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インドネシアの島めぐり30日目 ジャイロロ観光 絶景温泉ふたたび

ハルマヘラ島のジャイロロはモルッカ諸島に4つあった王国の1つで、テルナテに征服され従属していた。テルナテ、ティドレ、ジャイロロ、チャワンの4つの王国がスルタンを頂点に抱くイスラム王国だった。

残念ながら史跡らしいものはなく、現在も使われる王宮が残るくらい。
その代わり、わたしにとって優先順位の高い温泉がたくさんある。

ジャイロロ山を真ん中にして突き出た半島の周囲に点在しており、いずれもジャイロロ山の地下熱を熱源として作られた温泉だ。

赤いカメラのマークが温泉地

硫黄泉から単純温泉、ナトリウム塩化物泉(しょっぱい味)まで多様性に富む.温度もぬるいを通り越して冷たいのから、熱すぎて入れないのまでさまざまだ。

今回は温泉を中心にジャイロロの周辺をご案内させていただく。あいにくの雨だったので、朝から車をチャーターし回った。
昨日トベロからジャイロロまで200キロ運転してきてくれた運転手だ。安い値段で頑張ってもらったので、少しでも取り戻してもらおうと頼んでみた。


1.王宮

まず最初に向かったのは王宮。運転手が中に入れてくれるかもしれないというので、行ってみた。
細いくねくねした坂道を登っていくと現れる。昔の砦の跡かもしれない。

門が少し開いていたので庭に入って声をかけると、お手伝いさんらしい女性が2人出てきた。200平米はありそうな土間の広い炊事場があり、そこで食事の準備をしていたようだ。
王様の行事があれば何百人分の食事を作らなければならないだろうから、これくらいのスペースは必要なんだろう。

写真左奥から先が台所

そのうち、スタッフの責任者だというおじさんが現れて少し話をした。王様はジャカルタに住んでいて滅多に帰ってこないそうだ。
王家の紋章だけ写真に撮らせてもらった。双頭のワシがジャイロロ王家の紋章になっている。

2.伝統家屋アダットを見る

このエリアには、アダットと呼ばれる集落の集会場が残っている。
集落ごとにあるので、いくつも見ることができる。屋根の装飾も含め、作りはどれも同じだった。

屋根材が軽い素材なのと、住居ではないためか、割と簡素な作りに見えた。

3.ガマラ温泉

入り口に案内もあり、そこそこ有名な温泉のようで運転手も知っていた。
行ってみると何故か船が浮かんでいる。

本当にここなの?と聞かずにいられない温泉だ。
温泉が湧き出ている場所があり、この沼の大きさを考えれば大量にお湯が湧き出していることは見て取れたが、船はないんじゃないか。
このまま川というか沼と一体になり海まで出られるのかもしれない。

入ってみるとぬる湯で、白い湯の花がたくさん出ている。硫化水素の香りもしっかりしており、硫黄泉なのは間違いないだろう。
こんなにいい温泉なのにもったいない。壁で区切ればいいだけなのにしないのは、地元の人たちはこういう温泉の形態が好きだからかもしれない。

川のように温泉が流れ出ている。

4.マリマバティ温泉

ガマラ温泉から600メートルほど海寄りにある温泉。
こちらの方が温度は高めで、温泉はさっぱりしており、泉質は単純泉と思われる。
ここも先ほどと同じで川と一体化しているものの、雰囲気は格段に良い。

地元の学生

。そこは砂地で、深さもそこそこあり、とても気持ちが良い。インドネシアによくある、枝ぶりの良い木が頭上を覆うように葉を巡らし、屋根のようになっている温泉だ。
ここはおすすめ。

5.FTJ温泉

港の前の人がたくさんいる中心地にある。
運転手によればモスクの横なので沐浴する場所なんだと言っていた。よく理解できなかったが、宗教的な場所なのかもしれない。

温泉自体はほぼ水温に近く、入れたものではない。足だけつけて終わりにした。
人がたくさんおり、声をかけてきたりジロジロ見ているので落ち着かない場所だ。

夕食を食べに港の近くに行った折に見にいってみたら、夕方だったためか入っている人がたくさんいた。

6.ガララ温泉

FTJ温泉から西に500メートル強進んだところにある海辺の温泉だ。絶景風呂の可能性があると期待していたら、期待以上の景色だった。
なにしろ、ティドレ、マイタラ、テルナテの3つの島が完璧なシルエットで並んでいるのだから。

左からティドレ、マイタラ、テルナテ

源泉は岩の割れ目から大量に湧き出ており、しかも熱い。40度以上ある。
先客は熱いのが苦手で離れたところにいたため、わたしは熱い湧き立ての湯を堪能した。

ここもオススメしたい。

ただ残念なところもあり、一つは浅すぎること。寝湯状態なので、絶景を見ながら浸かれない。空しか見えないのだ。
もう一つは視界に船が入ってしまうこと。ここに止めるなよという場所に風情のない小船が停泊している。

あとはよそ者なので文句は言えないが、洗濯おばちゃんがいること。
この温泉はほぼ海水と同じくらいしょっぱいので、何も温泉でわざわざ洗わないで海で洗えばいいのにと思ってしまう。

7.パテン温泉

ガララ温泉をさらに3キロほど西に進んだところにある温泉。熱いと聞いていたので期待していたが、熱すぎて入れなかった。
お湯の温度自体であれば48度くらいで行けたと思うが、底が足をつけられないくらい熱い。
湧き出ているお湯を地熱でもって加熱している状態の温泉なのだ。
わたしはそうは言っても全ての底が熱いということはなく、熱くない底があるはずだと思い何度も底に足をつけては確かめたが、とにかく全部熱かった。

かくなるうえは、温泉が川に流出している場所なら川の水と混じり合って適温になっているはずだと流出口の川に手を入れてみた。同じくらい熱い。
おかしいなと思って川の温度を調べたら、川自体が熱かった。どうやら温泉はそこら中にあるようだ。

奥の緑はマングローブの林
海が満潮になり海水と温泉が混じり合うとちょうど良い温度になるのかもしれない。
熱すぎない場所を一緒に探してくれた地元の青年

手でお湯をすくって体にかけ、足湯をしただけで諦めた。

8.ボジック温泉

パテン温泉を500メートル西に進むとある。
パテン温泉と非常に似た立地で、温度が低ければと思ったが、水面から湯気が上がるほどの高温なので入るのを諦めた。
足湯さえ厳しいレベルだ。

ここも満潮時に海水が流入するとちょうど良い温度になるかもしれない。
マングローブの林を目の前に入る温泉なんて最高だろう。

9.ご当地グルメ

テルテナと同じ、ゴフイカンとポペダがあるらしいのだが、わたしがいった時はやっていなかった。
小さい町で、港町ならどこにでもあるイカンバカール屋(魚の炭火焼き)がたった1軒しかない。
オシャレなカフェや、英語でメニューが書いてあるようなレストランもないので、観光客は苦労すると思われる。

町に1軒のイカンバカールレストランの写真を乗せておく。
港の正面にある木の建物だ。

雨上がりの翌朝

港にはこんな銅像もある。

次は南マルク州の旅になる。
テルテナ島ーアンボン島のフライトが16日まで取れなかったので、明日からテルテナ島に渡って2泊する。
やはりテルテナ島の方が都会なだけあって食事もうまいし滞在生活は楽だ。

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