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計算はできない。人生は梅にまみれながら進む【つくり手であること】

今の借家には、家の裏に人しれず小さな1本の梅の木があって、毎年よく実をつけてくれています。
通常、梅は、良くなる「表」の年と、そこそこしか採れない「裏」の年が1年ごとに交互にやってきます。しかし、この木と共に暮らして5年目にして、早くもそのカウントが分からなくなってしまいました。

たしか越してきて1年目は14〜15kgが採れて喜び、翌年2年目はほんの3〜4kg程度。そうか裏年だったんだね〜なんて言ってた記憶があります。3年目にはまた20kg前後が採れて、おぉこれぞ隔年結果!などと話し、4年目の2020年。裏年だからまた数キロ程度だろうね、ちょっと梅シロップでも作れたら十分だね〜、なんて思っていたところ、予想を裏切るまさかの大豊作...!かなり取りこぼしたけど、それでも20kg以上を収穫しました。昨年2020年といえば、奇しくも世はパンデミックの最中。なんだか梅の力強さに特別なものを感じて、大量の梅肉エキスを作ったのでした。

そうなると、5年目の2021年はまた裏年に戻るんだろうね、と梅仕事の準備をしないでいたところ、まさかまさか、去年を超える謎の大豊作...!ちゃんと採れただけでも30kgは超えました。え、まじでどういうこと??カウント完全に見失ったんですけど。

その中で自分たちなりにちょっと掴んだ、小さな学びと結果について備忘録にします。

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剪定は木のエクササイズ。

昔の人は「桜切るばか、梅切らぬばか」と言ったそうで、それほど梅は剪定して手入れをすることが大事だという意味が込められています。剪定ひとつでばか呼ばわりされるのかよ...と思うけど、これが薬や食べ物だと思えばそりゃ真剣になるのもわかる。

ただ我が家の場合、高台の柵ぎりぎり、且つ、狭いところに植わっている小さな木であるため、剪定するのも一般的なロジックではできず、毎年あーでもないこーでもないと我流に走る事情もあります。

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間引き、大事。

いまいち実のつき方の法則性がつかめずにいるものの、野菜と同じで、間引きをすると大きく成長してくれることを実感。目安は葉っぱ10枚に1粒だとか。うちのような小さな木1本でそんな贅沢な間引きはしなかったけど、それでも狭そうなところは離すように間引く。このあたりは夫が嬉しそうに作業してくれて助かります。

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結局2021年の大豊作は、一部を友人たちに引き取ってもらいつつ、青梅を収穫しながら梅肉エキス梅シロップ梅味噌梅醤油酵母、そして赤みを含んだ樹上完熟までした梅を梅干し梅ジャムにまで仕込むことができました。

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梅肉エキスは日常使いもいい

間引きも含めて10kg近い青梅を梅肉エキスにした今年。
元々うちはあまり体調不良がないもので、これまでの消費スピードでいえば去年作った梅肉エキスで向こう10年くらいもちそう、と思ったものの、体調がいい時も梅肉エキスは使える、とわかったらすごい減ったのです(笑)

全然まったく不調などないのに、寝る前にひと舐めすることで、翌朝の目覚めの快適なこと。また、就寝中に消化が進むのか、朝のお腹が空っぽなのもとても快適です。もちろん飲みすぎた時もおすすめ。

ということで今年は間引きも含めてたっぷりの青梅を梅肉エキスにします。

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梅肉エキスにマストアイテム、梅割り器

お母さんのお薬にするため毎年実家で梅肉エキスをつくるというお友達のタロウさんがインスタにあげていた「梅割り器」を見てびっくり!なにこの画期的なアイテム...調べたらすごい昔からある超ド定番品のようで、なぜ10年前に誰もわたしに教えてくれたなかったのだろう??という疑問が拭えないままソッコー購入しました。

カオスを収めるのは、分業

梅肉エキスを作るときは軽くカオスになりますが、梅を割る人、タネを外す人、果肉をフードプロセッサーに掛ける人、と分業が命。狭いキッチンの平和を保つのは分業の効率性です。

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絞りは工夫の余地あり

10年前に食養を学んだとき、梅はすりおろす、と言われたのですが、梅割り器とフープロに頼ることを選択する現代人のわたし。しかし絞るプロセスだけは今年もなかなか苦労しました。

今年は、義母がマッシュポテトを作るのに使っていたハンドジューサーを活用。少量ずつしかできない苦労はあるものの、布を引いたジューサーで梅を絞り続ける夫。全量しぼり終えた時には梅のクエン酸でジューサーが隅々までピカピカになってるという効果までありました笑。

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煮詰めるのは翌日に回すもあり

これは前からそうなのですが、たくさん作る時は煮詰めるのも時間がかかるため、1/4くらいまでかさが減ったら続きは翌日にしています。今年は仕事で不在にしていましたが最後は夫が仕上げてくれました。

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鍋底の梅エキスは「梅水」に

煮詰めていると最後にどうしてもスパチュラで取れない梅肉エキスが鍋底にくっついてしまいます。できる限り瓶詰めし終えた後は、鍋にお湯を注いで梅肉エキスを溶くように綺麗にして、その液体も冷蔵保存しながらちびちび飲みます。なるべく最小限のお湯で溶くようにしているので、梅水にしたあともそれなりに酸味は強く、けっしてグビッといけるものではないのです笑。

ただ今年は、ミントシロップと炭酸水で割ってみたら、市販の梅肉エキス飴の味がするドリンクができて、密かに気に入っています。

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ちなみにミントシロップ の作り方はこちら。材料3つで、超簡単。

なかなか大仕事だった今年の梅仕事も、あとは赤シソを追加して(でも畑でまだ超ちっちゃいw)夏の土用のときに干せば完成です。

自宅の梅とは別に、6月に取材で出かけた先でも完熟梅をいただいたので少量の梅干しに仕込みました。その他、梅園のお手伝いをしている親友からいただい甘露煮や、母をはじめとする多方面から「梅いる?」のお声がけもあったりして、あぁなんて梅に恵まれた人生なんだろう、と感謝しています。

とはいえ来年は裏年かな、たぶん。
うん、きっとそう。

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