ケーサツとか認知症とかおっさんとか若者とか子育てとか。後編。
早朝散歩してたら徘徊系迷子のお婆さんに出会っちゃったっていうお話の後編。
↑前編はコチラ。
「息子のところにいくの。」
「息子は駅の近くに住んでるの。」
「東京は1週間お天気。」
を繰り返す徘徊系お婆ちゃんの◯◯さん。(名前聞いた。)と、大通りでケーサツが来るのを待つ。早朝の高尾は気温が1桁台だ。「◯◯さん、寒くない?あったかい飲み物でも買ってきましょうか?」と聞いてみたけど、「ツバが出るから大丈夫。」との事。よくわからないけど大丈夫なんだ。と思った。
ケーサツはなかなか来ない。道端で佇む後期高齢者と前期中年女。話が盛り上がらない。向こうのほうから見覚えのある車がやってくる。夫だ。夫の車が通り過ぎる。「◯◯さん、あの車、わたしの夫なんですよ。」と、夫の車に向かって手を振ってみた。◯◯さんはシカトだ。ンーともスーとも言わない。人の旦那には興味がないようだ。
110番してから15分。◯◯さんがソワソワと動き出す。「駅に行きたいのよ。」「何を待ってるの?」と言い出す。変に騒ぎ出されても困るし、「お巡りまだかよ!」とわたしも焦る。焦りながらも◯◯さんにテキトーな話をフリつつ、もっかい110番する。
「さっき電話した者なんですけどまだですかね?!」
と言ったところで向こうのほうからパトカー到着。あーーーーーーよかった。。。
来てくれた警察官に事の顛末を伝え、わたしの名前を聞かれたので彼が持っていた紙とペンを受け取り名前、住所、連絡先を書いた。わたしは苗字がややこしいし、こーゆーのは口頭でやりとりするより本人がサクッと書いた方が手っ取り早い。
あとは警察がなんとかしてくれるだろう。そう思って◯◯さんに別れを告げた。「じゃあ、◯◯さん、またね。息子さんに会えるといいね。」と言った。
家に戻ろうと歩きながら、「またね。って言ったなー。。。」と思っていた。なんで "またね" って言ったんだろう。って、考えても仕方ない事を考えてしまう。無意識に、ノー検閲で口から出ただけだけど。
◯◯さん、ほんとに息子さんに会えたらいいな。と思っていた。でもきっと警察官はホームに戻すんだろうなーとも思った。でも、◯◯さんのバッグの中から息子さんの住所とかわかるものが出てきて、息子さんが迎えにきてくれたりするといいなーとか思っていた。ひとつ心残りなのは、◯◯さんに、今住んでるホームはいいところですか?って聞けばよかったなと思った。あくまでわたしの妄想だけど、ホームがツラくて出てきた。とかじゃないよな、◯◯さんに親切にしてくれるホームでありますように。と祈る気持ちもあった、けど、だからといって何ができるわけでもないのにな。と、自分の祈る気持ちに「偽善者」の影をみた。
わからないけど、わたしはなんとなく人より多く110番通報をしているような気がしている。
先月はおっさんが若者の髪の毛を掴んで怒鳴り散らしている現場に出くわした。離れた場所からも何事?!と思うほど、菅原文太か山城新伍が乗り移ったのかというほどにすごんでいた。若者相手に。2人いた若者は大声も出さずただ立ち尽くしていた。何があったかはわからないけど、大人が子供に怒鳴り散らすのはよくないし、髪の毛を掴んでいるので暴力だ。見過ごすわけにも行かないけど、割って入る勇気もない。こういう時こそケーサツカモン。看板の影に隠れて110番する。ケーサツを待ってる間に若者は釈放されどこかへいなくなったけどおっさんはまだその辺をウロウロしていたのでケーサツはおっさんに職質していた。
育児放棄で家の子供だけで暮らしてた家でボヤ騒ぎがあったり、大きな公園の生垣から、「犬神家?!」と見まごうほどに両足が突き出ていたり(酔っ払いが逆さまに倒れて寝てたんだけど、死体かと思ったよね。)路線バスが煽り運転の軽自動車に絡まれてあわや大惨事の現場に居合わせたりして110番する事が多い。
多いのだけれど、この人たちの結末を知る事ができなくて非常に消化不良を起こしている。
◯◯さんは無事に息子さんに会えたの?
怒鳴り散らしてたおっさんはなんだったの?
あの子たちは今どこで暮らしてるの?
犬神家はもう逆さまになってないの?
煽り運転はなんで煽ってたの?バカなの?
次の人(ケーサツ)にパスするしかできない事だったけど顛末が知りたい。知る権利はない事ではあるけれど、気になる。知りたい。他人様の人生を知りたいなんてはしたないと思いつつ、関わってしまった人たちのその後が気になりすぎてしまう。
おわり。