インドネシア料理のご紹介【ソト】 ご当地ソトを楽しむ
バソ、サテの次はわたしが2日に1回は食べる定番のインドネシア料理、ソトアヤムのご紹介をさせていただきます。
ソトとはスープの意味、アヤムは鳥の意味なので鳥スープです。
今回はソトアヤムだけでなく、ご当地ソトについてもご紹介します。
ジャカルタならソトブタウィがあり、バンドンにはソトバンドゥン、スラバヤにはソトスラバヤ、マドゥラ島にはソトマドゥラ、ラモンガンにはソトラモンガン、マカッサルにはソト(チョト)マカッサル、カリマンタン島にはソトバンジャール、スマトラ島にはソトメダン、ソトパダンもあります。
日本のご当地ラーメンみたいに、スープや具が様々でとても興味深いです。
基本的にソトはソプあるいはスプに比べスープが濁っているのが特徴です。
また、ご当地ソトでいえば牛肉派が多数を占めています。
1. ソトアヤム(Soto Ayam)
まずは基本中の基本からいきます。インドネシアに旅行に来れば、メニューで頻繁に目にするはずです。
具材はお店によって様々、地域によって変わるのですが、典型的なソトアヤムの材料をご説明します。
- 鳥肉を繊維に沿ってほぐしたもの
- 春雨
- ジャガイモ(ポテトチップスを振りかけるバージョンも)
- ゆで卵
- トマト
- キャベツの千切り
- セロリの葉
- バワンメラのチップ
- ライム
作り方を見ていると、お椀に材料を入れてからスープをかけていました。
一緒に煮込んでいるのは香辛料くらいです。
スープは鶏ガラをベースにカレー粉を入れたものです。なのでちょっと黄色い色をしています。
そしてライスがセットで付いてきます。ソトアヤムの料金の中にライスが含まれているということです。
ライスにスープをかけて食べるのがインドネシア人の食べ方で最高に美味しいです。わたしはスプーンにご飯をすくってからスープに浸して食べるようにしてます。
わたしの感覚だと20,000ルピア(200円)行かないくらいが普通の価格です。わたしがよく食べる店は寮の近くの店が17,000ルピア、大学の近くの屋台が15,000ルピアです。
寮の近くはちょっと高いですが、鶏肉の量が多めなのでお得感はあります。
インドネシアには珍しい油を使わない料理で、野菜も取れ、栄養バランスが良いという長所も兼ね備えています。
2. ソトダッギン(Soto Daging)
ソトアヤムの次によく見るソトです。
ダッギン(Daging)というのは肉という意味です。ソトダッギンの場合、ほぼ100%牛肉で、かつ内臓肉なしの牛肉だけのソトになります。
スープについては様々で、基本的にソトアヤムのスープに左右される印象があります。
例えば、わたしのよく行くソトアヤム屋は、ソトブタウィのような白いスープに鶏肉を入れるのがソトアヤム、牛肉を入れるのがソトダッギンです。
大学の近くのソトアヤム屋は、ソトアヤムのスープに牛肉です。
なので見た目はソトアヤムのように見えます。
味は好みが分かれるところと思います。
わたしの個人的な感想を言わせていただければ、ダッギンにする場合、ソトではなくスプの方があう、と思います。
スプダッギン(SupまたはSop Daging)は澄んだコンソメスープに具材がソトアヤムと同じです。牛肉はとても合います。細かく裂いた鶏肉よりも合う気がします。
3. ソトラモンガン
ソトアヤムといえばソトラモンガンの味と言って良いほど、インドネシア全土に浸透しています。日本のラーメンで例えると「中華そば」にあたるような基本系になります。
ソトラモンガンとメニューに書いてあることは稀なので、みな気づかずに食べています。
ラモンガンはスラバヤの40キロほど西にある地域で、ジャワ島の東部にあります。
わたしは本場でまだ食べたことがなく、いつかは食べに行きたいと思っています。
4. ソトブタウィ(Soto Betawi)
バタビア地方=ジャカルタ周辺のご当地ソトです。日本のラーメンで比較するとコッテリ系に当たります。
