベル作品を見てますけど、やっぱり映画館の体験ってのはどこで見ても越えられない体験だなと改めて感じました。
それにしても腕枕する扇ちゃん、見たい…

そだちペナルティ(書きおろし)

仲が悪いもここまでこじれるともはや中はいいのでは……?
人間強度が下がるからっていう伝説のセリフももはや黒歴史ですね。速攻で否定できるようになった阿良々木君はやはり成長なのでしょうか?
そのうち大学生組、特に阿良々木君、命日子、老倉さんあたりのトリオでミステリーに挑む話とか見てみたいな~。

しのぶトゥナイト(書きおろし)

こういうただただほっこりする短編からしか得られない栄養がある。こういうのでいいんだよ、こういうので。
ファミリーシーズンのどこかでアメリカ編とかあるんでしょうか…?
あそこ怪異とかいるのか?お化けなんかよりよっぽど人間のほうが怖そうなエリアだと思いますが…
物語シリーズはいつまで続くんでしょうね。阿良々木君は何歳まで主人公をやってくれるのかな?

なでこパスト(〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン 公式WEBサイト)

斧乃木ちゃんカウンセラーごっこ其の壹。今回のお相手は撫子です。
撫子って確かに中学生としてはありえないぐらいの経験をしてますし、中学生じゃありえないくらいの失敗もしてますけど、流石に過去を見すぎ、気にしすぎな気が最近してきました。
まだ中学生なんだし、結構適当に生きて過去なんて振り返らない!くらいでいいと思うんですけどね。
自分なんかいつになったら過去と向き合えるのか、向き合うのか見当もつきません。

しのぶフューチャー(〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン 公式WEBサイト)

斧乃木ちゃんカウンセラーごっこ其の貳。今回のお相手は忍です。
この二人もなんかお互いに丸くなりましたよね。
やっぱり化け物だからスイッチが入ったら人間も怪異も殺せるんでしょうけど、もうそんな気がしないくらいにはふにゃってますね。阿良々木君パワーは偉大。
六百年生きるってのは退屈なんですかね~。個人的には二百か三百年くらいは生きたい派です。


いや、思ったより長くなってしまった…
それではまた。


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