インドネシア料理のご紹介【サテ:インドネシア版焼き鳥】
日本でも有名なインドネシア料理で、わたしのもっとも好きなインドネシア料理の1つです。
日本の焼き鳥屋のように炭火で焼くので本当においしく、どんな店で食べてもほぼ間違いなくおいしいです。
日本の焼き鳥と同じで、遠くからとてもおいしそうな香りが漂ってくるのが特徴です。
具材は鶏肉のサテアヤムか、ヤギ肉のサテカンビンが定番です。
牛(サピ)、うさぎ(クリンチ)もあります。わたしはスマトラのジャンビという町で、豚のサテ(サテバビ)を食べたことがあります。アンボンとフローレスにもサテバビ屋がありました。
アンボンではサテツナ(マグロの串焼き)を食べました。
サテの起源はジャワ島のPonorogoというエリアで15世紀にはじまったのだとインドネシア版ウィキペディアには書いてあります。
ジャワ東部の山の中で、今でも最も原始的なサテの形態を保っているとありました。
他にも、アラブのシシカバブにヒントを得て作られたとか、バソと同じように福建あたりの食べ物だとか諸説あります。
サテの食べ方
1.サテを頼むときに、一緒にロントンをつける
バンドンでは定番です。
ロントンとは、バナナの葉に包んで蒸し焼きにしたもち米で、穴が開いていないきりたんぽのような形状をしています。
これがサテのピーナッツソースと相性抜群です。
ただ、わたしはきりたんぽのように表面を焦がして熱々にした方が絶対においしいはずだと思うんですよね。なぜかいつも冷たくなった状態で出されるので、残念に感じています。
わたしは時々フライパンで軽く炒めてから食べます。
インドネシアは全般的にぬるめの料理が多いため、以前寮のスタッフたちと話しているときにクレームを入れたところ、「インドネシア人は猫舌が多い」と言っていました。
インドネシア語を直訳すると、「熱い料理を食べると舌が壊れる」という言い方でした。
2.バワンメラのフライをつける
日本語で赤分葱というらしいですが、小さい赤い玉ねぎをスライスしてあげたものです。これをサテの上にふりかけます。
香ばしさが増す効果があり、インドネシア料理では前回ご紹介したバソ、こらからご紹介しようと思っているソトなど、多くの料理でバワンメラのフライは使われます。
3.ピクルスをつける
毎回というわけではないです。キュウリとバワンメラを小さくスライスしたものを酢漬けにし、緑の唐辛子をつけて出てきます。
サテが濃いめの味付けでこってりしているため、この味の変化は素晴らしいです。料理をどうやったらおいしく食べられるか、よく考えているなと思わせます。
サテの価格
ざっくりした価格感を申し上げると、バンドン価格ですが、それぞれ10本あたりサテアヤムが15,000ルピア(150円)、サテカンビンが18,000ルピア(180円)、サテサピが20,000ルピア(200円)です。
サテサピは肉の量がアヤムやカンビンの半分くらいしかないので、実質倍する感覚があります。
ロントンをつけると、サテアヤムが20,000ルピア、サテカンビンが23,000ルピア、サテサピが25,000ルピアです。
ざっくりのご参考にしていただければ。
昔はサテアヤムはもっと肉の量が多く、かつ10本で1万ルピアしなかったです。
ちなみに、インドネシアでは一般的に男性がカンビン(ヤギ肉)好き、女性はアヤム(鶏肉)好きという傾向が見られ、わたしがサテカンビン好きだというと、男性から「いいぞ、俺たちの仲間だ」という反応があります。
ドリアンが好きという時の反応に似ています。精力が付く男っぽい食べ物のイメージがあるようです。
サテ マランギ Sate Maranggi
スンダにはスンダ独自のサテ文化があり、プロアカルタ地方が本場です。
ジャカルタとバンドンの中間地点から若干バンドンよりにある町ですね。
サテ・マランギはアヤムとカンビンがあるところは同じでも、普通のサテと違って事前にタレに漬け込みマリネしてあり、マリネ効果で肉が柔らかいと言われています。
わたしはプロアカルタの行列ができる有名店に行ったことがあり、一度に1000本くらい焼けそうな巨大な焼き場がある店でした(メイン画像の写真)。
わたしはそこまで食べなれていないため、味の違いが明確にわかるわけではないのですが、かなり好みの味でした。肉の味がしっかりする感じです。
明らかに違うのはソースで、普通のサテはピーナッツソース、こちらはケチャップマニス風味のタレにつけて食べるスタイルです。
白米にとても合う味付けですので、ぜひごはんと一緒に召し上がってみてください。
タレだけでごはんをお代わりしたくなるほどのうまさです。
もし見かけたらぜひチャレンジしていただきたいです。
手間がかかる分、普通のサテよりちょっと高めの料金設定になってます。
サテタイチャン
サテタイチャンって日本語っぽいなと思った人、正解です。
どうやら、たいちゃんという名の日本人が、塩焼きにしてくれと注文してできた料理らしいです。
ジャカルタのブロックMに元祖の店があると記事が出ていました。2011年頃から新メニューが始まったようです。
バンドンでは「たいちゃん」ではなく、サテアシン(しょっぱいサテ)というメニューになります。バンドン工科大学のMBAの建物から通りを挟んだ向かいに鳥料理の屋台があり、そこで食べられます。
普通のサテではなくサテアシンを頼むクラスメートが半分はいます。結構人気です。
わたしはバンドンで食べたときはあまりおいしいとは思いませんでしたが、ジャカルタのブロックMで食べたたいちゃんはまあまあいけると思いました。
バンドンの方はカレー塩を振ったような味で、かつ日本の焼き鳥に比べると肉が少しパサついている感じなので、塩だとパサつきが目立ちます。
ジャカルタの方は意図的に鶏皮を混ぜて串に刺しており、パサパサ感が中和され程よいしっとり感が出ています。
サテパダン、サテマドゥラ
ご当地サテといえば、スマトラ島のパダン、東ジャワのマドゥラも有名で、いずれも鶏肉、ヤギ肉以外に、牛肉(サピ)があります。
パダンといえばナシ・パダン(パダン料理)が有名ですね。マドゥラはヤクザと塩で有名で、マドゥラ屋台といえば24時間営業の代名詞となっています。
サテパダンはピーナッツソースではなくカレーがたっぷりとかかっています。日本の辛口カレーより辛いですが、色は普通の黄色いカレーです。
サテマドゥラは、サテマランギと同じでピーナッツソースは使わないと聞きますが、実際に注文してみるとピーナッツソースをかけるケースが多く、どちらか選べるようになっています。
事前にマリネしていると言います。わたしはあまり差を感じませんでした。
番外編 日本の焼き鳥
日本食ブームのなか、焼き鳥(Yakitori)という言葉が少しずつ浸透しているようです。クラスメートたちがランチに焼き鳥を食べに行くというので一緒に行きました。
むね肉、もも肉、皮、つくねがありました。
たしか2本で25,000ルピア(250円)だったと思います。インドネシアの感覚だと肉の量の違いを加味しても普通のサテの倍する感じがします。
肉はちょっと固かったですが、問題なくおいしかったです。店に日本酒があったので一杯やりたいなと思ったくらいです。
クラスメイト達は焼き鳥丼を頼んでいました。20代前半とはいえ、米を食べないことには食事とは言えないというインドネシアカルチャーは変わりません。
彼らの子供とか孫の世代になって、パンや麺でも食事をした感覚になるのかもしれません。
以上サテのお話でした。日本人の味覚に合うので、ぜひ食べてみてください。