1年前の景色。
散らかった部屋と、窓の向こうの爽やかな青空とのギャップ。
片付けは苦手だ。
どこから手をつけよう…と考えるけれど、色々な物が散乱しているからか、気が散ってあまり頭も働かない。
そういえばなんだか体も重いし、疲れが溜まっているのかもしれないのも事実だったけれど。
今はとにかく、気持ちが沈んでしまうのが嫌だった。
こういう時はもう何もしないか、少し無理矢理動いてみるに限る。そう思い、よし!と目に付くところから片付け始める。
音楽を聴きながら。
私は特にアイドルファンというわけではない。だけど、例えばこういう時にはなんとなくSMAPを聴く。
そうして改めて、曲や、彼らの持つ力の大きさに圧倒される。
子供の頃から当たり前に「アイドル」といて日常にいて、色々な場面で見てきた。だからだろうか、なんというか、曲がとても力強いのだ。
単純に元気になるだけではなく、ダメな自分も不器用な自分も、それはそれでいいんだと思える。大きな力で優しく包み込んでくれるから、また前を向ける。
そんな力があるような気がする。
音楽自身の力ももちろんあるけれど、彼らが歌うことに、何より大きな意味と説得力があるんだろうな…なんてことを考えながら。たまに動かす手を止めて、聴き入ったりしながら。
少しずつ、体が軽くなる。
そして、きっとたくさんの、本当にたくさんの人が同じように、何度もこの曲に励まされてきてるんだろうなぁ…なんて、そんなことまで想像してしまう。
胸がぎゅっとなって、なんだか泣きたくなってしまう。
すごいなぁ、と本当に思うのだ。
言葉ではとてもじゃないけれど表せない、大きなあたたかい何かが、そこにはちゃんとあるのだ。きっと。
もちろんたくさんのアイドルがそうなのだろう。
たまたま今、私が選んだのがSMAPだった。
明日はまた別の音楽に背中を押されるのかもしれないし、他のことに支えられるのかもしれないけれど。
アイドルって本当にすごいなぁと思いながら、少しだけスッキリした棚の上を見る。
…今日はここまででいっか。
そう思い、ふっと大きく伸びをした。
気付けば気持ちがずいぶんと軽くなっていた。