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どじょうと金魚 3000万で色を買う

 ネットの買い物はクセになる。楽天スーパーセールで以前はずいぶんお金を使った。本当に必要なモノならともかく、あってもイイかな程度のモノにも野放図に手を出し家の中はごちゃごちゃした。「買えばお得」「買わないと損」的なゲーム感覚があった。
 
 粋な英語の看板を見つけた。

Today's special
  Buy one BEER for the price of TWO and receive a second BEER ABSOLUTELY FREE!!

ビール一杯に二杯分の金を払えば二杯目は完全無料になるよ。

 Today's specialでもなんでもないのだが、実際アメリカではこれで店が賑わう、らしい。ホントか?とも思うがどこか牧歌的な看板だ。

 本日、予定が空いた。ネイルに行きたい、爪をきれいなデザインで飾っているひとを見るととても羨ましい。先日も白いネイルの上に銀の星を散らした爪を見た。女らしいほっそりとした指の先端、ネイルのマットなホワイトが滑らかな宝石のように輝いていた。
 指にうっすらと産毛がある。以前より薄くなったがまだ、ある。さらに私の指はずんぐりむっくりしていて少しも色っぽくない。

 色っぽい。
 個人的にこれは女の大切な指標のひとつだと考える。男を意識に置いて色っぽさを追求するとどこか俗っぽい。
 「男の視線などどうでもいい、自分がいかにきれいに装えるか、結果、色っぽくいられるかが大事なの」
 などと、豊満な胸と丸い尻、引き締まった腰、ふくらはぎ、足首を見せつけ、偉そうにそう述べてみたい。ジェニファー・ロペスの20代から現在に至るまでの変遷をネットで見たあとの感想だ。

 学生時代。
 サークルの先輩が「可愛くない子が可愛くなろうと頑張って努力しているのが可愛い」と言っていた。女の子を理解している風に聞こえるが単なる小僧の背伸び発言だと今なら微笑ましく思える。当時の私は可愛くない上に可愛くなろうと頑張る方法もわからない哀れな大学生であったので、先輩の発言を心の奥でバカにしていた。

 18のころ、20歳はずいぶん大人に見えた。20歳から見る25歳、30歳は人生の先輩だった。61の今、18も20も25も30もたいして変わらない。みな等しく「若者」だ。
 80半ばの老婦人が「40代はまだねんねよ」といっているのを聴いたことがある。彼女にとっては40代の自民党総裁候補などおむつがとれない赤子にしか見えないのかもしれない。恰幅がいい肥えた肉体を揺らし、彼女は80代女性らしいしわがれた声で「中国ドラマがおもしろいわよ」といっていた。自分は韓国ドラマと中国ドラマの区別がつかない。のみならず両方とも見たいとは思わない。

 68歳の野田佳彦氏が「どじょうは金魚の真似は出来ない」と言っている。世襲の金魚(自民党世襲議員のことだろう)にはかなわない、どじょうはどじょうらしく泥臭く働く。と言いたいらしい。
 野田さんがどじょうかどうかは別として、この「どじょうと金魚」という比喩はひどく昭和の香りがする。現Z世代には届かないだろう。

 紀州のドン・ファン事件で一躍有名になった元妻が事件前、別の男61歳から約3000万円をだまし取ったとされる記事を読んだ。この61歳の男性は滅茶苦茶年下の女の色香を3000万で買ったに過ぎない。今さら、だまされたはないだろうと思う。人生を金と色に費やす。私はそれを意味のないこととは思わない。金にも容姿端麗にも縁のない自分には遠い世界だが、色と金うずまく中をさりげなく生き延びる男女をどこかで羨ましく思う部分はある。が、遊ぶなら「きれいに」遊ぶ方が粋じゃないか?
 あとになって「だまされたから訴える」。これは見苦しい。

 ちかごろ。「書く」が遊びになっている。むかしは「書く」は自分に与えた足かせだった。遊びの時間はそろそろおしまい、これからスペイン語に取り掛かる。スペイン紙エル・パイスを斜め読みしている。エル・パイスはスペインでは中庸をゆく新聞だ。右と左の対立が激しいこの国では、右の新聞、左の新聞、中庸の新聞の区別が比較的はっきりしている。
 近頃の日本、右と左の新聞内容はどの程度ズレているのだろう?
 そうだ。朝日と産経を毎朝比較読みしよう!思いついたのは2年前、いまだに思いつきは思いつきのままだ。 
 
 
 

 
 
 

 

 
 
  

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