第一三共ヘルスケアのおくすりシート回収プログラムの成功と循環モデルの展望〈サステナ学習帳#62〉
第一三共ヘルスケアは、使用済みのおくすりシートの回収プログラムを全国で展開しており、テラサイクルとの共同取り組みでその回収量が着実に増加している。おくすりシートは通常、家庭ごみとして廃棄されるが、第一三共ヘルスケアはこの廃棄物を資源として再活用する循環型モデルを推進している。本日は、この取り組みがなぜ成功しているのか、その背景と循環モデルの展望について確認したい。
【回収プログラムの概要】
このプログラムでは、全国に60箇所の回収拠点を設け、薬局や一部の店舗に専用の回収ボックスを設置し、使用済みのシートを回収する仕組みを提供している。使用済みシートを持ち込むことで、プラスチックとアルミニウムをリサイクルすることが可能になる。回収されたシートは、提携するリサイクル業者によって分別・再生され、循環型社会の構築に貢献している。
【回収量の実績】
2023年度には、当初の目標量を大きく上回る108万枚(1トン超)の使用済みシートが回収された。この成功の背景には、薬局や店舗での回収拠点設置や、テラサイクルとの連携により市民が気軽にリサイクル活動に参加できる環境が整ったことがある。また、第一三共ヘルスケアは広報活動や啓発キャンペーンを通じて、市民の意識向上を図り、協力を促進している。これにより、多くの市民が積極的に参加し、回収量の増加に貢献している。
【リサイクルの仕組みと環境への貢献】
回収されたおくすりシートは、リサイクル業者によってアルミニウムとプラスチックに分別され、再生資源として活用されている。アルミニウムは再び金属製品の原料として使用され、プラスチック部分も再生プラスチックとして製品化されている。このプロセスにより、資源の有効活用が進み、廃棄物の削減や温室効果ガスの抑制にも寄与している。
【今後の展望と他地域への展開】
このプログラムは、他の都市でも適用可能な成功事例として注目されている。特に、地方都市や中小規模のコミュニティでも、回収システムやリサイクル技術が整備されれば、同様の取り組みが拡大できる可能性がある。また、今後は回収ボックスの設置場所の拡大や、さらなる啓発活動を通じて回収量の増加が期待されている。
【まとめ】
これまでゴミとして捨てていたおくすりシートが、資源として生まれ変わるのは魅力的だ。ただし、回収ボックスに混入する異物の除去コストや、様々な種類のおくすりシートの効率的なリサイクル方法の確立など、まだまた課題は残っている。これらの課題を乗り越え、さらなる発展に期待したい。