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気候変動と健康のつながりとは?〈サステナ学習帳#50〉

気候変動は、私たちの生活にさまざまな影響を与えているが、健康への影響も深刻なものだ。今日は、気候変動が私たちの健康にどのように関わっているのか、そしてそれがどの地域にどんなリスクをもたらしているのかを確認したい。

【気候変動による直接的な健康リスク】

気候変動は、猛暑や寒波、台風や洪水といった異常気象を引き起こし、これが直接的に私たちの健康を脅かしている。日本でも、夏の熱中症患者が増加しており、高齢者や体力の弱い人々にとって命に関わる危険なリスクだ。熱中症による死亡者は、2000年の207人から2022年には1,477人に増加し、約7倍となっている。また、気候変動による災害が増加することで、負傷や病気のリスクも増大している。

【間接的な健康リスク】

気候変動は、農業や水資源に影響を与え、食糧不足や感染症のリスクを増加させる可能性がある。気温の上昇によって、世界の特定の地域ではマラリアやデング熱などの感染症の拡大が懸念されている。IPCCによると、2100年までに気温が3℃〜5℃上昇すると、マラリアの年間感染者は世界で5〜8千万人増加すると予測されている。また、WHOの報告によれば、2030~2050年の間に気候変動が原因で年間25万人が死亡すると試算されている。この死亡者には、栄養失調、下痢、熱ストレス、そしてマラリアが主な原因とされ、影響を最も受けやすいのは、医療インフラの脆弱な地域だ。

【気候変動とメンタルヘルス】

自然災害や気候変動に伴う環境の変化は、精神的な健康にも影響を及ぼす。災害を経験した人々は、トラウマや長期的なストレスに苦しむことがあり、気候変動に関連した新しい精神的ストレスの形も注目されている。このような問題に対処するためには、社会全体での支援が必要だ。

【まとめ】

気候変動による健康リスクを理解し、私たち自身の生活でできる対策を考えることが重要だ。熱中症対策や災害への備えなど、自分や家族の健康を守るための準備を進める必要がある。また、気候変動対策を促進するため、地域の活動や政策提案に積極的に参加することも有効だ。しかし、個人の努力だけで気候変動を食い止めるのは難しく、社会全体での取り組みが求められている。

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