豚肉は当然使いませんが、ココナッツベースのスープで白いこともあり、わたしの中では豚骨ラーメンの位置付けです。
材料は店によって様々で、わたしのイメージでは以下が典型です。
- 牛肉と牛モツ
- ジャガイモ
- トマト
- ウンピン
- ライム
ウンピンというのは白い揚げ煎餅みたいなスナックで豆でできていると聞きました。よくインドネシアで見るクルプック(エビせんべい)とは違います。
これを手で砕いてスープに入れて食べます。
味は微妙です。苦みがありそれだけで食べても全くおいしいとは思いません。スープに入れるとなぜかいける味になるのが不思議です。
わたしはソトアヤム派ですが、急にソトブタウィが食べたくなる時があり、そういうときに食べます。ソトアヤムの味に飽きるとそうなる気がします。
ソトのジャンルとして完成された味わいと思います。
5. ソトバンドン
バンドン料理特集でも記載しましたが、バンドンのソトになります。
ソトアヤムよりさらにさっぱり系で、スープはほぼ透明です。
材料は以下です。
- 牛肉
- 大根を輪切りまたはイチョウ切りの薄切り
- 乾燥した大豆(節分の豆みたい)あるいはピーナッツ
- トマト
わたしは2回食べましたけど、あまりおいしいとは思いませんでした。好きな人がいるんだろうか。
バンドンに観光に来ることがあれば、試しに食べてみてはどうでしょうか。
6. ソトマカッサル(チョトマカッサル)
ソトブタウィに似ているのですが、肉は内臓肉中心で癖が強く、スープは豆乳やココナッツミルク、さらに香辛料を結構きかせているという味わいです。
SotoではなくCotoという記載が多く、マカッサル語でSotoをCotoというようです。
わたしが食べた店では、好きな部位を指定しました。わたしはとにかく聞かれたら、「それ入れてください」と言い続けたので全部乗せみたいになったと思います。
味は普通においしいです。こういう味はありだなという味わいです。
チョトマカッサルの特徴は他にもあり、ソトアヤムがライスをつけるのに対し、クトゥパットというちまきみたいなごはんと一緒に食べます。
内臓肉を大量に使うので、わたしはマレーシアのバクテー(肉骨茶)のような港湾労働者向けの料理じゃないかと想像しています。
日本のラーメンで言えば、同じく港湾労働者に供した長浜ラーメンでしょうか。
7. ソトスラバヤ
普通のソトアヤム、ソトラモンガンと同じ認識ですが、若干異なる可能性はあります。
わたしはジャカルタ駐在時代に、投資候補先の訪問や、投資先の新工場立ち上げで何度もスラバヤに行ったことがあります。
そのときに、わたしがソトアヤム好きだと知った地元の方が、おススメのソトアヤムの店を何軒か紹介してくれ、ソトアヤムの名店巡りをしたことがあります。
その時にわたしが感じたのは、具がシンプルだということです。たまたまの可能性はありますが、スラバヤのソトアヤムの材料はこんな感じでした。
- 鶏肉
- 春雨
- ゆで卵(ないときもある)
- バワンゴレン(バワンメラの薄切りを揚げたもの)
キャベツもトマトもジャガイモも入っておらず、潔い感じの料理でした。
ラモンガンの人たちがジャカルタでソトラモンガンの屋台をはじめた時の回想録を読んだことがあり、「ラモンガンの地名が知られている自信がなく、ソトスラバヤを名乗った」とありました。
なので、もしかするとソトラモンガンとソトスラバヤは場所が近いだけでなく、味も近いのかもしれません。
8. ソトマドゥラ
本場で食べたことがなく、店によってスープの色がまったく違うため、自信がありませんが、わたしの食べたソトマドゥラはすべて牛肉で、すじ肉が混じっていました。
スープは黒っぽい色から、黄色っぽい色まで様々です。
これは後日ちゃんと食べてから加筆修正させていただきます。
他のご当地ソトについても、あることは知っていますが、現地で食べたことがないので、後日加筆させていただきます。
これでインドネシア料理のご紹介は一区切りにし、インドネシアで流行りそうな日本食について書いていきたいと思います。