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インドネシアの島めぐり13日目 クリムトゥ山の3色の湖と温泉を楽しむ

インドネシアを代表する景勝地クリムトゥ山は、頂上でサンライズを見るのが定番だ。
サンライズに間に合わせるには、モニ村を午前4時に出発し、最寄りの駐車場に5時前に着いたあと、30分歩き5:30のサンライズの時間に到着するスケジュールを組むのが一般的とされる。

朝4時の出発に備えて3:30に起き、昨夜「寝過ごすといけないから念のため起こしてほしい」と頼まれていたのでフランス人を起こしに行くと、もう起きていた。
ドイツ人一家の赤ん坊の泣き声で1時に目が覚めたら寝られなくなったらしい。

ブラジル人の泊まっている宿まで歩いて行き、一緒の車に乗せてもらい出発した。道は真っ暗な上に細くくねくねしており、1人ではとても運転できなかっただろう。
クリムトゥ山に向かうの車の中で、わたしの旅仲間のフランス人とブラジル人女子たちがどうやって知り合ったのか聞いた。バジャワ近郊にあるマンゲルダ温泉で、退役軍人(フランス人男性の方)とブラジル人女子達が会って話したらしい。
退役軍人はほとんど英語ができないはずなのにどうしたんだろうかと思ったら、彼が英語ができないのには驚いたと全く気にしていない様子で、面白おかしくコミュニケーションの大変さを説明していた。
ちなみに彼は今回参加していない。1人が好きな人なので気ままにバイクを運転して来たいのだ。言語の話もそうだが心の強い人だ。

1人150,000ルピア(1500円)の外国人入場料を支払い中に入る。
外はまだ暗い。すでに何台かバスや車が止まっていて、ガイドが近づいてくる。
われわれにはブラジル人が雇った運転手兼ガイドがいるので丁重にお断りして先に進む。

湖が見える地点まで山道を登っていく。道はよく整備されており、サンダルばきでも問題ない。わたしは登山靴に雨具にヘッドライトという完全装備で出かけたが、そんな装備の人間はいない。

空が白み始めた頃、ビューポイントについた。

3つの湖が同時に見えると思っていたら、2つしか見えず、もう1つは裏手にある。今回見た時は2つの湖の色は水色と青だった。よく変化するらしく、ガイドによればパンデミックの頃は水色の湖は赤色だったそうだ。
水色は赤ん坊、青は子供だ。現地の人々は死んだら魂がこの湖にやってくると信じているらしい。

お気に入りの1枚 熱心に写真を撮る同行者3名

もう一つはわたしには黒か焦茶に見えた。フランス人は少し緑がかって見えると言っていたが、ブラジル人はわたしと同意見で黒という意見だった。
そしてこの地味な色のせいか、サンライズと逆の方向のためか、とにかく人気がない。1:20くらいの見物客の比率だった。

老人の湖 言い得て妙

太陽が上がるにつれ、湖の色はより鮮やかに輝き出す。岩の色、形、そして雲の形さえも美しく思えてしまう。

みななかなか帰ろうとしなかったが、太陽が形を失いただ空全体を眩しく照らすだけになると、飽きてきて戻り始めた。われわれも元来た道をおしゃべりしながら戻る。

昨夜の腹立たしい料理屋の話になり、なんとフランス女性は昨日の店は美味しかったから行った方が良いとブラジリアンガールに推薦し始めた。「マッコートもそう思うだろ?」と聞かれたので、「Totally not. I don’t recommend that one.」といったら、あまりの空気の読まなさにブラジリアンは「超ウケるー(意訳)」と大喜びしていた。

宿に戻り朝食のバナナパンケーキとコーヒーをいただいたあと、バイクを借りて温泉めぐりに出かけた。

今回の温泉巡りは3つの温泉まわったので、まずは地図で位置関係を示す。
一番左がアエオカ、右下がコロロンゴとリアセンベの場所になる。

中央下の3つの水色が3色の湖

アエオカデトゥソコ温泉

モニからエンデに戻る途中のデトゥソコという小さな町にある。
距離は20キロ、バイクでゆっくり走って40分くらい。
北に抜ける道と東西に走る道が交差する地点で、宿場町あるいは交易の場所として賑わったんじゃないかと思われ、この日も町の規模に比べて大きな市が開かれていた。

