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箱根駅伝2024-25「負ける気がしねぇ」シリーズ

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2021-22は「男になるのはお前だよ」、2022-23は「パワフルパワー」、2023-24は「前人未踏」シリーズでした。 箱根駅伝2024-25「負ける気がしねぇ」シリーズで行…
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2023年3月の記事一覧

酒井俊幸「耐えて勝つ」

酒井俊幸「耐えて勝つ」

監督就任から早くも14年で、3度の総合優勝を経験してきた酒井俊幸監督をもってしても、今シーズンの東洋大学のシード権は極めて難しいものとなってしまったようだ。

連続シード獲得こそ成し遂げた今季だったが、本来見せてきた「無慈悲なまでの強さ」を感じられなかったのは酒井監督自身に耐えるときが訪れているからなのかもしれない。

就任1年目での総合優勝華々しい実績が1年目で「転がり込んできた」といってもよか

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櫛部静二「学問」

櫛部静二「学問」

箱根駅伝の監督には様々なキャラクターや面白い経歴をたどる人が多くいる。例えば大八木監督に原監督、他にも帝京大学の中野監督。20人も監督がいれば20通りの「人間ドラマ」や「キャラクター」が多く存在しているのだ。

その中でも城西大学の櫛部監督は極めて異色な存在と言える。陸上部の監督でありながら運動生理学の研究者としての側面も持っているのだ。

当然、原監督をはじめとした各大学の監督の中には大学教授と

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榎木和貴「優男の眼光」

榎木和貴「優男の眼光」

レース中、大八木監督のように大きな声を出すわけでもなく淡々とそして選手に刺さる言葉で鼓舞を続ける。それが榎木和貴監督だ。
目の奥を見れば、選手たちのことを厳しくそして暖かく見守る。決して叱り飛ばすことはせずとも、淡々と冷静なその様はスタンスや競技こそ違えどかつて中日を指揮した落合博満さんにも通ずるところがある。

すでに実績については言うまでもない。就任1年目で下馬評を覆しシード権獲得を達成し、2

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坪田智夫「橙魂特急」

坪田智夫「橙魂特急」

「オレンジエクスプレス」。オールドファンであれば一度は聞いたことのある法政大学の異名だ。その中心にいた選手の一人こそ、現監督である坪田智夫さんだ。

高校時代名の知れた選手が必ずしも入ってくるわけではなく、むしろ前々回大会ではシード権獲得も厳しいのではないか?という私の予想を覆し、最終10区で見事にシード権獲得を獲得。前回では一時は3位を争う大健闘を見せた。

令和のオレンジエクスプレスを作り出す

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花田勝彦「臙脂の矜持」

花田勝彦「臙脂の矜持」

青天の霹靂、といったら語弊はあるかもしれない。しかし、少なくとも花田勝彦監督の就任は遅かれ早かれ期待されていた…というのは事実ではないだろうか。

前任者であった相楽豊チーム戦略アドバイザーも残る中、しかし優勝から10年以上遠ざかりそして前回大会ではシード落ちしたかつての名門はどのようにして再び復活したのだろうか。

相楽豊アドバイザーの「遺産」とは前任監督であった相楽さんは監督としては2度のシー

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