「肩が動かん……」~気付きの重要性
「肩が動かん……」
それはある日突然やってきた。
Aさんは50歳の女性。
デスクワークをひと段落させて、何かをとろうと手を伸ばそうとしたら、
「え?肩が動かん……。え?なんで?このままもう駄目になってしまうのでは……」
Aさんは早速病院へ。
しかしドクターは一言「うーん、よく分かんないね」。
湿布と痛み止めが処方されて終わり。
途方に暮れるAさん。
そこでお友達に相談されたところ、「W-GYMのトレーナーさんに相談してみたら?」
すると……。
今回お送りする内容は、私が代表を務めているパーソナルトレーニングジムW-GYMの契約トレーナー向けに行った研修会で取り上げたことの抜粋です。
同じ内容を私が主宰を務めている運動指導者向けのオンラインサロンCRACKでもご紹介していますが、note用に一部加筆修正しています。
また個人情報保護の為、実際の事例とは少し異なる内容に書き換えていますので、予めご了承ください。
身体調整プログラムで改善!
運動不足状態でパソコン仕事、最近ハマったアイドルの動画をご家族には内緒でこっそりスマホ鑑賞する日々を送っておられるとのこと。
こちらの女性のセッションを担当したパーソナルトレーナーは、W-GYMでご提供している身体調整プログラムを試みました。
すると無事に肩が動くようになったということですが、こういう事例は少なくありません。
どんなプログラムかは企業秘密ですが、簡単に言うと身体の状態を本来あるべき姿に整えるというものです。
これで全て善くなるとは言えませんが、かなり身体が楽になる人が多い人気のプログラムです。
しかし、いくら優れたプログラムとは言っても、身体調整プログラムは一過性のものでしかありません。
また同じ轍を踏まぬ為にはどうしたらいいでしょうか?
問題解決する為には?
何はともあれ私たちの仕事は「問題の解決」の為にあります。
どこかが痛いとか調子が悪いとか、パフォーマンスが上がらないとか、ありとあらゆる問題に立ち向かうことになるわけですが、その問題の根本について私たち指導者だけが理解していても仕方ありません。
その問題を学習者自身が理解する必要があります。
偉そうな言い方になってしまいますが「理解させること」が私たちの仕事と言えます。
今回の事例で言えば、恐らく問題は運動不足であること、パソコンやスマホの画面を見過ぎていることが問題でしょう。
またかなりの「ネガティブ思考」の人で、アイドルの動画を大画面ではなくこっそりスマホで見ているのも、ご家族に「おばはんが何こんなもんにハマってんねん」と言われそうだからという理由らしいです(実際に言われたわけではない)から、そういう性格も大きく影響していると考えられます。
運動不足であるという問題を理解させることはそれほど難しくありません。
というかそれはさすがに出来ないと仕事にならないでしょう。
「何でもいいからこまめに身体を動かすようにしましょうね」
「そうすると楽になりますよ」
ということですですね。
しかし、性格の問題を「性格の問題です」と言うのは少々辛辣ですし、そんなド直球に言ったら余計にネガティブが加速するでしょう。
ではどうすればよいでしょうか?
「気付き」の重要性
「肩が動かなくなった?それは気付けて良かったですね」と言うのが私からの提案です。
以下、ちょっと胡散臭い自己啓発本みたいな言い回しが続きます。
痛みや不調というのは身体からのサインです。
つまり「気付き」。
この方の身体はこれまでも幾度となく何かしらのサインを発していたはずです。
聞くところによるとやや肥満ですからそれもサインです。
でもこの方はそれによって「気付き」を得ることが出来なかった。
でも今こうして「気付き」を得られたわけですね。
「おめでとうございます」ってなもんです。
「教えてくれてありがとう」
「今までよく頑張ったね」
サインを発した身体に感謝と労いを伝える。
この流れで取り組めば「ネガティブワード」を使わずに話が出来ます。
学習者自身が、全ては物事の捉え方の問題だったとの「気付き」を得られるように仕向けるということです。
この方の場合、後は習慣化のテクニックをお教えすればよいでしょう。
「if then思考」はかなり役に立ちます。
「(もし)1時間画面を見続けた(ならば)一旦席を外す」という様なことですね。
最初は簡単なルールを設定すればよいと思います。
運動に関しては先述の通り。
せっかくなので胡散臭くまとめますが、私たちがこれからも引き続き「愛と感謝」に満ち溢れた運動指導ができるように強く願うことが、問題解決の為には重要なのかもしれません。
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