温泉は北に抜ける道に沿った左手にある。

綺麗に整えられたガーデンの向こうに温泉をためたプールが見える。その奥は川が流れており、橋がかかっている。

画面真ん中の赤屋根の下がプール

綺麗に掃除をしてくれている男性がおり、その人に入浴料として10,000ルピア(100円)支払う。
パンツ一丁になり入ってみた。結構熱い。40度以上あるかもしれない。
お湯を舐めたところ少しミネラルを感じるくらいで、色もほぼないので単純温泉と思われる。

源泉はプールから5メートルくらいのところから自然湧出している。触ると熱い。45度くらいありそう。
底というよりは、大きな岩の下あたりから湧き出ているように見える。

この温泉のいわれが、なんとインドネシア語と英語の併記で記されていた。
アエは水の意味、オカは檻の意味で、古来より岩で囲われた野生の水牛を囲い飼いする場所だった。聖なる場所だったとも書いてある。
期待していた温泉についての記述はないが、これだけの情報を書いてくれれば十分ありがたい。

しばらくすると、エンデから来たという高校生4人組が泳ぎに来たというので、目の前を泳がれてはかなわないと思い上がった。
授業で日本語を習っているそうで、日本語の単語を少し話した。
泳ぐと言っていたが、わたしの誤訳のようで泳ぐ気配は全くなく、ただ半身浴をしながら談笑していた。

コロロンゴ温泉

モニからクリムトゥ山にいく途中のモニ寄りにある温泉。
2つありコロロンゴはより山に近い方(モニから遠い方)の温泉だ。
山に向かって進むと左手に大きな門が見え、そこにAir Panas Kolorongoと書いてあるのですぐにわかる。

道沿いにバイクを止めて、下の写真のようなワクワクするあぜ道を下に向かって降りていく。

温泉は小さめの池で透明感がある。早速つかってみる。ぬる湯だ。
全裸といきたいところだが、数名の農婦の方々をちらほら見かけるのでパンツは履いておいた。

池の奥に進むと、底から勢いよくお湯が吹き出している場所があった。
美味しいものを食べ過ぎて、いくら美味しくても感動できなくなった贅沢な人にわたしもなってしまったようだ。
これだけの温泉を前に、淡々と水流の強さや他に源泉口がないか確認している自分に唖然とした。

もはやこれくらいでは感動できない人間になってしまった。なんだか悲しい。

リアセンベ温泉

コロロンゴよりもモニの集落に近い。同じように温泉を示す大きな門がある。
道沿いにバイクを止め、2、3軒の家々の間を通り抜けていくと、右手に下がっていく階段があるのでおりていく。

少し進むと道の先に二つの浴槽が見えてくるだろう。それが温泉だ。

温泉の周りにはいつもの如くゴミが散乱しており、ここは特にひどい。
せっかくの温泉が台無しだ。
このゴミをそこら中に捨てる問題は、旅で会う外国人観光客と毎回話題になる。
素晴らしい景色がゴミひとつで興醒めしてしまうことに気づいた方がいいだろう。

源泉は2ヶ所あり、2つとも自然湧出している。温度はコロロンゴより高く、39度ほど。

奥と手前は別の源泉 何も無色透明で無味の単純温泉
下に位置する源泉から滝のように湯が流れ落ちる。

お湯は適温でとても気持ちが良い。南国の景色と温泉という組み合わせは、日本だとあまりないので、異国情緒を楽しめる。

番外編 用水路の共同浴場

モニの集落に温泉を引っ張って来ていて、そこで住民達がマンディー(沐浴)をしている場所がある。
裸ん坊の子供たちからにこやかに手を振られたのだが、とても写真を撮れる状況になく、翌朝の様子を撮影した。

黒いパイプに白い場所が見える。そこからミストが放射されている。

リアセンベから細いパイプで引っ張って来ていると聞いた。
かなりぬるいが、用水路を流れる水と比較すると温かいのが分かる。

共同浴場といっても、黒いパイプに意図的に穴を開けて、そこからミスト状のお湯が吹き出すポイントがあり、それがマンディー場になっている。
洗濯をしている母親達もいる。

明日はティモール島のクーパンに飛行機で行く。
飛行場のあるエンデに向かうバスは、早朝にホテルの前で待ち構えて捕まえる予定だ。

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